アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
今日の一時間目は《
最初に渡されたのは新入生のリスト。名前と顔写真は当然ながら、スポーツや武術などの経験の有無、具現化する《
「この中から選べ、と。その前に、自分のも確認するか」
リストの中から自分のデータを探す。苗字が『荒巻』ということもあって、すぐに見つかった。情報は入学式の時に出した書類の通りだったが、《
「ちょっといいか?」
振り向くと、よく透流と話している眼鏡の男子がいた。確か結構上から目線で……それでいて素直じゃない奴(透流談)だったか
「貴様のリストの《
「文字通りさ。俺の《
「何?もう決まったとか?それなら先生じゃなくて事務に出してねぇ!」
「そうじゃなくて、《
「いいよいいよ!特に君の場合は実際に出したほうが分かりやすいだろうし、理事長にもそう言いつけられてるし!」
「ありがとうございます。じゃあ見ててくれ。《
何も考えず、《
入学式の時のように焔が俺の体を包み、形を作ることなく焔は霧散。クラス中から驚きの声が上がった
「こういうことだ。ただ、形を脳で補ってしまえば構造が複雑でない限りは生み出すことが出来る。こんな風にな。《
もう一度、今度は
先ほどは霧散した焔は、だんだんと形を作っていき、そして最後は想像した通りの形となって俺の手に《
「それは……
「ここから形を変えることもできる。ただ、あまりにも魂と脳への負担が大きすぎてあまり使えないけどな」
「ふ、そうか。要件はそれだけだ」
「そういえば名前は?」
「虎崎葵。トラで良い」
「トラだな。俺は」
「荒巻風麗、だろう。自己紹介中ずっと寝ていたのに加えて透流と同じ《
「で、話はそれだけか?」
「それだけだ、邪魔をしたな。……後、周りを見てみろ」
「え?」
とぼけた返事をして、言われたとおりに周りを見る。直後、ほとんどの生徒が俺の周りに集まってきたかと思えば、四方八方から質問の嵐が巻き起こった
「ちょっ!離れろって!助けてくれぇえええ!」
「透流、助けてやったらどうだ?」
「なんで俺!?」
俺がもみくちゃにされる中での目の前で見事な押し付け。なぜか無駄に感心してしまったが、次の瞬間には押し付け合いが始まって、俺は先生に「助けて」とアイコンタクトで伝えようとした
「はいはーい!一人にばっかりいかないでぇ、ちゃーんと《
気づいてくれたのか、先生から注意が飛ぶ。集まっていた生徒たちはしぶしぶといった表情で散っていき、自分の席へ戻っていった
「じゃあこの時間はこれで終わるよ!《
そしてそのまま、これでいいのかと思うほどに先生はさらっと授業を終わらせて教室を出ていってしまった。
「大丈夫だったか?」
「大丈夫じゃない」
この後は特に何事もなく1日は終わった。