アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
《
ドローンによってリアルタイムでモニターに送られてくる映像には、風麗と彼に対峙するトラ、タツの《
「能力が判明していない 《
もう一方のリーリスと対峙する透流、ユリエの《
「ですが、その分離脱者が多い……」
「彼らにとっては想定内でしょう。さて、作戦に乗らなかった生徒は……?」
急にモニターの画像が途切れ、砂嵐が流れ始める
「どうやら、来客のようですわね」
「いかがいたしましょう?」
「丁重にもてなして差し上げて下さいな」
「承知しました。朔夜様」
三國は朔夜を置いて貯水タンクの上に軽く飛んだだけで登る
残された朔夜は館内放送を起動し、月見に向けてメッセージを出す。
ヘリのローターの音はだんだんと近づいてくる……
あらもーど内、4階階段前
開始から30分が経った。
戦況はこちらが戦術的に劣勢、二人だけの防衛線は確実に押し込まれているが、相手の損害も少なくは無い。万が一さえなければこのまま勝つことは出来るだろう。
しかし……
「さすがに連続は……疲れるな……」
疲労だけはどうにもならない。
一点に戦力を集中させる。作戦といえるかどうかもわからない単純な作戦だが、俺達二人しか相手がいない《生存闘争》なら話は別だ。
こちらは一点に戦力を集中することが出来ないのに対し、相手は限界はあるとは言え物量で攻めることが出来る。大方、橘が考えたのだろう。相手を疲れさせ隙を作り突破、もしくは薔薇を散らせて勝利、か。
「どっちにしろ、まだやれる!」
目の前にいる、四つの人影に向かって吠え《
ガシャーン!
「何だ!?」
始まろうとしていた戦いを邪魔するかの如く、人影の真後ろの窓ガラスが砕け、強い光が差し込む。
よく見ればそれはヘリ、それも軍用の物。
そして光を背に浴び、銃を持った人影が割れた窓から飛び込んで来た
「どこかの軍か!?」
人影の一人、トラが一歩下がり身構え、我に返った橘、みやび、トラの《
次々と飛び込んで来る兵隊は瞬く間に数を増やし、俺達を包囲した
「《
「……っ!そうだ!」
「突然の無礼、申し訳ありません。我々は《
隊長らしき兵が兵隊達の間を縫って現れる
「……断ったら?」
「それは貴方が一番分かっているはずですが?」
目線でトラ達4人を攻撃すると伝わって来た
「……分かった、従う」
「にはまだ早いぜ!」
横を何かが通りすぎる。凄まじい勢いで飛んで行ったそれは、ヘリのエンジン部に突き刺さり爆発を起こす。
後ろを振り向くと、そこに月見がいた。
ヘリまでは見て3、40mはありそうだが、その距離から《
「何ぼーっとしてやがる!あっちだ!あっちに向かって走れ!」
月見の言葉に4人は意識を引き戻し、月見の指差す方へ走り出すが、俺は行かない。
「リーリスは?」
「逆側で《
「分かった」
「……っておい!?」
俺はリーリスの元へ走り出す。
それが、全ての元凶と出会うことになると知らずに……