近々活動報告にてアンケートを取ることになるかも知れませんので、その時はよろしくお願いします。
それとテストが近いので1週間ほどおやすみとなります。誠に申し訳ありません。
時が過ぎるのは早くあっという間に遺跡探索の日となった。
各々がこの日のために準備をし、グレンも準備に余念は無く屋根上に二階席もある大型の貸し馬車を用意していて、皆はそれに意気揚々と乗りフェジテを発った。
順調に進みそよ風が背中を後押しするように吹き和気あいあいとしている中、シロウはただ1人神妙な顔つきでいる。
─何故だか嫌な予感がする。今日は安全はずだ...だがなんだこの安心できない気持ちは......
謎の不安に当てられキリツグから受け取った、銃と普通の弾と起源弾を入れたケースを大事そうに掴んでいた。
道もかなり進み皆は暇になったのか遊びようにグレンが持ってきていたトランプで賭け事をしている。
かなり盛り上がっているようでかなり騒がしい。
「まさかセリカもいるとはな。息子が心配だったか?」
「くくく、気づいていたのか。まぁお前なら気づいているとは思っていたがな、だがまだ明かすなよ。明かす時はかっこよくしたいからな」
「邪魔しないようにするよ」
手を振り御者に化けているセリカから離れ、椅子に座り手を組んで眠りに入る。
数十分もしていると何やら騒がしくなり自然と目を覚ます。
「うぅ...ん......どうかしたのか?システィーナ」
「良かった、起きたのね。問題が起きたの」
システィーナの指示するように外を見ると先程まで走っていた整備された道ではなく、馬車一つが通る程度には開けている森にいた。
近年では蒸気機関も開発され蒸気機関車が移動手段として現れたが、未だに一部でしか採用されておらず基本馬車が移動手段となっていた。
そして、その馬車では国がしっかりと整備した道であれば安全性が確保されているが、少し道を外れ森に入ると魔獣が現れ危険度が格段と上がる。
ここら辺には危険な魔獣の報告例はないが、完全に安全だと言いきれない。
やはりと言うべきか草むらを揺らす獣達が見える。シロウですら舌を巻く速度で『シャドー・ウルフ』十数匹は馬車を囲む。
『シャドー・ウルフ』には特殊な能力が備わっており、その能力とは『恐怖察知』である。
シャドー・ウルフ達は、自分達に向けられる恐怖の感情に敏感に反応する。その反応で襲うか襲わないかを決める。
システィーナはその特性を知っていたので必死に皆に安心を促すが、彼らは魔獣など見るのも初めてだ。それでいきなり恐怖するなとは無理に近い。
シャドー・ウルフ達は襲っていいとは判断したのか囲っていた円をゆっくりと縮めてくる。
そこでグレンは外に飛び出て魔獣達を退治してやろうとしたが、着地した瞬間小石に躓き足首をひねる。
「うぎゃあ!!」
「カッコつけるからよ!こうなったらシロウ」
「任せろ」
シロウはかっこよく空に飛び上がってグレンとは違い綺麗に着地をすると、グレンの服の裾にひっかかり転倒し足首をひねる。
「ぐわぁ!!」
「なんでそうなるのよ!!!!」
まさかのシロウのミスに大声を上げる。
弁明をするチャンスがあるのならば決して偶然起きたのではなく、必然だと言いたい事だろう。なにせセリカと約束をしたからだ邪魔はしないと。
銃を抜こうとしていたグレンの肩に手を置いて指を御者に指すと、一瞬驚いた顔をしてため息を吐く。
御者は手に抜き身の
「いたんなら俺の出る幕ねえじゃねえかよ。てか知ってたろシロウ」
「まぁな別に言わなくても変わらんかっただろ?」
「ちぇっ、まあいいか馬車に戻って観戦といくか」
グレンとシロウは馬車に戻ると腰を下ろし観戦を始める。そんな2人に何で戻ってきたのと説教を始めようするシスティーナに、いいから黙って見とけといってセリカの活躍を観戦する。
システィーナが瞬きをした瞬間、2匹の魔獣が叫び声を上げて血を撒き散らして転がっていく。
何がと言葉を言う前に真後ろの方で魔獣の断末魔が聞こえる。
そっちを向いたら今度は前で断末魔と首が追いつかない。
その殆どが倒され残りが4匹となった所でやっと首が追いつき、その剣技の凄まじさを目撃する。
「なんて剣技なの...」
「違うぞシスティーナ、あれは魔術だ。白魔改【ロード・エクスペリアンス】物品に蓄積された思念と記憶を読み取り、自身に一時的に憑依させる魔術だ。あの武器は帝国史上最強と謳われた剣士である女性の剣でな、それを使って倒したのさ」
システィーナの空いた口は塞がらない。
シロウの説明が本当ならばそれは『白魔儀』─儀式魔術なのだ。だが、それを儀式を行わずに使っていたのだ。
一体誰がそんな事を...そう思っていたら御者さんは深く被っていたフードを取り素顔を見せる。
風になびく綺麗な金髪、ゴスロリチックな服装。
「まさかこんな早くバレるとはな」
学園最強の教授セリカが剣を肩に乗せて、ドヤ顔でこちらを見ていた。