ウルトラサンウルトラムーン発売決定☆
楽しみです!
でも去年SM出てもう次が出るとか早いわw
あとVC金銀が出るということですが、初代は赤緑青黄と一遍に出したのに、なぜ今回はクリスタルが省かれたのか。クリスタルやってみたかったんだけどなー。
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
「さて、もうそろそろか」
僕は今部屋で人待ちをしている。
僕とラルトスは出かける準備は万端だ。
ピンポーン
インターホンが鳴らされた。
僕はそのまま玄関に出て扉を開ける。
「おはよう、彰くん」
「おはようございます、三枝さん」
「とりあえずすぐ移動しましょう。下に車停めてるから乗って」
「はい」
そうして僕は彼女の後に付いていく。
僕より数年年上なこの女性は三枝さんといって伯父さんの私設秘書をしている人物の一人だ。伯父さんの従姉妹の人で年末年始やお盆とかで親類が集まったときなんかに顔を合わせることもある、僕からすると少し遠い親戚の人だ。
アパートの前にハザードを焚いて停められていた車に乗り込むとすぐさま走り出す。
「ラル!」
ラルトスがボールから飛び出してきた。物珍しいのか車内を見渡し、その後、流れていく車窓に釘付けとなる。ルームミラー越しに珍しそうに三枝さんがラルトスに視線を見やる。
「それが、ええっと?」
「ポケットモンスター、略してポケモンです。この子はその中でもラルトスって言う種族ですね」
「そうそれ! ちなみにどっちの方がいいのかしらね?」
「どっちでも。個体名ならラルトス、生き物としての総称なら『ポケモン』とか『ポケットモンスター』でしょうね。言いやすい方がいいと思いますよ」
「じゃあ『ポケモン』ということにしておきましょうか」
走らせていた車が赤信号によりゆっくりとスピードを落とす。
その間にチラリとほぼ通信アプリ専用にしているスマホを見てみる。なんとなくいやな予感がしたので電源を落としていたので見ていなかったのだが、電源を入れた瞬間に「ポンポンポン」と加速度的にメッセージが届く音がする。それからつぶやきやピクシブーンのコメント通知やメッセ通知も同じような感じで来ている。
「それは?」
バックミラー越しに三枝さんと視線が合う。
僕は先のことを話した。
「そっか。本格的に身バレを警戒しないとまずいわね。とりあえず電源落としといて流しておきなさい。今あなたの話を受けて先生がいろいろ動いてくれているみたいだから。もちろん私たちも出来る限りで全力サポートするつもりよ」
「ありがとうございます。ところで」
窓の外を見やると幹線道路に出たが、途端に車の流れが悪くなる。ラルトスも止まることが多くなったためか、ちょっとつまんなそうな様子だ。
「事務所着くまでまだ時間ありそうですよね?」
「この調子じゃそうね。土曜日なのに結構渋滞が激しいわ」
「じゃあちょっと確認したいことがあるので、スマホいじりますね」
ということで、今朝から一連の騒動があったが、先程ダウンロードしたポケットモンスターのアプリを開く。
「それは?」
「ポケットモンスターのアプリです」
「ああ。私はまだなのよね」
「ポケストップでダウンロードしておくといいですよ。たぶんこれからは否が応でもポケモンとつきあっていかなきゃいけなくなりそうですし」
「そうなのかしらね。あとで先生と一緒に行くわ。そのときは案内お願いね?」
「もちろん」
さて、アプリの方だが、まずはザッと見ていくことにしようか。
今はあのゲームのようなメニュー画面になっている。
項目は“図鑑”、“ポケモン”、“道具”、“ポケリフレ”、“トレーナーパス”となっている。ただ何か埋まりそうな空白がいくつかあるので、後々追加されるような感じになるのか。
「アップデート? あるいは何か条件を満たしたら追加される?」
とりあえず判断材料がなさ過ぎるからこの件は保留にしておくか。
次は各項目を見てみよう。
“道具”は一度見たから、まずは“図鑑”から。
タップしてみると、見つけた数、捕まえた数など、ゲームのときとほぼ変わりはない。捕まえたポケモンの数は1でこれはラルトスだろう。ちなみに見つけた数は加速度的に増えていっている。これは町中にポケモンが溢れているからだろう。ちなみにどのくらいの距離までこの図鑑が探知出来るのかはまだ未知数である。
続いて“ポケモン”。これも開くとポケモンのレベル表示、色で表示された大まかな体力、オスとメスの表示がある。ちなみに、僕のラルトスはメスでレベルは11だった。このようにしてとゲーム画面と大体同じような感じだ。そう、細かい差違はあれ
んで、今度は手持ちにいるラルトスのところを開く。すると特性や性格、薄青いバーで示された次のレベルまでの大凡の経験値表示、技、持ち物、出会った日時、場所など、ゲームからは少し抜けはあれど大体が同じだ。これは助かる。特に技や特性は調べるのが大変なので、本当にアプリ様々である。
ちなみに特性は相手と同じ特性になる『トレース』。なかなか強力な当たり特性である。そして技を見てみれば、驚きだが、4つ縛りはない。レベル11までの技に、今朝方使ったタマゴ技があった。さっきのスピアー戦でタマゴ技が基本技に組み込まれてたりするのかと思ったが、どうも違うらしい。本当に遺伝なのか検証……できるかなあ(汗)。ゲームのときみたいにポンポン生ませてたらシャレにならないことになりそうだし。とりあえずタマゴ技については保留で。
“ポケリフレ”はゲームではポケモンの世話をするやつだったはず。ならばもう少し腰を据えてやりたいのでここではパスしよう。
んで最後に“トレーナーパス”。これはトレーナーとしての歩みと、お、あとはこのアプリの説明書になってるな。これなら全くゲームの下地がなくても使いやすいかもしれない。ちなみに。トレーナーパスの第一項目目には年月日と共に「キミはポケモントレーナーとしての第一歩を踏み出した!」というのが大きく書かれている。言っておくけど僕はそんなことは一切書いてない。たぶんだけど勝手に記録されていくんだと思う。なんてハイテクな!
「あ、もう着くわよ」
これらをちょうど見終わったときに声を掛けられた。ポケリフレ見てたらたぶん途中で終わってたな。
とりあえずは目的の場所に着いたので、車を降りる。
目の前にはちょっとしたオフィスがあるのだが、あるところで他とは一線を画しているところが、ここが普通とはやや違うという佇まいを呈していた。
にいたか義雄
そう看板には大きく書かれ、ポスターなどもペタペタと貼られている。
新居高義雄。現衆議院6期目にして地方分権改革・国家戦略特別区域担当の内閣府特命担当大臣、さらには前総務大臣を歴任した人だ。こんな人が親戚にいるのは僕のちょっとした自慢である。そこ、人間が小さいとか言わない。僕は小市民なのですよ?
「やあ、待っていたよ。彰君」
「ご無沙汰です、伯父さん」
伯父さんが事務所の中で出迎えてくれた。議員さんなんだから忙しくはないのだろうかとも思っていたけど、ちょうど週末で地元周りをするために戻ってきていたようだ。いわゆる
「昭津君、三上さんここは任せた。さ、我々は奥へ行こう」
「了解です」
たしか伯父さんの私設秘書の一人の昭津さんとあとは事務所責任者だったか、2人をおいて僕たちは事務所の奥、公にしたくはないという人のための応接スペースへとあがった。
「ふむん、なるほどなぁ。ポケットモンスター、ね」
今僕の正面には伯父さん、三枝さんがテーブルを挟んで向かい合って座っている。伯父さんの前にはノートパソコンが、三枝さんの前にはタブレットとノートパソコンがそれぞれ1台ずつ置かれ、伯父さんと三枝さんはそれらを覗き込みながらウンウンと唸っている。尤も三枝さんだけは同時に一心に手を動かしてタッチタイピングしているけど。
ただまあ、それだけならまだいい。ここには問題が1つあった。
それは応接室のちょうど議長席に当たるところにおかれた1台のノートパソコン。そしてそのノートパソコンにはスカイプのようなソフトが立ち上がっている。つまり僕たちはここと、スカイプの向こう側の人間と会話をしているのだけど、その会話をしている人間というのが問題だった。
『新居高さんが官邸に来られないと聞いてどうしたのかと思いましたが、ハハ、なるほど。これはそちらとのつなぎ役のために残って頂けたこと感謝に堪えませんね』
現衆議院議員(8期)であり、現自由保守党総裁であるお人。しかし、何よりもこの人を表すにはふさわしい言葉がある。
つまり今この状況、ディスプレイ越しとはいえ、現職の総理と面と向かって会話を行っているのである。
「総理、対策室の面々はまだいますよね?」
『はい。未だ会議中です。緊急かつ策があるということで私だけ抜け出してきました』
「そうですか。では一時中断してもらってウチのが今作ってる資料送ったら改めて対策会議というのは? 正直申し上げて根本的な解決策等なにもないでしょう?」
『まあ私が退席するまではそうでしたね』
「ならば、そういうことにしましょう。それでこちらも今から官邸に彼を連れていくのも時間が惜しいので、Web会議的な形でその対策会議に出席してもらいます。そこで改めて今回のことのプレゼンといいますか、現状我々の陥っている状況について説明をしてもらうというのは」
おい。おい。おいぃ! なんやそれはぁぁ!
プレゼン? いや、プレゼンとかはまあ会社でやったことはあるよ? でも場所とかやる相手とかを考えて? 総理とか内閣関係者?ら辺にとかばかじゃないの? 一般小市民にそりは重すぎるわぁぁぁ!
『わかりました。御子神くん、現状今の日本国は混乱に陥っています。円の値段も乱高下して週明けの株価の数字も私自身あまり見たくはない状況なんです。外交もこの混乱を機に我が国の足元を掬おうと謀略を巡らす動きが出てきてもおかしくはない。今回の一件でどれほどの国益が失われるか。しかし、そこに一筋の糸が見えた。暗中を模索する我々にはまさにそれは光明だった。ならば我々はそれを辿って行きたいと思う。人間は光を見て安堵を覚える生き物だからね。だから、申し訳ないけど……了承、してくれますね?』
一国の総理にそこまで言われてしまっては、僕には首を縦に振るしか返答は出来なかった。
そうして僕たちはネット会議設備が備わっている近くにある市役所本庁舎に移動する。
ちなみに、今の僕の心境はまさしくこんなAAだった。
次回、掲示板話の続きに戻って政府記者会見+αをお送りします。
ニックネームと現実にポケモンがいたら何が起こるかのアンケートを活動報告で実施しています。
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