幻想郷に入った少年の日常   作:モリリン

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どうもモリリンです。また投稿が遅くなり申し訳ありません。
今回は前の続きということで宴会での新たな出会いを描かせていただきました。本当はもっといらんだ人達を出したかったのですができませんでした。また、これからの登場に期待してください!


始まる宴会、出会いの夜(後編)

宴会が始まり早速賑やかになってくる。どこに行こうかと周りを見渡すと萃香がこちらに手を振っていた。

 

「おーい、恭弥ー、こっちきなよ。」

 

萃香のところへ行くと他の鬼がチラホラいた。「あれが萃香を倒したっていう外来人か。」「あまり強そうじゃねぇな。」などと聞こえてくる。

 

「ほら、座りなよ恭弥、 今日は飲むよー!」

 

そう言って瓢箪を一気に自分の口に運ぶ。ゴクッゴクッと聞こえてくるぐらいのいい飲みっぷりだった。やがてぷはぁー、サイコーと声を上げる。恭弥も近くにあった酒を少し飲んだ。久しぶりに飲んだが、やはりまだなれず、程々にしておこうと思った。すると萃香が。

 

「あ、やっと来た。ちょっと遅いんじゃない?」

 

萃香が声をかけた方を見ると、おでこ辺りに大きな一本のツノが生えており、右手には大きな盃を持っていた。

 

「悪い悪い、少し道に迷っちまってさ。ん?あんたが萃香に勝ったって言う音街恭弥かい?私は星熊勇儀って言うんだ。よろしくね。」

 

そう言って恭弥の隣に座った。

 

「ねぇ、恭弥、萃香の次は私と勝負しようよ。いい戦いが出来そうだ。」

 

鬼は戦いが好きなのか?などと思いながら「あぁ、いいよ。」と返した。勇儀はやった!と言って盃をグイッと飲んだ。

 

「ところで恭弥、この温泉はいつ開くんだい?」

 

萃香がそんなことを聞いてきた。確かに、ちゃんと決めていなかったな。そんなことを思いながら周りを見渡すとドンチャン騒ぎであちこち散らかっている。

 

「これは、明日からは無理そうだな。せめて明後日からにするよ。」

 

「おっけー、じゃあその時に行かせてもらうよ。」

 

「あぁ、ぜひ来てくれ。歓迎するよ。」

 

そのあとは萃香と勇儀と他愛もない話をしながら、少しずつ酒を飲んでいると霊夢がこちらに手を振りながら大声で

 

「恭弥ー!こっちにも来てよー!合わせたい人がいるのー。」

 

「わかった!すぐ行くよ。じゃ、またな萃香、勇儀。」

 

そう言って二人のもとを離れて霊夢のところへ行った。霊夢のところには見知らぬ二人がいた。

 

「あなたが恭弥ね。初めまして。私の名前はレミリア・スカーレットよ。レミリアって呼んで。」

 

レミリアという少女は見た目は幼女だが、気品に溢れていた。背中からは黒い翼がはえていて、人間ではないとすぐにわかった。

 

「あぁ、よろしくレミリア。そっちの人は?」

 

そう言ってレミリアのななめうしろに立っている女性を見た。綺麗な銀髪にメイドの格好をしている。なんとも仕事ができそうな感じだった。

 

「私は紅魔館でメイドをしている十六夜咲夜と申します。気軽に咲夜とお呼びください恭弥様。」

 

そう言って綺麗なお辞儀をする。

 

「様なんてつけなくていいよ。普通に恭弥って呼んでくれるとありがたい。」

 

「わかりました。ではこれから恭弥と呼ばせていただきます。」

 

恭弥は咲夜の敬語がなくなり、友達のように話せたらいいな、と思った。時間が解決してくれるだろうと思っているとレミリアが

 

「ねぇ恭弥、いつか紅魔館に来てくれないかしら?貴方とゆっくりとお茶をしたいのだけど。」

 

「あぁ、別に構わないよ。けれどこの宿のこともあるからまた時間ができれば行くよ。」

 

「そう言ってもらえると助かるわ。私もこの宿の温泉を入るのが楽しみだから開店日に来るわね。紅魔館のみんなを連れて来るわ。」

 

そう言って笑顔で去っていった。咲夜もこちらに一礼してレミリアの後を追う。レミリアたちは挨拶に来ただけだったのだろう。

 

「ほんと、幻想郷にはいろんな人がいるな。」

 

まぁ人というか種族というか。この世界は新しいことばかりでこれからが楽しみだと思った。

 

「じゃあ恭弥、この宴会はあんたが主役なんだから楽しみなさいよ?私もそこらへんにいるからまた来てよね。」

 

「おう!ありがとな霊夢。お前も楽しめよ。」

 

そう言って霊夢は魔理沙たちのところに行った。

 

「さてと、次はどこに行こうかな。お?あれはニトリだな。周りにいるのは同じカッパか?」

 

ニトリを見つけてそこへ歩き出す。ニトリはカッパたちと何やらよくわからない話をしている。

 

「STAP細胞は、、、あります!!」

 

はいアウトー。それは言っちゃダメだろう。ていうかそんなメタイ小説だったか?ていうかこんなこと言ってる時点でもうメタイわ。

 

「だからー、あるんだってば!!、、、ん?やあ、恭弥楽しんでるかい?」

 

「あぁ、おかげさまでな。てかなんの話してんだよ。」

 

「人類の可能性を仲間と話し合ってるのさ。恭弥はあると思うかい?」

 

「いや、ないだろ。」

 

そういうとニトリは、笑顔で

 

「だよねー、あったら革命的だけど見つかってないしねー。」

 

「いや、さっきあるって言ってたじゃないか。」

 

「あれは昔誰かが言っていたから言ってみただけだよ。」

 

「そうか、ならもうにどと言うなよ。わかったな?」

 

「わ、わかったよ、、、。」

 

恭弥の圧力で冷や汗をかきながらニトリは答えた。するとニトリの近くにいたカッパがこちらに手招いて来た。そちらに行くどガッと肩を組まれて強制的に座らされた。するとカッパが耳元で

 

「おい、恭弥とやら、あんたここの宿主なんだろ?カッパの漢として頼みがある。」

 

真剣な顔で言ってはいるが、何やら嫌な予感がする。

 

「いいか、よく聞けよ。頼みっていうのはだな、、、

 

 

 

女湯にのぞき穴を作って欲しいんだ!!」

 

まぁ、予想はできていた。温泉での漢の頼みなんて覗きとかそんなんだからな。

 

「もちろんタダとは言わねぇ。これでどうだ?」

 

そう言ってカッパの懐から出して来たのはこの世界ではないと思っていた漢の必需品と言っていい、いわゆるアレな本だ。それを見た恭弥は

 

「おい、お前、これをどこで?」

 

恭弥はそういったことにかんして興味が無いわけではない。むしろ好きといっていい。

 

「外の世界のものがたまに流れて来るときがあるんだ。これは俺らの川で唯一見つからずに俺らに流れて来た、宝物だ。こいつをやるからのぞき穴を作って欲しい、作ってくれるだけでいいんだ。お前ならこの気持ちわかるだろ?」

 

こいつらの気持ちは痛いほどわかる。だが問題が一つ。

 

「いいだろう。ただし一ついっておきたい。」

 

「なんだ?」

 

「もし見つかってみろ、、、お前ら確実に死ぬぞ。」

 

この世界の女性は皆恐ろしく強い。そりゃもうやばい。もし見つかったらもう二度とここには来れないだろう。するとカッパ達はフッと笑って言った。

 

「見れるなら、どうなっても構わねぇ、どうなってもいいほど俺らは夢が見たい。」

 

そう言ってみんなは覚悟を決めた漢の目になった。もう帰ってこれないと悟った兵士のような顔つきだった。

 

「、、、わかった。明後日までに作っておこう。ただし!俺のことは一切他言無用だ。これを守れるならその任務、必ず遂行してみせよう。」

 

するとカッパは希望に満ちた顔で

 

「やっぱりあんたはわかるやつだ!!わかった。お前のことは一切言わない。約束だ。恭弥、酒を持て、カッパを代表して兄弟の盃をかわそう。俺の名前は河上浄伍(かわかみ じょうご)、よろしくな。」

 

そう言って浄伍と恭弥は腕を組んで酒を飲んだ。周りのカッパが大騒ぎになっている。すると鬼の漢達もやって来て

 

「話はカッパから聞いた。我々鬼も恭弥と盃を交わしたい。私は鬼の漢代表、鬼丸角吉(おにまる かくきち)カクって呼んでくだされ。」

 

そう言ってカクとも盃を交わした。人間、カッパ、鬼の3種族の同盟(漢のみ)が今できた。なんとも奇妙だが、こいつらとは腐れ縁になりそうだ。

 

 

外は真っ暗な闇になり静けさだけが残っている。少し外の空気を吸いたくて外に出でてきた。中ではまだどんちゃん騒ぎが続いている。

 

「ふぅ、おい、そろそろ出て来てもいいんじゃねえか。」

 

自分の横、ないもいない空間に話しかける。するとその空間がパックリと割れ、無数の目が見える空間から紫が出て来た。

 

「、、、なんで気づいたの?誰にも気づかれたことがないのだけど?」

 

「俺の周りに気で円を描いた結界のようなものを張っていたんだ。円に入ると反応するようになっているんだよ。あんたは外を見るために少し隙間を空けているだろ?そこから出ている妖力を感じ取っただけだよ。」

 

それを聞いた紫は大きく目を見開きやがてふぅ、とため息をはくと

 

「やっぱりあなた、凄いわね。私、貴方にどんどん惹かれていってる自分がいるわ。」

 

そう言って隙間から出てきた。すると紫は酒を持っていた。

 

「ちょっと一杯、付き合ってくれる?」

 

「あぁ。いいよ。」

 

紫から一杯もらい乾杯する。クイっと飲むと紫が

 

「どう?幻想郷は、面白い所でしょ?」

 

「ああ、とっても面白い所だよ。外にはないものがいっぱいある。ここにきて本当に良かった。この世界は紫がつくったんだろ?人間と妖怪の共存する世界を作るなんてとても凄いことだと思う。きっとこれまでとても苦しいこと、悲しいことがあったと思う。それでもこの世界を作るために必死だったと思う。本当にすげえよ。」

 

すると紫はこちらの顔をじーっとみてボンッと顔を真っ赤にした。

 

「そ、そうかしら、、。そんなに言われると照れるわね、、、。」

 

なかなか見れないであろう紫の照れるところを見て恭弥はどきっとした。恭弥も顔を赤くしながら

 

「ま、まぁ、これからよろしく頼むよ、紫。」

 

「ええ、改めてようこそ、幻想郷へ。」

 

そう言って紫はそろそろ帰ると言ってスキマの中に消えて言った。恭弥は外から騒ぎのする自分の宿を見つめた。これから始まる生活の中でどれほどの出会いがあるのか、それはまだわからない。ただ、これから先の出会いはきっとかけがえのないものになる。そんな確信を持てる思いを胸に恭弥は喧騒が鳴り止まない光の中へ入っていく、、、。

 

 




どうでしたでしょうか。次回は少しの続きの話と開店準備の話を書こうと思います。誤字や間違い、アドバイスなどコメントしていただければ嬉しいです。ではまた次回!!

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