アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止   作:真実の月

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最近異世界転生モノにはまり、その延長で思い立ったものを作ってみてます笑
もしかすると投稿するかもしれないのでその時はまた活動報告で通知しますのでよろしくお願いします


つかの間の休息 前

○日目

臨海学校最終日の今日は訓練もなく、1日自由に過ごすことができる。

人によっては海に行き、人によってはここ(分校)で得た技術を生かし山で普通の鬼ごっこやアスレチック紛いの遊びをしたり、またある人は自分のテントや分校の図書室で本を読んだり、ごく少数だが許可を取って初日の《焔牙模擬戦(ブレイズプラクティス)》のリベンジをする人もいて、それぞれが最後の1日を満喫(リベンジを受けた人を除く)していた。

かく言う俺自身もいつものメンバー(リーリス、透流、ユリエ、橘、穂高)に分校組のユウとカナ、そして《資格の儀》で透流の相手だったと言う伊万里さんに何故かついて来た月見の計10人という大所帯で海に来ている。1名を除いてだが全員水着だ。

 

「じゃ、私陸からみんなを見てるから」

 

ビーチにつくが否や日陰に行って座りこんだのはカナさん。ユウ曰くカナヅチらしい。そうなると透流の《絆双刃(デュオ)》であるユリエさん(出身が内陸国のため泳げない)はどうなるのかという話だが、こちらは水着に着替えてスタンバイ中。なお水着は生存闘争(サバイブ)の前に「あらもーど」で透流と買ったという白ビキニだ。

閑話休題

プールでも沈没するレベルのユリエさんが海に入ることを考えるとカナさんがカナヅチなのは多分泳げないよりもトラウマに近いものなのだろう。ユウ曰く遠泳訓練で足が着かなくなると大パニックを起こすとの事だから多分予想は合っていると思われる。そんな予想しても意味ないのだが。

そんなことを考える俺の横では透流が一人ひとりに対して男子代表として女子全員に感想を言って回り、ユウに関しては相変わらずカナさんといる。

 

「なんでついて来たんだ?月見……先生。」

 

一人暇になった俺は月見について来た理由を聞くことにした。

 

「理事長からの指示さ。最近襲撃が立て続けに起きてっからな。《異能(イレギュラー)》に《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》、《特別(エクセプション)》の3人が一つのグループで行動すると聞いた理事長が3人を同時に守れるような戦力って事でアタシに命令したのさ。」

 

「何故そこで三國先生が出てこなかったのか……」

 

「そりゃアレは理事長の世話役兼護衛だからな。」

 

「ちなみに命令が無かったらどうしてた?」

 

「そりゃテメーらに着いていって遊ぶに決まってんだろ」

 

ある意味ダメ教師だこの人。いや前からか。

 

「おい《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》、本校に戻ったら敷地20周な。」

 

「放課後校舎裏なみたいなノリで言わないでください。そしてナチュラルに心を読むな!」

 

「気が変わった。追加で筋トレセット20本な」

 

「理不尽!?」

 

「コソコソと何してるの?」

 

水面下でこんな不毛な争いをしているとリーリスが声をかけてくる。周りを見ればすでにみんな海に入っていた。いつの間にか出遅れていたらしい

 

「くはっ!この私を差し置いて先に遊びはじめるなんてなぁ!おい《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》、向こうに見えるブイまで競争だ」

 

「え、ちょ、はぁ!?」

 

突然の事に戸惑っていると月見は《超えし者(イクシード)》の力を生かしてすでに泳ぎ始めようとしていた。

負けでもしたらまた理不尽な訓練を追加される気しかしない。

 

「汚いぞ月見ィッ!」

 

「は!戦場に綺麗も汚いもねぇんだよ!」

 

こうして俺達のつかの間の休息は始まった。


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