幻想郷に入った少年の日常   作:モリリン

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どうもモリリンです。今回は早めに投稿ができ、嬉しく思います。今回は前の話にあった漢との約束を守るため、試行錯誤をする話と温泉宿開店のために頑張るお話となっています。ではどうぞ!


式神と漢の約束

宴会は朝まで続いた。ほとんどの人は寝ていたが、まだ酒を飲んで話し合っている。恭弥は明日も忙しいので早めに寝ていた。朝起きて見ると会場はもう床が見えなほど空き瓶や空になった皿がいっぱいあった。みんなが起きると役割を決めてせっせと片付けを始めた。人数が人数なので片付けはすぐに終わった。終わるとみんなはまた明日来ると言って帰って行った。みんなを見送って自分の家に入って自分の部屋に戻ろうとすると紫ともう一人がお茶を飲みながらちょこんと座っていた。なんでいるのかわからず恭弥は言った。

 

「なんで勝手に人の部屋に上がってるんだよ。」

 

「それについてはごめんなさい。少し貴方にお話があるのよ。」

 

なんだろうと思いながら紫の前に座る。

 

「明日からこの夢見郷を開くための準備をしないといけないからなるべく手短でたのむな。」

 

「約束はできないけど善処するわ。じゃあ、話に入るけど、その前に藍を紹介するわ。私をサポートしてくれる優秀な式神なのよ。」

 

そう言って紫は藍を見る。それにつられて恭弥も藍を見る。少し短い金髪の神に九つの美しい尻尾。一本一本が三日月のように輝いていて見とれてしまう。触りたい!と言う衝動と戦っていると

 

「八雲 藍(やくも らん)だ。君のことは紫様から聞いている。外来人で能力持ち、しかもとてつもない霊力を持っているそうじゃないか。紫様に頼まれて君に教えることがある。」

 

「俺に教えること?一体なんなんだ?」

 

一体なんだろうと思い藍に聞くと代わりに紫が答えた。

 

「いくら周りの人達が手伝ってくれるからと言って限界があるわ。そこで、貴方一人で宿を開けるようにするの。そうすれば周りの人も手伝わなくていいし、スムーズに営業できるってわけよ。」

 

「そんな方法があるのか!?ぜひ教えてくれ!」

 

「それを藍から教えてもらいなさい。貴方の能力と霊力があればすぐにできるわ。」

 

藍の方に顔を向けると真剣な顔で

 

「ただし、悪用することは許さんぞ。わかっているな。」

 

威圧的なこえで藍は言った。少し妖力が溢れていることからもし悪用すればどうなるかがすぐにわかった。

 

「あぁ、約束するよ。絶対に悪用しない。」

 

こちらも真剣な眼差しで答える。

 

「よしならば教えよう。私が今から教えるのは式神に関すること全てだ。まず式神と言うのはだな、、、。」

 

そう言って、藍の式神授業が始まる。本当に簡単に言うなら結○師に出て来る後片付けなどをしてくれるあれだ。(わかる奴にはわかる)他に藍みたいな妖獣に式が付いたものも式神と呼ばれるそうだ。まぁ、妖獣なんてそうそういるもんじゃあないだろうし、簡単な○界師の式神にしようかな。そんなことを考えながら30分で授業は終わった。

 

「、、、と言うことだ。どうだ?わかったか?」

 

「あぁ、ありがとうな藍。よくわかったよ。早速やって見る。」

 

過去にみたアニメを思い出しながら紙に四角の模様を書く。目を瞑り、姿カタチを頭の中に描く。霊力を紙に集中させ、手から放つ。

 

「いでよ!式神!!」

 

ボフンと煙を出して現れたのは思い描いた通りの姿カタチをの式神だった。顔には黒い四角が描かれている。小さいが力持ちでなんでもできる式神だ。それをみた藍が。

 

「ほう、凄いな、もうここまでできるのか。やはり恭弥の能力は凄いな。」

 

ちょんちょんと式神を突きながらそんなことを言う。その言葉に少し照れた恭弥は頭をぽりぽりとかいている。すると紫が

 

「これで難なく宿を開けるわね。じゃあ私は明日を楽しみにして、今日は帰るわね。じゃあね恭弥。また明日。」

 

そう言って紫はスキマを出した。

 

「それでは恭弥、また会いましょう。今度はゆっくりとこさせてもらいますね。」

 

「あぁ、待ってるぜ。また来てくれよな。」

 

そう言うと紫と藍はスキマの中に入って消えて言った。

 

「さて、ひとまず式神を作っていきますかね。」

 

紙を作って式神を作るのを繰り返して30人の式神ができた。みんなそこらへんの妖怪には負けないほどの霊力をつぎ込んで作った。

 

「あとは俺がいない間、こいつらを任せられる奴がいるな。」

 

そう言って作ったのは執事のカッコをした美青年だった。ありったけの霊力を作ったから相当強くなっているはずだ。弾幕ごっこもできる。名前だが執事と言ったらセバスチャンだろうと思いセバスチャンにした。

 

「よし、セバスチャン、そいつらの指示はまかせる。明日までにこの夢見郷を開けるようにしてくれ。あと男子風呂の方は俺がするから誰も入れるな。いいな。」

 

「はっ!わかりました。恭弥様。」

 

そう言って周りの式神に指示を出していく。手際が良くスムーズに手分けして掃除や準備をしてくれている。自分の作った式神に満足しながら恭弥は男子風呂へと足をすすめた。

 

恭弥が男子風呂を掃除すると言ったのは昨日の宴会であった約束を果たすためだ。ただ穴を開けるだけでは気づかれるだろう。だからそれぞれの種族に見やすく、かつバレない穴を考えた。カッパたちには女湯と男湯をつなぐ通路を繋ぎ、温泉の中から見てもらう。鬼には壁に穴を開け、結界でカモフラージュしてあっちからは見えないけどこちらなら見れる穴を作った。ただ、結界がばれてしまえばそれで終わりだ。まぁ、それはもう知らん。一時間ちょっとで穴を作り結界を張った。あとはあいつらに頑張ってもらうしかないな。俺は見ないけどな、、、見ないけどな!

 

秘密の穴を作ったあと、他の場所の点検をして回った。セバスチャンのおかげでとても早くに終わることができた。式神には何部屋か貸してそこで寝て、また明日働いてもらう。さて、明日も忙しくなる早く風呂に入って寝よう。浮き立つ心を鎮めるように静かに瞼を閉じた。

 

 

 




どうでしたでしょうか。少し前の話より短くなりました。
次回はようやく夢見郷の開店です。そして男たちは夢を見れるのか!!
それではまた。

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