アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
時は過ぎ、 《
俺達二人は「あらもーど」というショッピングモールの屋上で開始の時間を待っていた。
基本的に誰も入ることがない屋上には、理事長が内部の様子を見るためのモニターや怪我人がでたときのための救護、終了を伝えるための放送機材と警備に繋がる無線が用意されている
「ったく……お前って奴は……」
「てへ♪」
「てへ♪じゃねぇ」
わざとらしいぶりっ子アピールを切り捨てる。
こんな奴だったかと断片的な記憶を辿って思い出そうとするも、断片的では出来るはずもなく諦めて時計を見た
うん、ルールを再確認するくらいの時間はあるな
「ルールを再確認したいんだけど良いか?」
「良いわよ」
リーリスは急に真面目になってルールを説明していく。
それを纏めると
・俺達二人対残りの一年生
・制限時間は1時間
・会場はここ「あらもーど」の北側。
・気絶は敗北とする
・相手の勝利条件は3つ。
1、俺達二人が胸元につけているバラの花を「散らす」。
2、制限時間の時点で一人でも「生存」すること。
3、屋上にいる理事長の「確保」。
ただし1に関してはは二人のうちの片方だけでよく、3は屋上への到達をもって「確保」とみなす。
・こちらの勝利条件は相手の全滅
となった。
もともと相手の勝利条件は1と2だけだったのだが、レベル3相手にほとんど無傷で勝利を納めたという点から、さらに3の条件が加わった。そのため、俺達はどうしても分かれなければ行けないというハンデを持ってしまっうことになった。
……いくらこちらが《
「朔夜様、周辺配備の確認が終了しました。いつでも始められて問題ありません」
「ご苦労様、三國」
貸し切りで誰もいないとは言え、《
今のやり取りから考えるに、俺がルールを再確認している間に準備は終わったのだろう
「ルールの確認はよろしいでしょうか?そろそろ始めますわよ」
「確認は終わりました。いつでも行けます」
「じゃあ、行きましょう」
リーリスは先に階段で下の階へと移動して行った。
ルール上屋上にいても意味がないため、俺もその後を追うように下の階へと下りる。
内部は閑散としていた。店は商品を全て片付け残っているのは棚だけ、レストランもテーブルの上に置いていたメニュー表などはすでに取り払われ、テーブルと椅子だけが残っていた。
「人がいないとこんなに閑散とするもんなんだな」
独り言を言い終えたところで、館内に銃声が響く。
それがこの《
その様子を、「あらもーど」上空を飛ぶヘリのモニターで見る者がいたが、誰一人として気づく者はいなかった