ドラえもん のび太の幻想冒険記   作:BLACK(黒)

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1章 紅霧異変
第10話 紅い霧


 

 

 

 

 

 

 

 野比家の暮らしに慣れて3日がたったある日

 

 

 

 

 

 し「ねぇ……何か変よ」

 

 しずかは空を見渡す

 

 そこには白い雲ではなく、赤く禍々しい霧が辺りに広がっていた

 しかし博麗神社の方角にはまだ完全に出ておらず、今は人里の上空で止まっている

 

 

 ス「な…なんだよあの霧

 黄砂か何かかい?」

 

 ド「だとしても少々赤くすぎないかい?

 …こんな時に洗濯物なんて干せないよ」

 

 ドラえもんは洗ったタオル、服を両手で持ちながらそう言った

 

 ジ「あっちの方角から出てるな

 …暇だし行ってみるか!!」

 

 そういうとジャイアンは武器を持って外にでる

 因みにジャイアンの武器は【空気砲】と【パワー手袋】の2つだ

 

 ス「ジ、ジャイアン!?危ないよ!

 もし何かあったら…」

 

 ジ「何だよ、お前は気にならねぇのか?

 それにあの霧、太陽を隠しているからなんか薄暗いしこっちは迷惑なんだよ!

 ガキ大将は太陽の下で活動するもんなんだよ」

 

 ス「太陽の下……ねぇ……」

 

 の「でも確かに赤い霧の所為で里の人たちはあまり外に出てないし…

 心配だよ

 僕達で解決できるならやってみようよ、ドラえもん」

 

 ド「う〜ん……

 

 

 

 ………わかったよ

 この霧の出所を確認しに行こう」

 

 の「ドラえもん!」

 

 ド「それにしてもみんな、この世界に来てから随分活動的だね」

 

 ジ「だって楽しいんだ 俺たちの世界に無いものもあるしな!」

 

 の「初めて見るものばかりで身体がウズウズしちゃうんだ

 それに、ここの人たち優しい人ばかりだから、恩返ししないと」

 

 し「そうね

 じゃあみんな、行きましょう」

 

 のび太達は玄関を出て、赤い霧が出て来ている場所へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 ド「のび太くん………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 のび太達はまず湖の方に向かう

 

 そこは以前慧音とラクえもん達と屋外授業をした場所だった

(キャラ説明は第8話外伝#2を参照)

 

 そこに向かうと赤い霧ではなく、ごく普通の霧で包まれていた

 

 

 

 

 湖に向かえば向かう程、寒さが増していく

 

 ス「ね…ねぇ、なんか寒くなって来てない?」

 

 の「た、確かに…ブルブル…」

 

 のび太の吐息が白くなっているぐらい寒いのだ

 

 季節は冬ではないが……

 その原因は湖にいた

 

 

 

 

 

 

 大「あ、のび太さん それにみなさんも」

 

 チ「よし!のび太!アタイとしょーぶしろ!」

 

 チルノ達だった

 

 

 

 チルノの能力は【冷気を操る程度の能力】

 つまりこの寒さの原因はチルノにあったのだ

 

 

 

 ジ「おい⑨(バカ)!お前かこの寒さの原因は!」

 

 チ「!アタイバカじゃないもん!バカはお前だ!デカゴリラ!」

 

 ジ「なにをお!チルノの癖に生意気だ!」

 

 ノ「まぁまぁ…お互いバカなんだからそこまでにして…」

 

 

 

 

 チ&ジ「アタイ(オレ)はバカじゃない(じゃねぇ)!!」

 

 

 息のあったチルノとジャイアン

 笑いながらノートは話を始める

 

 ノ「はいはい、わかったから

 それよりのび太達はどうしてここに?

 ここに人間はあまり来ないんだけどなぁ」

 

 の「この赤い霧を調べてるんだよ」

 

 ノ「赤い霧?

 …あぁ、一昨日発生した赤い霧かぁ」

 

 ス「何か知ってるのか!?」

 

 ノ「知ってる…というわけではないんだけど

【紅魔館】に行った時にそこから赤い霧が出てたような…」

 

 ド「紅魔館?」

 

 フ「この先にあるのよ

 案内しましょうか?」

 

 し「いいの?おねがい」

 

 ノ「よし、じゃあいくか!

 みんな、ついて来て!」

 

 そういうとノートは先陣を切って先を進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 の「そういえば、どうしてノート達はここに?」

 

 ノ「あれ?行ってなかった?

 僕達はここでいつも遊んでいるんだよ」

 

 ジ「俺達でいう空き地か、ここは」

 

 剛「お前らはこの赤い霧を追ってるのか?」

 

 ジ「あぁ、迷惑だからな

 そいつをギッタギタにしてくるんだよ」

 

 剛「ガハハハ!面白そうだな!

 俺達も混ぜてくれよ」

 

 シ「はぁ……キング

 もう忘れたの?」

 

 剛「ああ?なにを」

 

 シ「勇儀さんから何か頼まれてなかったの?」

 

 そういうとキングはハッとして、回れ右して里の方に走っていく

 

 剛「いっけねぇ!すっかり忘れてたぜ!

 すまねぇ!約束があるんだった!またな!!」

 

 

 

 シ「全く…じゃあ僕も帰らないと」

 

 ス「え?シンもか?」

 

 シ「まぁね こう見えても僕は忙しいんだよ

 今日は人里の方で何件か仕事があるからね

 それじゃあ」

 

 そういうとスネ夫は剛と同じ方向へと歩いていった

 

 残ったのはチルノ、大妖精、ラクえもん、ノート、フィーの5名

 

 

 の「シンの仕事って…何やってるの?」

 

 ノ「まぁ主に土木系かな?

 ああ見えて力持ちだからさ」

 

 妖怪は人間よりも力が強く、その中でずば抜けて強いのは【鬼】

 その次に【吸血鬼】、そして【トカゲ妖怪】のこの3つになる

 

 更に、トカゲ妖怪は【土木】【建築】【石工事】などの仕事が得意で、度々仕事の依頼が来る

 シンもそのうちの一人でもある

 

 

 ラ「ええっと…それより紅魔館にいこう」

 

 ド「そうだね

 じゃあノート君、案内頼むよ」

 

 ノ「任せて!」

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーー

 

 

 -一方、博麗神社では…-

 

 

 

 

 

 霊「………」

 

 魔「おい霊夢、これって…」

 

 霊「…【異変】ね」

 

 魔「よし!それじゃあ解決しにいくか!」

 

 霊「相変わらずね、あんたは」

 

 魔理沙は意気揚々と、そして霊夢は多少苦笑いしながら霧の出所へと向かう

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 一人の少女が苦しそうな顔で考えていた

 

 

 ?「………」

 

 ?「…?

 お嬢様?如何されましたか?」

 

 ?「…嫌な運命を見てしまったわ」

 

 ?「!それは一体…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ?「私が子供四人の前で座り込んでいて、あなたが鼻血を出しながら気を失っている運命を………」

 

 ?「…はい?」

 

 ?「何故なのかしら……

 ……それより…咲夜 ここにその子供達がくるから丁重にもてなしてあげなさい」

 

 咲「…畏まりました」

 

 咲夜と呼ばれた従者はその場から消え、残されたのは頭をかかえて考えこんでいる少女だけだった

 

 

 

 

 ?「屈辱的な……

 私を負かす子供とは一体……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 たどり着いた場所は真っ赤な館

 

 

 

 でかい

 

 スネ夫の家よりもでかかった

 

 

 ノ「着いた!あれが紅魔館だよ」

 

 の「あれが…」

 

 ジ「なんか目に悪そうな家だな」

 

 ド「…ん?あれは…」

 

 ドラえもんが目にしたのは門の前に立っているチャイナドレスを着た一人の女性

 腕を組みながら俯いている

 

 

 フ「ここの門番さんよ

 名前は…美鈴さんだったかしら」

 

 ス「も、門番かぁ…

 出来れば穏便に進めたいし…」

 

 そういうとスネ夫は美鈴に向かって話しだした

 

 

 ス「あ、あのう…

 この赤い霧の事で話があるんですけど…」

 

 美「…」

 

 ス「め、美鈴さん?」

 

 美「…」

 

 反応がない

 

 

 

 聞こえ無かったのか?

 スネ夫はもう一度さっきより大きな事で言う

 

 

 

 ス「すみません!この赤い霧について話がありますがよろしいですか!」

 

 

 

 美「…」

 

 

 美鈴はうんともすんとも言わず、俯いたままだ

 

 のび太は近づいて

「あ、あの!聞こえてますか?

 僕達は…あ!」

 何かに気付いたようだ

 

 ド「ど、どうしたの!?のび太くん!」

 

 のび太は美鈴を指しながらこう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 の「この人、寝てるよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みんな「…は?」

 

 ス「はぁ!?」

 

 

 

 美「ぐぅ…ぐぅ…」

 

 よく聞くと、寝息が聞こえる

 そう、美鈴は立ちながら寝ていたのだ

 これには昼寝世界記録1位ののび太もびっくり(現在の記録0.93秒)

 

 

 ス「え、えぇっと

 

 ………どうする?」

 

 ラ「仕方ないから無視して入っちゃう?」

 

 の「流石に出来ないよ

 ここで起きるのを待ってあげよう」

 

 

 

 

 ?「いいえ、それには及びません」

 

 

 

 

 何処からか、声が聞こえた

 

 その声の主は何処だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いた

 

 

 

 のび太の目の前に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 の「!?」

 

 

 ス「うわっ!?いつの間に!!」

 

 のび太達は一歩後ろに下がる

 

 

 ド(い、いつからのび太君の前にいたんだ!?

 門は閉まったままだし、あの人が出てくる場所なんて…!)

 

 

 

 

 すると声の主…メイド服を着た女性は美鈴に向かって…

 

 

 

 ?「良い加減起きなさい!!」シュバッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 サクッ

 

 

 

 美「ギャーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 一本のナイフが美鈴の額に突き刺さった

 

 

 し「きゃあ!

 あ、あなた何を…」

 

 ?「あぁ、心配しなくて大丈夫ですよ

 美鈴は妖怪ですからこれくらいじゃ死にません」

 

 ジ「妖怪だったのかよ…

 ……あんたもか?」

 

 ?「いいえ、私は人間です

 

 …申し遅れました 私はここのメイドを務めます

 十六夜 咲夜 と申します」

 

 咲夜と名乗った女性はのび太達にお辞儀をしてきた

 

 の「わわっ、そんなに畏まらないで下さい!

 僕達まだ子供ですよ!」

 

 咲「いえ、誰であれお客様はお客様ですから

 例え子供であっても対応は変わりませんよ」

 

 の「は、はぁ…」

 

 

 美「さ、咲夜さぁん……」

 

 すると額にナイフが刺さったままの美鈴が涙目になり咲夜の方を見ていた

 

 美「い、いきなり酷いじゃないですかぁ」

 

 咲「お客様に対して失礼じゃないかしら?美鈴?」

 

 咲夜は爽やかな笑顔でそういうと、美鈴はガクガク震えながら「すみませんでしたぁ!!」と深く頭を下げた

 

 咲「はぁ…

 さて、貴方達はレミリアお嬢様より、謁見の許可が出ております」

 

 の「え……えっけん?」

 

 ド「つまり会えるって事だよ」

 

 咲「ではこちらに….」

 

 咲夜はのび太達を紅魔館の中へと連れて行く

 

 

 

 ノ「あの、咲夜さん」

 

 咲「あら、ノートさんもいらしてたんですね」

 

 ノ「まあね、それより今日も小悪魔ちゃんの所に行ってもいいかな?」

 

 咲「今日は駄目……と言いたいけれど、同じお連れですから断れません

 構いませんが、あまり問題を起こさないで下さい」

 

 ノ「わかってるよ」

 

 そういうとノートは紅魔館に入るや否やのび太達とは別の場所へと向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咲「お嬢様の部屋はこちらです

 …お嬢様、お客様をお迎え致しました」

 

 レ「入りなさい」

 

 咲「失礼します」

 

 

 そういうと咲夜はドアを開け、のび太達も中へと入る

 

 そこにはサキュバスの様な小さな翼を持った紫色の髪の少女が立っていた

 

 

 レ「初めまして客人達、私の名前はレミリア・スカーレット

 この紅魔館の主人よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 の「子供…? ええっと、ここのお嬢様はどちらにいますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レ「………は?」

 

 

 レミリアは聞く耳を疑った

 

 さっき自己紹介をしたのにも関わらず、のび太から「お嬢様はどこにいる?」と聞かれたのだ

 

 

 レ「わ、私がそのお嬢様よ」

 

 の「?そのお嬢様の娘さんじゃなくて?」

 

 レ「違うわよ!!」

 

 すると見兼ねた咲夜がのび太に向かって話す

 

 

 咲「のび太さん、あの方がレミリアお嬢様です」

 

 の「え!?僕達と同じ子供が!?」

 

 レ「子供じゃないわよ!あんた達なんかと違って500年も生きてる【吸血鬼】なのよ!!」

 

 レミリアは我を忘れ怒り狂う

 しかし、はたから見れば子供が駄々をこねている様で可愛らしいものだった

 

 咲「お嬢様、どうかお気を確かに!」

 

 するとレミリアははっとして、表情をかえた

 

 レ「ご、ごほんっ

 …私は貴方達人間とは違って高貴な種族【吸血鬼】なの

 貴方達よりもずっと歳上よ?」

 

 の「そ、そうですか…(つまり身体は子供で中身が大人…って事かな?)」

 

 レミリアは椅子に座り、のび太達が知りたい事について話す

 

 

 レ「貴方達、赤い霧を追っているわね」

 

 

 ド「えぇ しかし何故それを…」

 

 レ「私は人の運命を見ることができるの

 貴方達がここに来る事もわかっていたわ」

 

 

 ス「運命……」

 

 ジ「おい、それより俺達は赤い霧について知りたいんだよ

 お前は何かしらねぇのか?」

 

 レ「はぁ… 口が悪いわね

 

 ええ、知っているわよ?何故なら

 

 

 

 

 私がその【紅い霧】を出したからよ」

 

 

 

 




今回のひみつ道具紹介

なし

カリチュマ登場

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