赤き正義の味方と禁忌教典   作:暁紅

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アリシアさんさすがにそれは不味いです。一応貴方は王女のはず……

毎日投稿は辞めると言って昨日投稿したのに、何で今日また投稿してるの?と思っただろう。それは勉強で疲れた腹いせです。誠に申し訳ありません。

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それはルミアは何度も見た夢。

 

だからなのかまたあの夢なのだとルミアは漠然と思った。

 

「お母さん......お母さん...ひっく...」

 

まだまだ幼いルミアは泣いている。

 

幼い頃のルミアは母が世界の全てだった。

だが突然世界は壊れルミアは捨てられてしまった。

 

けど、まだ、とお母さんがいるのでは?と辺りを見渡す。しかし飛び込んでくる景色は決して子供が見るようなものではない。

 

辺り一面に広がる血の池。

 

それが一人の人間から流れたのか?それとも多数の人間から?などは幼い頃のルミアに考える余地は無く叫ぼうとする。

 

「今叫ばれると不味い。少し静かにしていろ」

 

それはパッと見同年代ぐらいの少年だが、口調が妙に大人ぽい。

 

そんな彼に口を塞がれ、息がまともに取れない。

 

「むっ力が強すぎるのか。すまない」

 

少年は1人で勝手に納得すると力を緩め、やっと新鮮な空気が肺に入る。

 

「ぷはぁ!......はぁ...はぁ......私も殺すの?」

 

同年代の少年だから聞けたのかもしれない。もし少年ではなく大人であったのならば、きっとこんなに冷静に聞く事なんて出来なかっただろう。

 

「君を?ありえないな。私の目的は君を護ることだ」

「護る?」

「あぁそうだ。私は正義の味方だからな、それぐらい出来て当然だ」

 

胸を張る少年に少し笑った所でルミアの夢は覚める。

 

ルミアは飛び起きると1度時計を見る。針はまだ2時から動いておらず外も暗い。よし寝よう。また枕に頭を押し付け眠る。今度は夢が見れなかった......

 

 

 

 

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あっという間に1週間が過ぎ、遂にアリシア七世が来賓として学院にやって来た。

 

 

 

 

シロウが数回ドアをノックすると、中からどうぞと声がかけられる。それに失礼すると答え中に入る。

 

その部屋は来賓の人物が休むように作られている部屋なのだが、完全にアリシアの部屋に変化している。

 

部屋の壁の至る所にルミアの目線の合っていない写真が貼られていて、アリシアが抱きついている抱き枕にはルミアが印刷されている。

 

「相変わらず酷いなこれは」

「酷いとは何ですか。全く......それと例の物は持ってきたのですか?」

 

物とは言い方が悪いが、手提げ鞄に入れていた物を渡す。

 

「やはりシロウの盗s、隠し撮りの写真はたまらんですなぁぁ」

 

何も隠しきれていないのだが、と誰も答えることが出来ない。

 

シロウはこんな事のためにステルス能力を極めたのではないと意気消沈する

 

「まさかこれは」

「バレないかヒヤヒヤしたがどうにか取ってきた」

「ひやぁぁエルミアナァエルミアナァ!」

 

それはルミアの制服だった。

 

アリシアから突然命令が下りルミアの制服を盗んでこいと言われた、最初は反対していたのだが国家反逆罪にするぞ?と言われ渋々行った。

 

その際に新品らしい制服を渡され交換した。

 

ルミアのお古の制服を手に入れたアリシアは、制服に顔を突っ込んで匂い嗅ぎまくる。

 

もうどこぞのストーカーより酷い。

こんな姿が見られたら終わるなこの国。

 

「ゼーロスあれはいいのか?犯罪だと思うが」

「シロウ殿何を言っている。私は何も見てないし聞いていない」

「いやしかし」

「シロウ殿それ以上は言わないでくれ」

 

アリシアの護衛としてこの衝撃の事実を知っている、強面の騎士ゼーロスはアリシアの現状を見ないようにしている。

 

この2人が何故知り合いなのかは、過去にアリシアの護衛を数回任命された事があり、その時に出会っていた。無論数度手合わせをしている。全部シロウの勝利だった。

 

 

「そうでした忘れる所でした」

 

アリシアはルミアの匂いを堪能したのか、制服を綺麗に畳んで立ち上がると、ドアから沢山の騎士が入ってきてアリシアとシロウを円状に囲む。

 

「これは」

「フフフフフグレンから聞きましたよ。エルミアナを泣かせた上に抱きついたそうですね」

「なっグレンの奴め!最悪な相手に密告してくれた物だな!」

 

確かにアリシアの言ってる事は事実なのだが、どうやら変に伝わっているのは分かるが、バーサーカー状態になったアリシアは何も聞かないだろう。

 

どこかからか逃げようとするが、それを騎士達が連携して防ぐ。

 

「ゼーロスこれは間違っている」

「仕方ない事なのだ...殿下の命なのだ...すまんシロウ殿...」

 

ゼーロス達騎士は涙を流しながらシロウを足止めする。そんな彼らから逃げるなんて事は出来ない。

 

シロウは大人しく捕まるとどうにか誤解を解くことに専念した、例えどんな拷問にあおうとも......

 

 

それから数時間後

 

「ゼーロス私は生きているか?」

「問題ない」

「ならばこっちを見て言ってくれないか?」

「問題ない」

「おいゼーロス」

「問題ない」

「よく生きてたな私は」

 

今のシロウは首から下がピクリとも動かず、かろうじて口が動いている。

 

どんな事が起きたのかはシロウのプライバシーのため秘密だが、あのシロウが何度も三途の川を渡りかけたのは言わずとも分かるだろう。

 

「ごめんなさいシロウ。まさか勘違いしていたなんて」

「大丈夫だ。後でグレンをシバくいや間違えた殺るだけだから」

「そうですかなら安心です」

 

アリシアは笑顔をシロウにかけると制服を家宝のように丁重に保管せよと命令する。

 

そこまでなのかと思いながら、身体中に魔力を巡らせ回復力を高め自己治療する。

 

 


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