アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
「はぁ……余計な体力使っちまったぜ……」
振り下ろした《
「《
壁にもたれ掛かった状態で意識を失っている風麗の体は、右腕の腫れ以外特に怪我は無い。その右腕も、多少加減はしているからちょっと酷い打撲くらいだろう
「ま、コイツは放置してとっととあいつら探さねぇとクライアントがうるせぇ「《
ふと聞こえた声に私は振り向く。意識を失っていたはずの風麗がゆらりと立ち上がった。その手に剣が握って。
悪寒を覚えてバックステップで距離をとったのとほぼ同時に一筋の光が首の1cmほど前を通りすぎる
「まだやれるのかよ!」
「……《
呪文のような言葉を呟き、剣が焔に包まれる。
「なんで《
意識の無い風麗は焔を纏う剣を大きく振り上げる
「やばっ!」
飛び退くと同時に、剣が振り下ろされ校舎ごと縦に分断する。
剣の衝撃で凄まじい轟音を学園中に響かせながら建物の一部が崩れ、支えの一部を無くしバランスを失った屋上の給水タンクが落下し教室を押し潰した
「でたらめ過ぎる!?」
二つに分断されタンクに押し潰された教室を見て私は悪態をつく。そして右手にもう一度《
(暴走!?いや、《
無言のまま、もう一度剣は振り下ろされる。
「畜生がッ!」
ガキン!という音が廊下に鳴り響き《魂》と《魂》がぶつかり合い火花を散らす……が
「こいつ……ホントに《
明らかに押されている。
そして風麗の剣の焔が私の髪を、服を、肩の皮膚を焼き、体の肉が焼ける臭いが漂う
「うあぁぁぁっ!?」
痛みをこらえ、風麗がやったのと同じように右へ受け流す。
目標を失った剣は、再び破壊を生み出す。辛うじて残っていた教室の一部が、下へと崩落していった。
「仕方ねぇ、これだけは使いたくなかったんだけどな!」
懐から特殊な形状の注射器を取りだし、首に当てる
「お待ちなさい!」
ハッと振り向くと、廊下の先の闇の向こうからゆっくりと人影が近づいて来るのが見えた
その影は小さく、ドレスを着ているようなシルエット。間違いない
「理事長!?」
月の光が黒を貴重としたドレスを照らし、理事長の姿を映し出す
「貴女は下がりなさい」
「……は?なに言ってんだ!?死ぬぞ!」
「大丈夫ですわ」
自信満々に宣言した理事長は、無防備に、暴走する風麗へ歩み寄る
「……!」
理事長が何かを呟く。
すると、何の兆候もなく突然風麗が意識を失って倒れ、燃え上がっていた炎は跡形もなく消え去った
「璃兎、まだ戦えますか?」
「あ、ああ。右肩を焼かれたがまだやれるぜ」
「では、先の命令を実行しなさい。ただし無理はしないように。三國、荒巻風麗とそこの二人を救護へ」
「分かりました」
何処からともなく現れた三國が風麗を抱え窓から飛びだし、救護へと運んで行く。それを見送った私はモヤモヤする気持ちを抑えて、残る一組の《