この紅魔の幼女に聖剣を!   作:海洋竹林

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試験終了だひゃっほおおおおぉぉ!!!!


この紅魔の少女に新たな名を!

ーー教室内がざわついている。

 

「ああ、なんて愛らしいの!」

「可愛いらしさが止まらないわ!」

「にゃあ〜ん」

「「「きゃああああああ!!!」」」

 

 というのも、我が姉めぐみんが昨日の黒猫を連れてきた事が原因だ。

 

「あのまま家に置いて行くと、帰ってきたころにはこめっこに食べられていてもおかしく無いですからね。」

 

確かに我が妹こめっこはとてもこの黒猫を食べたがっていた。我が姉めぐみんには内緒で結構焼肉あげていたんだが、足りなかったのだろうか?

 しかし、この学校はペット持ち込み禁止ではなかっただろうか?

 

 

 

「ーーー不許可」

 

 やはり断られたか。しかし我が姉めぐみんは諦めていないらしく、何やらダメ人間教師ぷっちんへと言い募っていた。

 

「先生、これは私の使い魔なのです。この子は我が魔力を糧に生きているので、私から離れるともれなく死んでしまいます」

 

何やら適当なことを言って誤魔化そうとしているらしい。

 

「不許可。まだ魔法も使えないのに使い魔とは…。学校は使い魔禁止!おやつ禁止!さぁ、元いた場所に返してきなさい」

「先生、これは我が魂の片割れです。故にもう1人の私なのです!力の大半は私が持って行きましたが、これはれっきとしたもう1人の私なのです!我々は一心同体。離れるわけにはいかないのです!」

 

ちょっと格好いい言葉を言われれば直ぐに靡くと噂のダメ人間教師ぷっちんの弱点をついた見事な作戦だ。流石は我が姉めぐみん、紅魔族一の天才の名は伊達ではないらしい。

 

「…もう1人のお前が抱かれるのを嫌がってるように見えるが」

「私、そろそろ反抗期なので」

 

黒猫がむずがって我が姉めぐみんの懐から飛び出し、壁で爪を研ぎ始めた。

 

「…お前の片割れが本能のままに爪を研いでいるわけだが」

「紅魔族はいつでも戦いに備え、爪をとぐもの。私が知性と理性の大半を持って行ったため、もう1人の私はあのように力と野性に満ちた獣のように…」

 

普段の我が姉めぐみんは怠惰に過ごしていたような……。

 

「いいよ」

 

まじか!

 

「そう、一見あのように愛くるしいもう1人の私ですが、その中身は…。いいんですか?」

「面白そうだからこのままでいいよ」

 

流石はダメ人間教師ぷっちん、そんな適当な理由で許可をだすとは。

 

 

 

「ちょっとめぐみん!トイレは決められたところでしなさい!ほら、ここよここ!ここでシーするの!そう、よく出来ました!偉いわね、めぐみんは!」

「……」

「めぐみんの食べ残し、ここに置いたままだと臭わない?日陰の方がいいよ」

「……………」

「あーっ!もう!めぐみんダメじゃない!あちこちで爪を研いだりしないで!そんな可愛い顔して首を傾けてもダメよ!ダメ…。あぁ、もう!可愛いなぁ本物のめぐみんは!」

「あああああああああーっ!」

 

突然我が知性の姉めぐみんが机をひっくり返した。

 

「きゃーっ!ニセめぐみんが凶暴に!愛らしさだけじゃなく、知性と理性まで片割れに取られちゃったの!?」

「誰がニセめぐみんですか!こっちが本物ですよ!あちこちでめぐみんめぐみんいうのはやめてください!」

「ど、どうしたのよめぐみん。めぐみんがあっちのめぐみんの片割れだって言ったのよ?知性と理性のめぐみんと、力と野性のめぐみんなんでしょ?」

「めぐみんめぐみんめぐみんめぐみん、あちこちで私の名前を呼ばれるのは我慢の限界なんですよ!そいつに名前をつけてください!」

 

そういきり立つ我が知性の姉めぐみんに対しぼっちのゆんゆんが我が野生の姉めぐみんを抱いたまま。

 

「そんなこと言われても、もうめぐみんで定着しちゃったし…。ほら、私もやっとめぐみんを抱けるようになったの!…もう、いっそのこと、この子じゃなくて、めぐみんのほうが名前を書変え痛い痛い!」

「裏切り者!ライバルの名前が変わってもいいんですか!というか、今日1日で学校に入学してから今日までよりも、よほどめぐみんという名前が呼ばれてる気がしますよ!」

「大丈夫だ。私は我が知性の姉めぐみんの名前がもっふるに変わっても変わらず尊敬すると誓おう。」

 

うむ、いい名前だ。

 

「変わりませんよ!というかそれってあなたが飼ってる一撃ウサギの名前でしょうが!」

「しかしもっふるはもういないぞ?我が知性の姉もっふる二世も一週間前に美味しい美味しいと食べていたじゃないか。」

 

あれは美味しかったな。

 

「あのステーキがそうだったのですか!?」

 

驚愕に目を見開く我が知性の姉もっふる二世。

 

「きっともっふる二世も美味しいに違いない。」

「私を食べる気ですか!!??」

 

まあ確かに食べ応えはないだろう。

 

「胸も貧相だしな。」

「喧嘩売ってんですかこの妹は!!!!」

「せいっ!」

 

掴みかかってきたので投げ飛ばした。




これからはまた毎日更新に戻りますのでよろしくお願いします。

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