東方人理録   作:河影 御月

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手が、手が止まらぬ‼→結果、スゴクツカレマシタ...
今回は前回言った通り戦闘回です。
相変わらず下手ですが生暖かい目でご覧ください。

では、本編始まります。


蛇と巫女

side三人称

 

 

二人はほぼ同時に走りだし、ほぼ中間で激突した。

 

霊夢はお払い棒で、メデューサは鎖の先端についている短剣でつばぜり合う。

 

しかし霊夢のほうがすぐに押されてゆく。

 

元々メデューサは反英霊として高い筋力を持ち、加えてスキル「怪力」によって底上げされている為である。

 

力比べでは不利と判断した霊夢は即座に後ろに跳び、それと同時に手に持っていた札を投げ放つ。

 

メデューサが鎖で札を打ち落とそうとすると、次の瞬間、札の爆風の直撃を受けて吹き飛ぶ。

 

メデューサの操る鎖を自動的に避けて飛んできた札が彼女に触れた瞬間爆発したのだ。

 

受け身をとり、即座に体勢を立て直したメデューサの目の前に、お払い棒を降り下ろそうとする霊夢の姿があった。

 

降り下ろされた瞬間、メデューサは避けようとせず、逆に霊夢の懐にもぐり込み、すさまじい威力と速さの蹴りを腹に向けて放つ。

 

メデューサが避けると思っていた霊夢はその蹴りを無防備にくらって吹き飛び、瓦礫の山に突っ込む。

 

 

「「霊夢!」‼」 「霊夢さん!」 「フォウ!」

三人と一匹が彼女の身を案じて悲鳴をあげる。

 

 

 

「大丈夫よ....。」

 

 

 

しかし、霊夢は何事もなかったようにむくりと起き上がる。

 

「ったく、やってくれるじゃない。」

 

霊夢が服を払うと服の間や袖から大量の札がバラバラと落ちる。

 

「仕込んでおいた衝撃吸収用の護符が一気にやられたわ。勇儀ほどじゃないけど、あんた相当な馬鹿力の持ち主ね。」

 

「おや、てっきり内臓が全て破裂して絶命したかと思ったのですが....。」

 

「バカ言わないで頂戴。私が妖怪退治をするのに何も準備しないと思うの?どんなに低級でも妖怪は妖怪。衝撃、斬撃、呪い、魔力、その他諸々の対策はきっちりとしてるわよ。弾幕ごっこだってそのルール上事故で死ぬことだってあるんだから、それくらいしておかないとやってられないわよ。」

 

 

「...成る程。では、これならどうでしょう?」

 

 

メデューサはそう言うと、眼帯を外して石化の魔眼、キュベレイを発動する。

 

 

「.......!?」

 

その瞬間、明らかに霊夢の動きが鈍る。

 

「動き辛いでしょう。私の魔眼、キュベレイは魔力C以下の者を無条件で石化させ、魔力Bでも場合より石化が可能です。貴女はA以上あるようですが.....、それでも『重圧』の効果は受けているようですね。」

 

「ふん!これくらいが調度いいハンデよ!」

 

霊夢は即座に攻撃を再開するが、重圧のせいでステータスが下がっているため、近接攻撃をを一切せず、札による遠距離のみに切り替える。が、

 

「二度同じ手はくらいません!」

 

メデューサは鎖を操り、札を挟むようにして破壊する。

 

「なら、」

それを見た霊夢は持っていた札に魔力を通し、針のような形状に変えて投擲する。

 

「封魔針!」

 

投擲された封魔針は手を離れた瞬間に仄かな光を宿し、札の時の数倍の速さでメデューサに向けて一直線に飛んでゆく。

 

メデューサは自身の敏捷をいかし、札と封魔針を回避しながら鎖で打ち落とす。

 

しかしいくつか避け損ね、体に突き刺さる。

 

 

すると、刺さったところからすぐにダメージを受け始める。

 

 

「......‼退魔の効果があるのですか‼」

 

 

メデューサは慌てて封魔針を引き抜こうとするが、

 

「させないに決まってるでしょ!」

 

さらに大量の札と封魔針が飛んでくるため、そのままダメージが蓄積される。

 

やがてメデューサが少しずつ押されてゆく。

 

 

「....っ、宝具が使えないのは厳しいですね!」

 

 

そう、今の彼女はとある事情により通常よりも劣化したシャドウサーヴァントである為、本来のスペックの八割程度しか出せず、さらに宝具が一切使うことができないのである。

 

 

 

「ですが、私は負ける訳にはいかない‼」

 

 

 

そう言うと、メデューサは守りを捨てて、自滅ギリギリの全力攻撃をし始めた。

 

劣化していても反英霊。

 

力がこもった鎖はあっさりと地を砕き、敵を捕縛せんと霊夢を執拗に狙いうねる。

 

 

(...まずいわね。このままだと埒が明かない。)

 

一方、霊夢はメデューサに攻めきれないことに焦り始めていた。

 

今のメデューサは守りを捨てて、全力攻撃をしている。

 

しかしその結果、霊夢が放つ札や封魔針がメデューサの攻撃に巻き込まれ、当たらなくなっているのだ。

 

(...仕方ない、宝具を使うか。)

 

そう瞬時に決めた霊夢は一度攻撃を中止し、後ろに跳んで距離をとり、

 

 

「『境界・二重弾幕結界』!」

 

 

即座にスペルカードの宣言を行う。...が、

 

(...発動しない!?)

 

なぜか宝具は発動しなかった。

 

 

そして、その一瞬の動揺による隙が命とりとなった。

 

メデューサの操る鎖が霊夢の体を完全に捕縛する。

 

「やっと捕まえました。ふふ、まさか貴女の宝具が不発に終わるとわ...、災難でしたね。もっとも、今から死ぬのですが。」

 

「霊夢!」 「霊夢さん!」

 

「安心しなさい。彼女に免じて、貴女達は殺さずに石にするだけにしましょう。」

 

 

メデューサが止めを指す為に霊夢に向けて短剣を降り下ろす。

 

 

「......ええ、本当に災難だったわね━━━あんたが‼」

 

 

 

 

 

体に必殺の一撃が突き刺さる。

 

 

 

 

 

「.......コフッ!」

 

 

彼女が自身の体を見ると、胸から鋭い針、封魔針が飛び出していた。

 

「......いったいどうやってあの鎖から脱出して、後ろに回り込んだのですか?」

 

彼女は退魔の力に体内を焼かれながら質問した。

 

サーヴァントは一部の例外を除き、頭部と心臓部に急所を持つ。

 

つまり、人間と同じく頭か心臓を破壊されれば━━死ぬ。

 

 

 

そして彼女、メデューサの心臓は退魔の力を持つ封魔針によって貫かれていた。

 

 

 

この時点でメデューサの消滅は確定した。

 

しかし、メデューサは拘束していたはずなのに、いつの間にか後ろに回り込んでいた霊夢にどういうことか聞きたかった。

 

 

 

 

「...そういえば言ってなかったわね。私、殆ど使わないけど瞬間移動が使えるのよ。もっとも、結構力使うし、一度に移動できる距離は50メートルが限界だけどね。」

 

 

 

 

それを聞き、メデューサは(反則だなぁ)と思いながら手足の先から消滅していく。

 

「.....申し訳ありません........桜..━━━」

 

その言葉を最後に、魔力の粒子を散らし、メデューサは完全に消滅した。

 

 

 

to be continued...




次回は設定か次に進むかのどちらかにします。
時間がかかるかもしれませんがよろしくお願いいたします。

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