目が完全に回復しグレン達が何処にいるのか高い場所に行こうとした時、周りの建物より高い物体が突如現れる。
それは姿は先程戦っていた物と姿が違うが、纏うオーラはジャティスの
「そこか、ちっ、こんな時に」
シロウがグレン達に合流しようと足に力を込めた時、湧き出るように
数は20人ほどで性別年齢などはまちまち、手には包丁やハサミなどの日用品ばかり、この程度であれば簡単に片付ける事ができる。
だが、数が数なので時間はそこそこかかるだろう。それでもグレンの場所に行きジャティスを...悪を滅ぼさねばならない。
「死んだのだから土に還れ!」
夫婦剣を6本作り適当に投擲する。橢円形を描きながら回転し、死者の首を掻き切ろうとする。
死者は生前であれば考えられない運動神経を発揮し飛んでくる剣を巧みに躱す。
それもそのはずだ。彼らは生きていれば誰しもがかかっている制限を、死んでいる事で解除し身体を100%の力で扱うことが出来る。
シロウがそれを知らないはずがない。
死者が避けた先にはシロウが拳を突き出して構えており、そこに見事に飛んだ死者は上半身と下半身がバラバラになる。
バラされた死者から飛び散った血はシロウの服を赤く染め、白い髪は赤くなり禍々しさが出ていた。
「貴様らは確実にこの場で殺す」
空を舞っている夫婦剣はシロウの合図と共に爆発四散する。
その技はシロウの投影魔術の奥の手の一つでもある。
シロウの投影した剣は魔力が材料となっているので、一つ一つがとてつもない量の魔力を秘めている。それをシロウはあえてバランスを崩し爆発と言う形で攻撃する方法を編み出した。
一応リィエルもやろうと思えば出来るが、殴った方が確実と脳筋思考をしていた。
シロウは爆発が全員に届く完璧な状態にするため、さも適当に投げたようにして均等に死者達をバラケさせ、丁度全員に当たるタイミングで起動させた。
その威力は
夫婦剣が全て爆発すると、辺りの建物の壁に血や肉が飛び散り、シロウの足元に幼女の顔をが転がってくる。
死者を全て倒し終えグレン達のいる方を見ると、巨大な
「仕方ないか今はグレンの所に向かうか」
その後グレン達と合流し、全身血塗れのシロウと会った2人が絶叫したのは言わずも理解できるだろう。
その日の夜、追撃を担当していたアルベルトと通信していた。
「逃げられたか...まぁ仕方がない。あいつはああ見えてかなり強い」
『だが逃がしたのは痛いな』
「それはいいだろう。それで本物のレオスはどうだ?」
シロウはジャティスが化けていると気づいた時にはすでに、アルベルト達には報告していた。
もし生きていればある程度の情報が手に入ると思ったからだ、だがジャティスがみすみすそんな真似をする訳がない。
それでももしかしたらと思ったが...
『すでに郊外で変死体で見つかった』
「最初からあまり期待はしていなかったが...情報はなしか...」
『いやそうでもない』
「なに?」
『
『
一体『
二人の間に数分ばかり静寂が訪れると軽く別れの挨拶をすると通信を切る。
シロウは『
今回の起こった事件は全てジャティスが原因とされ、レオスの行動も全ては
ある意味間違っている気はしないが、もしかしたらアレがレオスの本当の姿だった可能性もあるので完全に否定することは出来ない。
そして、グレンはそんな悪の手からシスティーナを守るため結婚式会場から連れ出し、守り抜いたと有名人になった。
だがグレンは褒められるような事はしてないと、表彰も突っぱねいつも通りの緩い授業をする。
「テヘ☆遅れちゃった」
「何やってるですか貴方は!!!」
相手を挑発するなら完璧に成功するような、人をおちょくる表情をしているグレンはシスティーナとの夫婦漫才をしてから教卓に立つ。
「それじゃあ授業を始めるぞ。今日の授業は」
生徒達は一体グレンが何を言うのかと耳を立てる。過去にも数回無茶振りをしてきた事もあったので今度は何をするのかと思ったら、
「自習だ!!!」
黒板に白のチョークで大きく自習とかかれ、初めて授業をした時のような感じになり全員が笑い出す。
またすぐにシスティーナと仲良くイチャつくなど、あの事件がまるで嘘のような楽しい日となった。
最終回じゃないよ?
ネタじゃないよ?