この紅魔の幼女に聖剣を!   作:海洋竹林

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二日連続の二話投稿。やっぱり試験前だと執筆活動がはかどりますね。

5月12日 原作読んだら微妙な設定の勘違いがあったのでレベルと年齢を上方修正しました。


この紅魔の幼女に飛び級を!

 あれから数年の時が立ち、私は十歳になったので紅魔の里の学校に入学することになった。

 とは言うものの、紅魔の里の学校は十歳になった時点で入学するものであり、昔の日本の寺子屋に近いものがある。なので簡単にクラスのみなに紹介だけされて授業が始まった。というか教師は怠惰の化身ウォルバクだった。

 

「今日は初めてのまりとらもいることだし魔法を実演してみせるわね。みんな何が見たいかしら?」

「爆裂魔法!!」

「エクスプロージョン!!」

「どかーーーーーーんってなるやつ!」

「火力こそ正義だ!!」

 

…………っは!?

 

 驚いて呆けてしまったが、どうやら怠惰の化身ウォルバクによって紅魔族の子供たちに火力至上主義が根付いてしまったようだ。

 

 

「この魔法はみんなも知っての通り神や爵位持ちの悪魔にも大ダメージが与えられる人類最強の攻撃手段よ。今日はこれを里の近くにある魔王城へ撃ち込みに行くわ。」

「「「「はーーーーーい!!」」」」

 

なんか魔王城へ襲撃に行くことになった。

 

 

 

 魔王城、それは紅魔の里から山を数回越えた先にある、この世界におけるラスボスの居城。別に倒しても本人が願いを一つ叶えてもらえるだけで跡継ぎもいるのだが、いったいなぜ人々は魔王の討伐を待ち望むのだろうか。それを怠惰の化身ウォルバクに聞いてみると、

 

「それは魔王が死ぬと魔王城が魔王領の奥地に転移して侵攻が止まるからね。」

 

と言われた。魔王の幹部を全員倒さないと破れない結界があるらしいし、跡継ぎを守るためのシステムなのだろうか。しかし魔王の娘は頻繁に前線に出ているらしいがのだが……。そこまで考えたところで怠惰の化身ウォルバクに呼ばれた。どうやらテレポートの準備ができたらしい。魔王城を見るのは初めてだな……………少し楽しみだ。

 

 

 

 爆裂魔法、それは神や爵位持ちの大悪魔などにも大ダメージを与えられる人類最強の攻撃手段である。射程や効果範囲もあらゆる魔法の中で最強であり、実際一撃で一つの戦場を勝利に導くこともできるらしい。その破壊力はまさに暴虐の名に相応しいと怠惰と暴虐の女神ウォルバクも太鼓判を押す、かの神の十八番である。

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に 我が深紅の混淆を望みたもう 覚醒のとき来たれり 無謬の境界に落ちし理 無行の歪みとなりて現出せよ 踊れ踊れ踊れ 我が力の奔流に望むは崩壊なり 並ぶ者なき崩壊なり 万象等しく灰塵に帰し 深淵より来たれ

 

ーーエクスプロージョンッッ!!」

 

目もくらむような閃光と空が落ちてきたかのような轟音、大地がひっくり返ったかのような衝撃波を放ち、爆裂魔法が魔王城の結界へと直撃した。

 

 

 

 初めに行っておくが、神とはこの世界において最強クラスの存在であり、完成された存在である。ゆえにもちろん神の一柱でもある怠惰の化身ウォルバクも、爆裂魔法を打ってなお他の魔法を使う余裕があるほどの膨大な魔力と紅魔族に負けないほどの賢さを持つ。そういえば、彼女が今持っている杖は私が昨日古代遺跡で発掘した魔法を最大効率にしてさらに余った魔力で魔法の威力を上げるという効果を持つものである。

 

 そう考えてみれば、案外この結果は見えていたのかもしれない。私がそれを予想していればと後悔すらしたし、昨日あの杖を渡してしまった運命を呪ったりもした。

 

 ………現実逃避はやめよう。つまり何が起こったのかというと魔王城を囲う結界が崩壊し、さらには爆発によって押しのけられた空気が勢いよく吹き込み竜巻が発生した。

 

「あ、あはは~。」

 

竜巻によって半壊する魔王城を目の当たりにして、怠惰の化身ウォルバクは乾いた笑いしか出せない。

 

 ……もちろんなかったことにして帰ることになった。

 

 

 

 学校生活二日目、今日は魔道具を使って魔力制御の練習をするらしい。

 

「昨日は隕石の直撃によって魔王城が半壊するという事件が発生しましたが、私たちは気にせず授業を進めていくことにします。」

 

怠惰の化身ウォルバクは昨日のことを隕石の直撃だと説明したようだが、驚いたことにみんながそれを信じ込んでいた。……思ったよりみんなから信用されていたらしい。

 

 今使っている魔道具は、魔力を込めただけでファイアーボールを撃てるという紅魔の里以外では希少な魔道具である。これは魔力操作を完璧にしなければまっすぐ飛ばず、こうして幼い紅魔族の魔力操作の練習に使われているらしい。

 

「そういえばまりとらって今レベルどれくらいなの?」

 

みんなが魔力切れで座り込む中ファイアーボールを連射していたら、怠惰の化身ウォルバクにそんなことを言われたので、私の冒険者カードを見せた。

 

「レベル40!?もう上級冒険者と呼べるレベルじゃない。それに上級魔法もおぼえてるし……。」

 

その言葉に反応したクラスのみなに上級魔法を見せていると、怠惰の化身ウォルバクは待機を指示して校舎へと入っていった。

 

 

 

 そして数分後、

 

「あなた、明日から最上級クラスに飛び級ね。卒業は半年後だから。」

 

解せぬ。




魔法を覚えているならこの結果は必然。

まりとらのレベルが異様に高い理由はこっそりモンスターを倒しまくっていたからです。

そしてウォルバクさんは天然(確信)

あと、タグに独自設定をつけ足そうと思います。

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