東方人理録   作:河影 御月

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アンケート募集を始めたばかりなのにもう返事が来ていることに嬉しくて涙がちょちょぎれそうな作者です。
どんなに時間がかかってもある程度は作品に結果を反映するつもりなのでどしどし意見を出してくれると嬉しいです。
また、この作品の進行速度はかなり遅いです。
一話あたりで少ししか進めないので、気長に待っていてください。

今回はシリアル&バトルでお送りします。
いつに増して駄文です。
御了承ください。


弓兵にして弓兵にあらず

side霊夢

 

「エミヤさん!エミヤさんじゃないですか‼」

 

「ブフゥッ!?」

 

「「『「...えっ!?」』」」

 

 

 

いきなりぐだ子が叫んだ。

 

 

 

エミヤとはアーチャーのことだろうか?

 

なんか吹き出してるし。

 

英霊の知り合いでもいるのだろうか?

 

 

「ぐだ子、あんたの知り合い?」

 

「そ、そうだ!何故君は私の名前を知っている!?」

 

するとぐだ子はこちらを向き、なにやら嬉しそうに説明する。

 

 

「エミヤさんのことは知ってるよ!数年前に親に『少しは女子力をつけなさい』って言われて通ってた料理教室の先生がエミヤさんだったの!...でも髪の色とか肌の色とか声とか口調とかは今と全然違うけど。いったいどうしたんだろう?」

 

 

閑話休題(それはともかく)と言ってぐだ子は再びエミヤ?に声をかける。

 

 

「エミヤさん!私です!藤丸立香です!あの時は美味しいシチューの作り方を教えてくださって、ありがとうございます!」

 

「お、おう。どういたしまして?じゃなくて!藤丸.............あっ‼」

 

アーチャーは少し考えたあと、何かを思い出したかのようにしゃべり始めた。

 

 

「思い出した!君はシチューを作ろうとして激辛麻婆豆腐を作り出した、藤丸立香だな‼」

 

「はい!思い出してくれたんですね!」

 

「忘れられるか!私が渡したレシピ通りに作られた筈なのに、どこぞの外道麻婆神父が作り出す麻婆豆腐とほぼ同じ物が何故できたのかずっと考えていたのだぞ‼」

 

「私にもわかりません!そういえばエミヤさん、あれからも液体状の料理を作ろうとすると必ず麻婆豆腐になっちゃうんですけど、何ででしょうか?」

 

「知るか‼」

 

 

...おかしい、相手は一応敵なのに、この空気の緩さはなんだろう。

 

 

「そういえばエミヤさん。」

 

「....何かね?」

 

「四股してるって本当ですか?」

 

「なっ!?しているわけ無いだろう‼というかその情報はどこから「ときどき買い物先で会う間桐さん。」桜~!根も葉もないことを~!あっ!違うぞセイバー私は本当に四股などしてn「あとエミヤさんの料理教室のアシスタントとしてきてた遠坂さんも愚痴ってた。」君もかリン‼ち、違うぞセイバー私は本当に.....なに?愉悦シスターの時?あれは事故だ!断じてやましいことなど.....ッ!わ、分かった、分かったから...はぁ、なんでさ.....。」

 

アーチャーは暫く何かを喚いたあと、若干やつれた表情でため息をついた。

 

「...?なんで1人で話してるんですか?」

 

「...セイバーと念話していた。彼女いわく『信じて欲しいなら働け、死ぬ気で、いやむしろ死ね。』とのことだ。というわけで今から私は全力で君たちを排除しなければならなくなった。悪く思わないでくれ。」

 

そう言ったアーチャーは何処からか弓と...一振りの剣を取り出した。

 

 

 

「...I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)...」

 

 

 

その言葉と共に、アーチャーは弓に剣をつがえる。

 

すると剣の形が矢のように変化し、放たれる。

 

呆気にとられているなか、剣(矢?)は真っ直ぐに飛んでいく。

 

 

同じく呆気にとられているぐだ子とマシュの方へ......

 

 

 

 

「アンサズ!」

 

 

 

 

ぐだ子とマシュを貫く筈だった剣はキャスターの呪文らしき言葉と共に炎に包まれて燃え尽きる。

 

「ボサッとするな!あのアーチャーは弓兵らしくない戦いかたをする上に、合理的だ!油断しているとマスターをやられるぞ!」

 

「余計なことをしてくれたなランサー。いや、今はキャスターか。そのまま突っ立っていてくれれば早急に終わったものを....。まあいい、では、まずは数を減らすことにするとしよう。I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)

 

その言葉と共に、今度は歪な形の赤い剣を弓につがえる。

 

「赤原を行け、緋の猟犬!━━赤原猟犬(フルンディング)!」

 

私に向かって放たれた赤い剣は目にもとまらぬ速度で私に迫る。

 

 

「....!ほう、今のを避けるか。」

 

 

私は赤い剣を勘と日々の弾幕ごっこで鍛えられた動きでギリギリ避けていた。

 

「ふん!遠距離戦は私の得意分野、ッ!!!!」

 

勘に任せて横に飛び去ると、先ほど避けた筈の剣が私のいた場所を猛スピードで通りすぎていった。

 

避けるのがあと数瞬遅ければ串刺しになっていたと思うとゾッとする。

 

 

「....ッ!セイバー並の直感スキルか!厄介な...!」

 

 

さらに追い討ちをかけるように複数の剣が同時に飛び、赤い剣は誘導弾のように私を高速で付け狙う。

 

 

「しつこいわね‼」

 

 

こちらも封魔針を投擲し、いくつかの剣を打ち落とすが、

 

「....!これじゃ無理ね。」

 

赤い剣と残った剣は威力が高すぎて封魔針では打ち落とせなかった。

 

赤い剣と残った剣は勢いに乗ったまま私を貫く、ことはなく、すべての剣がまたしても炎に包まれて焼失する。

 

 

 

「...俺のことを忘れてんのか、アーチャー?」

 

 

 

ふと、キャスターを見ると、

 

「無視してんじゃねぇ‼」

 

キャスターは憤怒の形相でアーチャーに向かって火の玉を飛ばす。

 

アーチャーはそれを避けると、今度は細長い剣を何本もキャスターに向かって射る。

 

「なに、彼女の方が倒しやすそうだったのでな。それに貴様はキャスターとして呼ばれたとしても厄介な存在だ。真正面から二対一で戦うまねはしたくないのでね。」

 

「はっ、そいつはどうも!」

 

キャスターは返事とばかりに杖から炎を出して飛んできた剣を全て燃やし尽くす。

 

 

私はその炎に紛れてアーチャーに接近する。

 

そして、炎を途切れたタイミングでアーチャーの頭上に瞬間移動し、頭部に向かってお払い棒を全力で振り下ろす。

 

が、その一撃は、

 

 

 

「ふむ、まだ甘いな。」 「!?」

 

 

 

いきなりアーチャーの手元に現れた陰陽柄の双剣によって防がれた。

 

即座に後退する。

 

「逃がさん!」

 

アーチャーも私の後を追い、切りかかる、が、

 

 

「ッ!邪魔をするな、キャスター!」

 

 

すぐに追うのをやめ、キャスターが飛ばした火の玉を剣で切り裂く。

 

「ああ、くそッ!やっぱキャスターはやりにくいなオイ!ランサーだったら今頃心臓をぶっ貫いてるんだが!」

 

「ふん!自身の不運を呪ってろ!」

 

その隙にお払い棒で攻撃を仕掛けるが、すべて防がれ、捌かれる。

 

どうやらアーチャーは弓兵のはずだが、近接戦闘においでかなりの実力を持っているようだ。

 

なるほど、確かに弓兵っぽくない。

 

だが、私だって少し前の宗教戦争の時に、僧侶のくせにやたらと肉体派な住職と殴りあったり、入道使いと入道を同時に相手取ったり、やたらと皿を飛ばしたり炎で物を燃やしたりするアホの子を吹き飛ばしたり、化け狸に騙されながらも退治したり、黒幕のお面妖怪を粛正したり色々してきたのだ。

 

 

「私もそれなりに近接戦闘ができるよ‼」

 

 

お払い棒を下から振り上げ、片方の剣を吹き飛ばす。

 

(もらったわ!)

 

そしてそのままお払い棒を降り下ろす。

 

 

 

 

 

I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)

 

 

 

 

 

「!!!?」

 

しかし、その一撃は、先ほど()()()()()()()()()()が防いでいた。

 

 

 

一旦攻撃を止め、キャスターと立ち位置を交代し、思考する。 

 

 

 

(どういうこと?アーチャーの剣は確実に弾き飛ばした。だけどアーチャーが何かを唱えた瞬間に手元に剣があった。いったいどんな手品を....)

 

 

 

ふと、キャスターを見ると、アーチャーと近接戦を繰り広げているところだった。

 

 

 

「オラァ!」

 

「貴様はキャスターなのだろう?キャスターはキャスターらしく杖を振って魔術を使ったらどうかね?」

 

「生憎、俺は近接戦の方がしっくりくるんでな、便利だがまどろっこしいルーンよりもずっと戦いやすいんだよ!」

 

「キャスターになっても脳筋か、変わらんな、貴様は...」

 

「そういうてめえもあんま変わんねぇなアーチャー。宝具を湯水のように使い捨てる英霊なんぞ聞いたことがねぇ!」

 

 

 

(...宝具を使い捨てる?)

 

 

 

よく見てみると、アーチャーの武器は定期的に砕けたり、吹き飛んだりするが、その度にまったく同じ武器がいつの間にか手にあるのが分かる。

 

 

まるで、無から作り出したように。

 

 

ロマンは宝具のことを、逸話の具現と言っていた。

 

それを使い捨てるということは自分の逸話を捨てているということではないのか?

 

...ひょっとして?

 

(試してみるか...)

 

 

私は懐からある札を取り出し、アーチャーの武器に向かって飛ばす。

 

もちろんアーチャーはすぐに気付き、札を切り払うために剣を振る。

 

 

 

 

そして剣が札に触れた瞬間、アーチャーの剣があっさりと砕けて消滅する。

 

 

 

 

その様子を見て、私は確信した。

 

「分かったわ、あんたの手品の正体‼」

 

 

to be continued...




このSSのエミヤはstay nightとhollow とカニファンを混ぜてハッピーエンド(修羅場)を迎えたという謎世界軸のエミヤです。
設定うろ覚えな上に突っ込みどころがかなり多いかも知れませんが御了承ください。
また、冬木編には最後の最後に一人だけ幻想郷住人を追加予定なので、アンケート結果はオルレアン編から反映するつもりです。
伝えるのが遅くてすみません。

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