アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
「おはよう、フレイ」
リーリスがりんごを持って病室に入って来る。俺は本を棚に置いて起き上がり、彼女を出迎えた
「いつもありがとう、リーリス」
あれから三日が経った。
《生存闘争》はあの襲撃でうやむやになり、リーリスはかなり悔しがっていたが、あんなことがあっては仕方ない。
「それで、調子はどう?」
「もう大丈夫ってさ」
リーリスに怪我はなかったものの、銃弾を受けた俺は意識を失っていたこともあって入院。
……あまりにも早い出戻りに看護師から呆れられたのはここだけの秘密である
「透流達は?」
「診察をうけてから来るそうよ」
「ああ、右腕か」
護衛と戦っていたという透流達は、その護衛を撃破寸前まで追い詰めたらしい
こっちはこっちで銃弾受けたり危うく連れ去られかける(リーリスから聞いた)とこだったりと踏んだり蹴ったりだったのにこの差は何なんだろうか
「じゃ、私は部屋に帰るわね」
「ほーい」
剥き終わったりんごを置いて、リーリスは病室を出て行った。俺はそれを食べながら、読んでいた本を手に取り続きを読む
理事長室
机に広げられた何十枚もの書類、内容はすべて先日の《生存闘争》を襲撃してきた部隊と、残していった装備の残骸などの鑑定データだ。
「……はぁ。これだけ量があると疲れますわ」
襲撃者のリーダー、「エドワード・ウォーカー」についてドーン機関に問い合わせると、大量の資料が私の元に送られてきた。
元ドーン機関開発局ナンバー2、それがあの男の経歴。そのためか、資料の大半はあの男がしてきた実験のデータが占めていた。
そして今回の襲撃で襲撃者達が残していった装備の残骸をその資料に照らし合わせた結果、祖父に対抗して研究されていた装備の発展系ということが判明し、さらにはそれに《
これによって、《
「朔夜様、ただいま戻りました」
「ああ、お帰りなさい、三國。情報は掴めましたか?」
「いいえ。《
「そう。ありがとうございますわ、三國。ゆっくり休んでくださいな」
「朔夜様も、根を詰め過ぎないようにしてください。無理は、体を壊す原因ですよ」
「……忠告、感謝しますわ」
隠していたつもりだったのに見抜かれていた。
学内で一番長く共にいただけに、私に関する違和感にはすぐ気づいてくれる。さすがは三國、と言ったところだ
「根を詰め過ぎても得はありませんし、ここは忠告通り1度休むとしましょうか」
私はベットに横になると、程なくして二日振りの眠りに付いた