AT-Xさんのロクでなし魔術講師と禁忌教典12話、最終回丁度の時間に投稿致しました。
是非とも2期決定!!と出してもらいたい物です。
それと今回は数人ほどキャラ崩壊してしまいました。何故こうなったか自分でもよく分かりません。
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「てことで、俺が白猫とくっついて逆玉の輿になりたいから、魔道兵団戦の訓練を今からしようと思う」
「「「「「ふっざけんなぁああああああ!!!!」」」」」
突然のグレンのぶっちゃけに生徒達は怒鳴り声をあげる。
まぁそれも当たり前の反応だろう。突然授業の内容も変えられ、さらには戦えと。どんな馬鹿な教師でもここまで酷いものは無い。
生徒達の反論をグレンはのらりくらりといなして、結局授業は魔道兵団戦の物となった。
だが戦うにしても大きな問題があった。
それはクラスのレベルの差だ。
グレンの率いるクラスにはまともに戦えるのは極少人数だ。
対してレオスの臨時担当クラスはこの学園の優秀生が集まり、ハーレーのクラスの次に優秀となっている。
これだけを聞けば勝つのは誰しもレオスと答える。もしグレンを知っている者がいるなら勝者は分からないと答えるだろう。グレンとは少しでも勝てる要素があれば、それを現実にする力がある。
「ギイブル、カッシュ、セシル。3人は私に付いてこい」
「何を言っているんだ君は」
「俺?」
「僕?」
それぞれが信じられないと言う顔をする。
カッシュとセシルは自分がそんなという感じだが、ギイブルは君に教わる事など無いといった感じだ。
「3人だけでいいのか?」
「あぁ3人だけでいい。本番までに使えるように仕上げるだけだ」
手首を回して音を鳴らした時の顔は『愉悦』と物語る笑みが浮かんでいた。
この3人は本番までの特訓の日々は正しく地獄だった。
ギイブルはひたすらシロウと1体1を行い。
カッシュは机に座り戦術を頭に詰め込む。
セシルは遠くからの狙撃。
「ふは...あはははははは!!」
「D地点からB地点にかけて攻めあげ、その間にC地点にいた仲間が...」
「目標に狙いを定めて狙撃。目標に狙いを定めて狙撃。目標に狙いを...」
「これ大丈夫か?」
「大丈夫だ問題ない」
精神が少しばかりおかしくなっているような気がするも、今は貴重な戦力だと自分に言い聞かせる。
勝負に勝つにはとりあえず腹ごしらえからだと、朝から豪華なメニューが並んでいた。
カツ丼、パスタ、ハムサンド等々シロウの知りうるゲン担ぎの食べ物が教室中に広がっていた。
「勝負飯だ。心して食すがいい」
「「「「「うぉおおおおおお!!!!」」」」」
生徒達は大声を上げて机に置かれている様々な料理を食べる。
料理を一つ食べるために身体中の細胞が活性化したように感じられ、もっともっとと食欲が上がっていき、膨大な料理の数々が消えていく。
食事が終わった頃には全員のお腹は膨れ上がり、身体が重いと椅子に座り込んでいた。
「げぶ...お前ら......今一度作戦を...」
お腹いっぱいで上手く喋れないが、消化の意味も兼ねて教壇の上に立つ。
すでに何回も確認した作戦を改めてもう一度する。
グレンの説明が終わるとカッシュが手を上げ発言する。
「グレン先生。現場の判断は俺がして大丈夫ですか?」
「別にいいけど出来んのかカッシュ?」
「任せてください。ギイブル」
「分かっているセシルの護衛だろ」
「セシル」
「うん大丈夫。場所の地形、今日の湿度・温度全部頭に入ってる」
「ならよし。作戦通りやり切るぞ!」
「「「「「「「おーー!!」」」」」」」
生徒全員の声が学園中に響き渡った。
全員の士気が高いままその日は午後になり、会場に行くとハーレーから今回の戦闘について説明が始まる。
「知っての通り、使用できる魔術は殺傷性の低い
「皆さん遠慮なく言ってくださいね」
今回の戦闘は使用魔術が縛られているので、リィエルの錬金術、シロウの投影魔術が封印されている。
そのため力押しでの攻撃が通用しない。
今回は指揮官である教師がやられれば負ける勝負。 護衛としてはリィエルとシロウは弱い。だからこそカッシュに戦術を詰め込み、生徒達を上手く扱えるようにした。
「レオス先生!本日は大変期待しております。あの魔術師としての誇りもない最低男に一泡吹かせてください」
「はいおまかせください。決して彼には負けられない理由がありますから」
「それは俺もそうだぜ」
2人の間に火花が飛び交い、ハーレーの宣言と共に全員が指定された場所につく。
レオスは北東にある環状列石遺跡に、グレンは南西にある環状列石遺跡に。
両陣営が着いたことを確認して、十分間の話し合いを設けた後、ハーレーは試合の開始の空砲を鳴らす。