アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
「何をしているんですか……璃兎先生」
一旦寮に戻ったは良いものの、結局暇で退屈だった俺は、仕方なくホームルームの30分前に一人で教室に来た俺は、なぜか天井裏に隠れようとしていた先生を見てしまった。朝からご苦労なことだ
「お、おっはよぉー《
顔を覗き込むように見つめて来たかと思ったら一人で興奮してそれこそ兎のように教室中を跳ね回る。
「違います先生、ちょっと聞きたいことが」
「あ、まさか私に彼氏がいるかとか?まだいないよー!」
「昨日の《
「あ、《
「《
「ああ!話すの忘れてた~!」
膝からがくんと崩れ落ちかけた
担任が本当にこんな教師でいいのか再度不安を感じる。できることなら変えてほしい。入学式の時の司会のあの先生とかに今からでも変えてほしい
「えーっとね、あぶれた時も基本的なことは変わらないんだけど、《
「わかりました」
「そういえば!みんなには秘密だけど、《新刃戦》の後に外国から一人転入生が来るみたいだから、一人で挑めるのは《新刃戦》だけになると思うよ」
「転入生?」
「そ・れ・も!君たちと同じでちょっと特殊な《
言い終わるが否や、一瞬で先生の姿が掻き消えた。
周囲を見渡しても誰もいない。どこに隠れたのかと思いつつ、俺は昨日座った席に着いた
そして数時間が経ち、午後。
初めての体力強化訓練があるということで、俺たちは体操服に着替えて校門前に集合していた。
授業開始初日から体力強化とはさすがは戦闘技術訓練校といったところだが、身体能力まで超化された俺たちは何をさせられるのかと俺を含むほとんどの生徒が戦々恐々としている。
「みんな遅れずに来たようだねー!今日からしばらく体力強化ってことでー、マラソンをするよー!」
先生の宣言で九割近くの生徒が嫌な顔をする。俺は逆に安堵の表情、いきなり海で遠泳をさせられるかと思っていたが、マラソンなら得意分野だからまだいいほうだ
「学校はまだ始まったばっかりだし、軽めにいこっか。てことで、学園の周りを10周ねー!あ、一週目はコースを覚える意味を込めて先生が先導するよぉ!」
訂正。全くよくない
学園の外周は1周約4kmだから10周だと40km。もはやフルマラソンだ
「さすがに長すぎるだろ」
「はいはいつべこべ言わずゴーゴー!」
有無を言わさず、先生が先導してマラソンは始まったのだが……
2周目に入る直前に悪夢は訪れた
「がんばれがんばれぇ!先生を除いたら今は君たちがトップだぞー!」
2周目の終盤。透流と並んで走っていると、もう4周目に入ろうというペースで先生が俺たちに並んでそう言った
「よーし、1位になったほうには先生がジュースをおごってあげる!でもぉ、今から先生に2回抜かれたらご褒美無しで逆にお仕置きしちゃうよぉ!」
「「は?」」
「それじゃあよーいスタート!」
問答無用と言わんばかりに勝手に競争がはじめられた。もちろん、何されるかわからないお仕置きだけは避けたい俺たちは……
「「ジュースは俺がもらう!」」
息がピッタリ合った宣戦布告と同時に残りを全力で走って……
「はぁ、はぁ、か、勝ったぞ」
「くそう、あと、少し」
結果、コンマ数秒差で俺の勝ち。ただしお互い残り体力はゼロ。
箱○駅伝の山以外を詰め込んだようなコースのフルマラソンを本気で走り続けても倒れずに済んでいる分、体力もかなり超化したんだと感じるが、全力ダッシュのフルマラソンはもう勘弁だ。
「ほらほらぁ、座り込むより歩いたほうが乳酸の分解も早くなるんだよ~!さあスタンドアップスタンドアップ!」
という先生はあれだけ走ったはずなのにあとフルマラソン十回くらいできそうなほどの余裕さで座り込んでいる俺たちを立たせようとしてくる。
「さ、さすがは卒業生……」
「《
「あ、《
「は、はい」
「じゃ、歩いた歩いた!」
強制的に立たされ、グラウンドを歩かされる。
正直言ってもう動きたくない。部屋で横になりたい
「結構戻って来はじめたな」
「そうだな。そういえばさ、風麗。お前も《
「そうだが?」
「俺は《
少し説明しづらい質問が来たな、と心の中で言い、不確定なところは切り捨ててとりあえず確定している分だけ俺は説明することにした
「俺の《
「言い換えればどんな状況でも対応できるってことか」
「俺の体が持てば、ね」
ふとゴールの方を見ると、ちょうどユリエさんが戻ってきたところだった。
「ほら透流。お前の《
「その言い方だと俺とユリエが某艦隊収集ゲームみたいに深い絆を結んでいるように聞こえるんだけど?」
「そんな意味じゃないからな」
盛大に勘違いした透流は気まずそうな顔でユリエさんのもとに向かっていった。
その後は先生が突然放課後宣言をして授業が終わり、その直後にアク○リアスをおごってもらったり、その数十分後に穂高さんが戻ってきて倒れた以外は特に何が起こることもなかった