赤き正義の味方と禁忌教典   作:暁紅

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許嫁が気に入らない

魔法科高校の劣等生映画見てきました。

 

とっても素晴らしく、正直感想だけで2000文字行きそうなので簡単に語ります。

 

さすおに

 

追記タイトル忘れてた。

────────────────────

─顔を合わせればすぐこれか...

 

シロウは呆れながら思っていた。

 

グレンとシスティーナが朝合流すると、何故か軽く口論を始め結局システィーナが魔術を放ちまくる喧嘩になる。

 

その光景はすでに日常になりかけていたせいで、つい注意を怠ってしまいグレンに迫る馬車に気づくのが遅れる。

 

「グレン!後ろだ!!!」

「なっ、ちょ、」

 

馬車をどうにか躱そうと身体をそる。馬車も躱すためにグレンの横で曲がったので馬車は当たらずにすんだが、システィーナの手から放たれた【ショック・ボルト】がグレンの背中に直撃する。

 

「あばばばばばば」

「先生ぇえ!!!!」

 

【ショック・ボルト】が直撃したグレンはその場に倒れ、ビクビクと身体が跳ねている。

 

そんな状態のグレンに駆け寄り身体を揺するも、最近段々と強くなっているシスティーナの【ショック・ボルト】が直撃したせいで筋肉が上手く動かない。

 

 

「らいじょうふたしほねほ」

「ううぅ私のせいで...」

 

走行していると馬車のドアが開く音がなり、誰かが降りてくる。

 

システィーナとしては自分のせいだと理解しているので、とりあえずグレンを放置して、駆け寄り頭を必死に下げる。

 

それに対して相手は無言を貫く。

 

─相当怒ってる。だって突然飛び出したんだもの...うぅどうしよう......

 

 

どうすれば許してくれるのだろうと必死に心の中で考えていると、相手から顔を上げてくださいと言われる。

 

 

その言うことに従い恐る恐る顔を上げると、そこには昔と変わらない笑顔を向けてくれているレオス=クライトスがいた。

 

見た目はグレンと違いイケメンの分類に入り、その笑みは近くにいる女性を落としていく、そんなレオスを見たシロウは警戒すべき存在だと思ってしまった。

 

 

 

 

レオス=クライトス

クライトス伯爵家の三男坊にして、初代クライトス魔術学院の学長を務めていて、次期クライトス家の当主、最近では軍用魔術に関する画期的な研究成果や論文をいくつも発表している。

 

言ってしまえば勝ち組の人間だろう。

 

そんな人間と許嫁なのがシスティーナだった。普通に考えればおめでたい事だ。

だが、シロウには微かな不安があった。

 

最初にあった時のあの不自然さ、それの理由が分からないためおめでとうと言葉をかけることは出来ない。

 

─それに何故あんな優秀な奴が、わざわざここに来る。自分の学院もあるだろうに......最近事件が多いせいか、妙に神経質になっているな。

 

シロウが思考に耽っている間にレオスの授業が始まる。

 

現在レオスの講義が行われる大講義室は全席満席、立ち見の生徒で隙間が全くないと言っていい。

 

期待に期待されたレオスの授業は、生徒にとっては斬新で、まるでグレンのような授業だった。

 

内容は如何にして今の軍用魔術の形になったのか。生徒に軍用魔術を教えることは禁止されているので、呪文は教えることが出来ない。

 

そこで、分かりなく丁寧に軍用魔術について説明している。だが、以下に言い方を変えたりしても、軍用魔術とは言ってしまえば人殺しの道具に過ぎない。

 

そんな物を生徒に説明するなど、子供の目の前で包丁を使って何か食材を切るのと同じ事だ。

 

怪しい。そんな思いがシロウの心の中で大きくなっていく。

 

 

 

 

レオスは授業を終えると、システィーナを連れ外に出る。

 

それの後を追うようにグレン、ルミア、リィエル、シロウが気配を消して尾行する。

 

中庭につくと草陰に身を隠して、何を話しているのかに聞き耳を立てる。

 

「何で俺が人の恋路を除き見なくちゃいけないんだよ」

「ごめんなさい先生。でも何だかあの人が凄い気になって」

「お?なんだなんだルミアまで惚れちまったか?」

「ち、違いますよ!!!それに好きな人なら...」

「お、おう」

 

ルミアとグレンが遊んでいる間にも、2人の会話は続く。

 

レオスは思い切ってシスティーナに告白するも、キッパリと断る。

 

その理由として「メルガリウスの天空城」の謎を解く約束をおじとしていると言うと、途端にレオスの纏っていた雰囲気が変わる。

 

レオスは「夢」と言い切った。

 

システィーナがどれだけ調べているのか、どれだけ時間を使っているのか、それを知らない相手が「夢」と言い切った。

 

それを聞いたグレンの表情が曇る。

と、同時に膝の上に置いていた手に力が入る。

 

さらには「人生の無駄」だと言い放つ。

 

グレンを見ると今にも飛びかかりそうな勢いがあった。

 

「グレン待て」

「いいや待てね。あいつはよりにも寄って夢を無駄だって言いやがった。あいつの白猫の人生を全て否定しやがった......そんな奴許せねえよ」

 

グレンの声には怒気が混じっていた。

 

「はぁ...仕方ないか......グレンいい案がある」

「なんだよそれ?」

「彼氏だと言え。ついでにキスまで奪ったと言えば、確実に決闘になる。只の魔術師が相手ならば、グレンの方が強いだろ?」

「そりゃそうだな」

 

よし、と手を身体の前でぶつけ合わせ、指を数回鳴らすとどこぞの合コン番組みたいに「ちょっとまった!」と飛び出していった。

 

 

その後はトントン拍子で話は進み、互いに決闘することになった。

 

生徒達の代理戦という形で行われる。

 

 


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