一応アリシアさんキャラ崩壊を追加しました。
うんこれは仕方がない。
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今魔術競技祭はグレン率いる2組がとてつもない勢いで、勝ち続けている。
「これは凄まじいな」
「えぇ全くです」
「アハハハ!これだからグレンを見てて飽きない」
セリカが太ももを叩きながら笑う。
その後ルミアも出場してまさかの1位を獲得した。そんな我が子の晴れ舞台を見てしまえば、実際に会いに行きたくなるのが親の性だろう。
会いに行きたく肩が震える。
「はぁ...アリシア。そんなに会いたいのなら会いに行けばいいだろう」
「それはダメです。私はあの娘を事情はあっても捨てたのです。そんな私が今更どうやって」
「我慢は今後の仕事に支障がでる可能性もあります」
「あぁそうだぞそいつの言う通りだ。我慢せずに行ってこい。護衛はシロウがやるしな」
げ!と顔を引き攣らせるが、アリシアの玩具を欲しがる子供のような表情を見て、ここで無理とは言えず渋々従う。
ルミアがどこかに行くのを遠くから確認すると、執行者時代の服を着て護衛する。
筋肉が確実に目立つ黒いタイツのような物を着て、マフラーのように灰色の布を巻いている。
これが執行者時代の服装なのだが、何故目立たないのか?それはシロウのステルス性能が高く、セリカですらたまに気づかない事がある。
シロウはそのステルスを全開にして木の影に隠れながら、アリシアを護衛している。
「久しぶりの再会だが、やはりルミアは他人を装うか」
ルミアは泣いて抱きつきたいのだろうが、そんな私情を消して他人のフリをする。
「やはり私ではダメですよね......ルミアさん貴方のその指につけている物綺麗ですね」
アリシアは最後かもしれないのでと間近で見回していると、とある変化に気づく。
髪飾りの変化はシロウから聞いているのでいいのだが、ルミアの指のそれも既婚者がつける部分に指輪が付いている。
その事について聞くとエルミアナは突然顔を赤らめ、モジモジと体をくねらせる。
一体何があったのですかエルミアナ。
「これはその...」
「シロウが渡したらしいです王女殿下」
「へぇ...シロウガ......オモシロイデスネハハハ」
先程まで纏っていたおおらかな雰囲気から一変し、目からはハイライトが消え声が数トーン落ちている。
アリシアはその状態のまま近くにあった小石を拾うと、木の影に向けて投げつける。
「「?」」
「気にしないでください。手が滑っただけですから」
2人はなんだ手が滑っただけかと納得するが、1人シロウだけ驚愕していた。
シロウの顔の近くにある木の幹をアリシアの投げた小石が貫通していた。
シロウは偶然だ、そう偶然だと自分に言い聞かせながらアリシアを見ると目が合う。
偶然だ偶然
目があったと思ったら今度は口パクで何か言ってきた。
この時程読唇術を覚えたの後悔した事はない。
カクゴシロヨ
それがアリシアの唇から読み取れた言葉だった。
ルミアが走ってどこかに行き、アリシアか戻っている途中で突然ゼーロス達がアリシアを囲んだ。
「どういう事だ。それに刃を向けるだと?一体何が起こっている」
今下手に手を出すとアリシアが怪我をする可能性があるので、見逃しているとゼーロスが上を向いて口を動かす。
エルミアナ殿下を守ってくれシロウ殿
何が起こっているのか一瞬にして理解し、ルミアの元へと向かう。
いざ急いで会場に向かうもそこにルミアの姿が見えず、とにかく辺りを虱潰しに当たっていると、木の影に隠れているグレンを見つける。
「グレン何をしている」
「うおっ!ビックリさせんなよ」
「それについては謝るが、何をしている」
「それがなルミアが騎士の奴らに攫われてな、隙を伺ってんだよ。にしても懐かしい格好してるな」
「これは急いで来たからな。なるほど...なら【フラッシュ・ライト】を使え、オレが突っ込む」
シロウの一人称が『オレ』に変化した事により、これは大変な事なのだと今更ながら理解する。
グレンはシロウの指示通り【フラッシュ・ライト】の詠唱を終えると、【フラッシュ・ライト】を放つ。
騎士達の視界が光に染まり一時的に見えなくなった所で、シロウはいつもの独特の詠唱をして夫婦剣を作ると、騎士達全員の首に衝撃を与え意識を奪う。
騎士達が全員倒れたのを確認すると、ルミアを拘束していたロープを切断する。
「シロウ?」
「今はここから離れるぞ。しっかりと掴まっていろ」
「キャッ」
未だ何が起きたのか理解出来ていないルミアを肩で担ぐと、グレンが【グラビティ・コントロール】を使うために詠唱をしている中、自前の脚力を使って屋根まで飛ぶ。
肩に担いでる間にダイエットしとけば良かったと小さな声で呟いているが、シロウの耳には全て入ってきているが、今は無視をする。
「俺も担げよ!」
「グレンは死なんだろ。君を信じているよ。ここでまさか時間を稼いでくれるなんてな」
「誰がそんな事をするかァァ!!」
グレンもシロウと同じ屋根に飛ぶとそのまま2人で屋根をかけ、どうにか一息つける場所まで急ぐ。