がっこうぐらし!―Raging World― 作:Moltetra
「諸君! 我々は遂に、この第一作戦を完遂した! だが新たな問題も発生している……この聖なる窯を維持する『
大仰な手振りも交え、実に臭い台詞で集まった一同に現状を説明した。だがこの言葉を理解する者は少なく、感動の眼差しで俺を見るイツキと胡桃、後は事情を知る悠里しか俺の言っている意味はわからないらしかった。
「……つまり、どういう事ですか」
「火の番する奴がいない。俺がしようにもお前らの入浴中ずっとすぐ傍にいるんだぞ? 気が休まらないだろうし何より不快だろ」
「私は気にしないよ?」
由紀が天使の笑みで答えてくれるが、「俺は無理」と即答しておいた。
「じゃああたしがーってなる所だけど……ごめん、焚火とか、した事なくて……」
「あぁ……やはり、こうなってしまうのか」
「私は気にしないわよ、ね? 美紀さん」
「はい、流石に進んで見てくる事はないでしょうし」
「あたしも別に気にしない……か、なぁ?」
最後の胡桃による微妙な返答がトドメとなり、俺は項垂れながら親指を立てた。
「……よろしい、ならば俺が火防となり、この目を潰そう。そして唱えるのだ―――『Bonefire……」
「何言ってんだコイツ」
「やたら流暢に喋んないで下さいよ、それも真顔で……ぷふーっ!」
「詠唱でもしようか? 固有結界でも出そうか? それとも落ち着いて素数を数えてみようか……」
「雅が壊れた!」
「やめろォ!! おのれ眠り竜……俺の特大剣折りやがってェ!!! ソウル返せよォ!!」
もう何が何だかわからない事態になっている時、ふと優しい香りと共に温かい物体が頬に触れる。それは悠里の手で、優しく俺の顔を包んでいた。
「落ち着いて? 色々な事を思い出してるんでしょう?」
そうなのか? 確かに過去の記憶で、トラウマに近しいものだ。俺は過去にあらゆるトラウマを抱え、それを忘れてきた。何かの言葉や風景を鍵に、それを思い出してしまう。
俺が落ち着くように、悠里は優しく頬を撫でてくれる。頭に昇った血がようやく収まってくると、自分はなんて恥ずかしい状態なのだろうと思い知る。
「………よし、では火の番は俺が受け持つ。その間俺は何も見ないし聞かない、ただ目の前で揺らぐ火だけに集中しよう」
「だ、そうだから水を入れて火を点けましょう」
非常に落ち着いた、むしろ冷え切った思考で俺は着火する。落ち葉と小枝、散り散りにした紙片をダンボールの上に纏め、ライターで着火する。そこからいくらか火を大きくさせると、やっと風呂の下にある薪へと移した。
「絶望を焚べよ……」
「まだ引き摺るんですねそれ」
「言ってみたくないか? この状況だと笑えない冗談だが……」
俺と同じく火を見守るイツキは、面白おかしそうに笑う。それにつられて、俺もほんの少しだけ笑ってしまった。こんな俺でも人を楽しませる事ができるのだと。
ドラム缶の半分くらいまで注がれた水を温めるにはどれ程待つ必要があるだろうか? 正直準備ややり方までは知っているが細かい事まで熟知している訳じゃない。
温度が高すぎれば水を足せばいいが、それにも限度がある。静かに燃える火を前に、俺達はただ待っていた。
「……で、どれくらいで沸くんだ?」
「さあ、わからんな。沸いたら知らせるから時間を潰してこい」
「でも雅さん1人だけ残していくのも……」
「構わん、1人は慣れてる」
余ったブロックを椅子代わりにして、どっかりと腰を落ち着ける。これからは長丁場だ。冬の寒さも、目の前にある火がいくらか和らげてくれる。
どれくらい掛かるかはわからんが、入れる頃には陽も落ちて綺麗な星空が見れるはず……だといいが。生憎空は雲で覆われ、粉雪が舞ってるし。
それもそれで良いが、折角なら綺麗な星に囲まれて風呂に入りたいものだ。
「……やっぱり、私も付き合うわ」
「やめておけ、今の時期は特に冷える。部長が風邪をひいて誰が指揮するんだ」
「ならあたしならいいだろ? 寒さには強いんだ」
「うちの主砲が風邪をひかれるのも困る」
「なら私は!?」
「論外。部屋に戻れ」
「もう誰も外にいさせない気ですね、諦めましょう」
珍しく美紀が空気を読んで全員を部屋へ戻そうとしてくれる。各々それは深く理解しており、溜息を吐いて俺達がいた新館へと戻っていった。
「……はぁ、1人になるのは久し振りだな。最近、いつでも誰かと一緒にいて……若干疲れてた所だ」
小枝を火に放り込むと、パチパチと音を鳴らして火の粉が舞う。定期的に枝やら葉やらを投げ入れて遊んでいると、段々眠たくなってくる。
いかんいかん、火の番が眠っては……それも真冬の雪が降っている時に眠るなど手の込んだ自殺というものだ。
気付けにポーチから銃を取り出して軽くメンテナンスを始める。バネはへたってないか? スライドに砂が噛んでいないか? 銃口に土が詰まってなんかしてたら撃てないからな。
ついつい細かい所まで見てしまう。それでも、銃に異常は1つもなかった。日頃の整備と丁寧な扱いの賜物だ。そもそも全くと言っていい程使わないのが問題であるが。
「風呂……風呂か。ご飯にする、お風呂にする、それとも……とかいうのは発祥はどこなんだろうか?」
どうでもいい事に頭を回しても、なんの手掛かりがない以上アニメやゲームなんかで見たシーンやその亜種の使い方しか思い出せない。まずい、このままでは眠ってしまう。
そうならない様に、俺は頭の中でその台詞を彼女達に言わせてみる。
『おかえりなさい、雅さん! お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも戦闘訓練ですか!?』
『よーし! ならとっておきの訓練をしてやろう!! まずは腕立てだ、背中に俺を乗せて300回やってみせろ!!』
何故一番手がイツキなのか、というツッコミは置いといて……俺は鬼畜か? 50kg以上ある俺が背中に乗った状態で腕立てとか、地獄だろ。
いや、それ以前に俺はいくらか軽くなっている。腕1本とその他無駄だった脂肪を落としている今なら一体いくつなんだ? アニメキャラの摩訶不思議な体重に近付いているかもしれない。
よし、もうこれ以上考えるのは止めよう。そもそも俺は『彼女達』に言わせようとしたのに、何故男であるイツキに言わせたんだ。まさか実は女か? まさか、あり得んな。
『みゃーくんおかえりっ! ご飯とお風呂と私! どれにする?』
『寝る』
『ふぇえっ!?』
うむ、由紀だとどうしてもこういう回答になってしまう。あの純粋な眼差しで私にする? なんて聞かれたら外面は無反応でも内面はドギマギして仕方ない。
というか由紀に家事スキルはあるんだろうか? なんだか何もかも失敗して結局俺が主夫みたいになる未来が見え隠れするが……人は見掛けに寄らないからな。
それより、台詞的に仕方のない事だとしても結婚している、的な想定をしている自分が気持ち悪い。
『おかえりなさい、雅先輩。ご飯にしますか? お風呂にしますか? ……それとも、私、ですか?』
『全部………飯風呂夜伽の順で』
『よ、とぎ? ……はっ!? そ、そんな……』
うわぁ……きめぇ。これは自己嫌悪に陥らざるを得ない。いや、これは彼女達に様々な台詞を言わせて反応しないかのチェックでもあるのだ。少なくとも自己嫌悪に陥っている今は問題ない。オールグリーン、正常だ。
『おかえりっ、雅! 飯食うか? 風呂にするか? それか―――うぅ、言わせんな馬鹿!』
『ん? 何をだ? 口に出さなきゃわからない事もある。どうか勇気を出して言って欲しい、そうすれば俺達はもっと分かり合えるだろう』
『そ、それは……えっと、その……ようするにだな? え―――』
えぇ、よくありませんね。きっと映画を見ようとでも言おうとしたに違いない。一緒に純愛モノの甘ったるい映画を見よう、と誘いたかったんだな間違いない。
俺がそういう関連のジャンルに疎いから遠慮してしまってるんだ、そういう事だな。ようするに映画を見よう、そういう事だ。
「よく帰ったね雅、ご飯にする? お風呂にする? それともお1人様ご案内、かな?」
「ファッキュー」
「随分と直球な答えだ……雅らしいね」
「違うそうじゃない」
どこからか勝手に入り込んできた思考を、持っていた小枝と一緒に火に投げ入れる。それきり、毒電波はなくなった。
「み、雅さん? さっきから何ブツブツ言ってるの?」
「!?」
今度はマジモノの声に、俺は慌てて振り返ってしまった。そこにはいつもより1枚多く厚着した悠里が心配そうに俺の周囲を見渡している。
だが当然何者の姿もなく、何かに見間違えるような影もない。気付けば既に陽は落ちていて、悠里の手には穏やかな光を放つ灯りがぶら下げられていた。
「誰か、いるの?」
「いや、誰もいない。俺1人だ。……今のはただの独り言だよ」
「……そう」
ダウンのジャンパーを羽織った悠里はハンカチを取り出して地面に敷くと、そこに座ろうとする。
「待った」
「?」
「これを使え」
それを許さず、俺の座っていたブロックを悠里の元へ押しやる。
「悪いわ、ずっと見てくれてるのに」
「これくらい何も悪くない。ただの見栄だ……女性を冷たい地面に座らせる男にはなりたくない」
「ふふっ。じゃあありがたく使わせて貰うわね」
地面に敷いていたハンカチをブロックに敷こうとした悠里を俺はまたも止めて……今度は無言で着ていたコートを脱いで折り畳むと、ブロックの上に敷く。
そして仰々しい手振りで座る場所を示すと、悠里はまたふふっと笑ってやっと座る事が出来た。
「寒くない?」
「問題ない。俺は冬生まれだからな、むしろ寒さが心地いい」
「そうなの、じゃあ冬は好き?」
「一番好きだな。夏は暑苦しいしセミファイナル食らうし、祭りに花火とイベントも多くてな」
「いいじゃない、お祭りも花火も楽しいでしょ?」
「……いいや」
温度を確かめる為、風呂の中に手を突っ込みながら俺は否定した。祭りも花火も、ただ煩いだけで面倒なイベントだ。何より、1人で行く必要もなかった。
忍や尊さん達と行く機会もなくて、俺は殆ど冷房の効いた部屋でゲームしてたな。……まだぬるいか、もう少し火を強くする必要があるかな?
「まあ、風呂上がりにキンキンに冷えた酒を飲む時くらいだな、夏様々だと思うのは」
「はぁーあ、忍さんも言ってたものね。雅は大酒飲みだーって」
「あいつも人の事言えんよ。で、ここにきた目的は? 他愛のない話をする為じゃないだろう」
追加の燃料を放り込みながら、俺は地面に座った。はらはらと舞い落ちてくる雪と空を眺めて、なんとなく感傷に浸ってみる。
「他愛のない話をする為よ? 1人だと寂しいと思って」
「はぁ? そりゃまた物好きな……」
「あと……この前の事について、しっかり話しておきたくて」
「この前?」
この前と言うと、忍と別れた時だろうか。あの時、悠里は今度にすると言ってたし……それにしては早い段階で話すもんだ。
「私、あなたの事好きって……言ったじゃない?」
「……ん?」
そうくるとは思わず、俺は無意識に首を傾げてしまった。俺はてっきり、あの時言わなかった事を言われるものだとばかり考えていた。だが悠里にとって、それよりも大切な事らしい。
ま、まあ確かに俺はあの時最後まで話を聞かなかったからな……だからと言って、こう訂正してくるという事は。やはり人としてとかあなたの存在を認めていますよ的な意味だと念押ししたいんだろう。
「私はあの時、確かに好きだと言ったわ」
「ああ、言ってたな」
「でも……実の所ちょっと誤解というか、伝え間違った所があって……」
申し訳なさそうに横目で見てくる悠里に、俺は覚悟を決めてその先を促した。実は、好きと言ったのは嘘……というのは前提として、本当は疎ましく思ってるだとか、そっちの方を予想していた。
「みんなあなたの事好きだって思ってるわ。それはあなたもわかるでしょう?」
「まあ、なんとなしに?」
「でも、私の言う好きは、そうじゃないの」
ごくりと、唾を飲み込んだ。死の宣告……そう確信して予想もしたのに、今の今までそれを匂わせるワードが出てきていないからだ。
状態や口調、声色全てを鑑みても、マイナスの要素が見当たらない。だからほんの少し期待してしまう自分がいる。でも、その期待はすぐさま砕かれるだろう。ふつふつと湧き出る喜びも、覚悟したつもりなのにどこかでそんな訳ないとタカを括っていた自分も。
「―――私は、あなたが好き。ら、LOVEの方よ? わ、私は……雅さんを、男性として好きなの……」
はい? ラ、ラブの方ですか? 冗談はよしてくれ、そうやって上げて落とすのはこの世界の常套手段じゃないか。嬉しくない訳じゃないが、素直に喜べない。
ある意味、俺達にはフラグが立ってしまったようなものだ。そう思った瞬間、俺は周囲に誰かがいないか、倒れてくる物や爆発する物を火に入れていないか確認する。
「ど、どうしたの!?」
「いや……周囲に危険がないか確認しただけだ。それより、それはどういう―――」
「どうも何も、そのままの意味よ……気付かないみたいだから、私から……言ったの」
パチパチという音は慎ましい拍手のようにも聞こえて、俺は目の前で儚げな光に照らされた彼女を前に動揺してしまう。
よく見れば悠里の顔は真っ赤で、耳まで赤くなっていた。そうだとわかった瞬間こっちまで恥ずかしくなってくる。……クソ、こんな展開予想もしてなかった。
そりゃこんな可愛い子から告白されればすごい嬉しいし、本来ならひゃっほう最高だぜと大喜びしてのた打ち回る自信がある。だが! だが、だな? 俺はこの学園生活部に入る時、いくつか決めた事がある。
悠里と、俺の本心に応じるという事は……その最初の取り決めを破ってしまう。
「……返事、聞いてもいいかしら?」
「あ、ああ……その気持ちには正直、嬉しい限りだ……」
「え……じ、じゃあ!」
ぱぁっと花が咲いたような表情で飛び付いてくる悠里に、俺は顔を背ける。
「な、なんで……こっちを見てくれない、の?」
「嬉しいが、その気持ちには応えられない。俺はお前達を護る、その為だけに今生きている。俺がこの部に入ったのは、お前と恋仲になりたかったからじゃない」
「で、でも……」
「まだ1ヶ月も経ってないんだな。なのに俺はここまで変われた。まるで、平和だった頃に戻った気分だ」
前よりも笑う時が多くなった。他人と居て楽しい、面白いと感じられた。彼女達を見て、胸が躍る瞬間もある。……死にたくないと願った時、俺は悠里の顔を思い浮かべたりもした。
それだ。一番変わったのはそれだとわかる。俺は死にたくない。どこかしら諦めて、その場の流れに身を任せてばかりだった俺が、珍しく死にたくないと思っている。
今にも泣きだしそうな顔をした悠里に相対したまま、恐る恐る頭を撫でてみる。一瞬驚いたように体を震わせたが、決して嫌がる素振りは見せなかった。
もしかしたら恐怖で動けなくなっているだけかもしれない。怪物同然とは言え、平気で“元人間”を屠り、生きている人間ですら容易く手に掛ける殺人鬼。
そんな俺に、人を好きだと言える権利はない。好かれる権利も、毎朝おはようと声を掛けられる権利も。
「ありがとう、俺を好いてくれて。それだけで十分だ……それ以上は、幸せ過ぎて死にそうだから。イツキもいい男だろう? 年下だが、将来有望だ」
「……そんな泣きそうな声で言ったって、説得力ないわ」
「だよな、でも本心だ。俺は今すごく幸せだ、このまま死ぬんじゃないかと思えるくらい……むしろ今死ねたら、とても気持ちよく死ねる……でも―――」
「「でも、それは出来ない」―――でしょう?」
先読みされたのがおかしくて、俺は感情のままに笑った。胸の辺りにはじんわりと温かいものが広がって……どうやってこんな感覚が生まれているんだろうと不思議に思う。
悠里も見事的中させた事に微笑み、顔を上げる。悠里の瞳には、俺の顔も映っていた。両目から涙を流し、ぎこちない笑みを浮かべている。
「私ね、こうも思うの。あなたが私達を守る為だけに生きる、そう決めたのはまだ空っぽのあなたで……今のあなたとは別人なんじゃないかって」
「詭弁だな。どんなに状況が変わっても、過去は覆らない。俺は言った事には筋を通すように心掛けている、だから悠里……お前とは―――」
「……そういえば、誰かと付き合わない、なんて言ったかしら?」
「イツキに言ったんだ、車内恋愛は禁止ってな」
「そうなの……口に出してしまったなら通さなきゃいけないわね……でも私は諦めないから。女の子をここまで誘惑しておいて逃げられる訳ないからね?」
誘惑……? 俺がいつ誘惑したんだ? もしかして無意識の内にかなり際どい行動を取っていたのか? だとしたら事案確定だが、生憎もうそれを罰する場所も人もいない。
何が何だかわからないと言った状況を打破する為に、ダメ元で風呂に手を突っ込んでみる。すると、かなり長い間話し込んでいたのかちょっと熱め程度の湯ができあがっていた。
「よし、新館に戻って風呂が沸いたと伝えてくれ。後は順番を決めて、その順に来てくれたらいい」
「ええ、わかったわ。雅さんはいつ入るの?」
「俺は最後だ。というか背中の傷もあるから湯には浸からない」
「そうなの? じゃあ私が体拭いてあげるわね」
「いらん。さっさと呼びに行け、燃料と水も無限じゃない」
手で追い払う動作をすると、悠里はくすりと笑って新館へと戻っていった。―――顔が熱い。暗いからバレなかったか? いや、最後のアレは絶対に気付いてた素振りだな……また記憶が消える原因が……
いや、消えないか。今俺はとても満足している。忘れたいと願っていない時は、忘れたいと思っている時より緩やかな物だ。
また1人になった瞬間。悠里ならどういう言い方をするだろう? と初めに考えていた「飯風呂私」をシミュレートしてみる。
だが状況から考えていく途中で、やめてしまう。我ながら恥ずかしい限りだが、それを想像したら……きっとそれを望んでしまうに違いないと思ったからだ。
「ん、晴れたか……」
まだちらちらと雪は舞っているが、木々の上にぽっかりと雲が途切れている空間があった。そこからは微かな光を瞬かせる星が不格好な額縁に入れられている。
まるで絵画だ。そんな風に考えて、すぐにアホらしいと鼻で笑う。でも、立ち昇る湯気を通して星が見れたら……感慨深いだろうな。
この辺にレジャー施設とかはないんだろうか。遊園地でも動物園でも水族館でもいい。……最後2つは悲惨な事になってるだろうから、行けて遊園地か。
きっと感染者もわんさかといるに違いないが、こういう時こそ羽を伸ばせる場所、時間が必要だ。
このイベントもそれを兼ねてのものだが、いまいち迫力に欠けるな……遊園地、この辺にあるか聞いてみるか。
今後の候補を手帳に書き込むと、ブロックに座って1番手が来るのを待つ。クッション代わりにと置いてあったコートは、まだ微かに温もりが残っていた。
キリのいい所で区切った為、今回は少し短めです。いっそ入浴シーンまで書き切ってしまおうか、なんて考えましたが時間のない人の為にも短め……
最大でも12000字までしか書かないと決めております。ご了承ください。
でも1話の平均文字数が1万を切るとなんか嫌になりますね……仕方ないね。
今回はネタ増しを心掛け、のほほんとした話になったかと思います。
違和感や「ん?」となる展開、多くあった事でしょう。慣れていないんです許してください。
ラブコメとギャグは畑違いと言ってしまえばそれまでですが、出来る限り良い展開に持っていけるよう頑張ります。
俺の呪縛者の大剣何度も折ったあの竜は今でも忘れない。