「ついてきたって、サーヴァントを維持するための魔力はカルデアから供給されてるけど、それはカルデア内の話で外に出たら数分で消滅してしまうんじゃないのか?それに今は令呪を封印されてるから俺からの魔力供給もできないし」
「私のクラススキルに単独行動Aがありますから、一週間は魔力供給なしで現界し続けることができます、いざとなったらマスターにアッチの方で魔力供給してもらうつもりですので...」
静謐は頬を赤らめると立香は無視して話を続けた
「でもよくここまでついてこられたね」
「私はアサシンですので、気配遮断はもちろん人の目を欺くことなんて余裕です、マスターのためなら例え火の中水の中どんなとこでもついていきますので」
「静謐がいるなら清姫もいるかと思ったけど、清姫はいないみたいだね」
「清姫さんならダヴィンチさんやカルデアのみなさんが全力で止めていましたよ」
確かに、清姫には単独行動のスキルがないからカルデアから出ればすぐ消滅しちゃうしな...
「抑えられてる清姫さんにドヤ顔で見送ってあげました」
清姫のやつ、静謐のことだいぶ恨んでそうだな...
「単独行動、気配遮断と兼ね備えた私が一番最適だと言われ今マスターの元へいるというわけです、カルデアのみなさんからの公認です、これは明日からでも式をあげるべきかと」
静謐はマスターと二人っきりだからなのか質問にはちゃんと答えてくれるがいつもよりは少し暴走気味のようだった
「とりあえずここから脱出しなくちゃだ、あと俺のこの令呪の錠もなんとかしないとだしな」
「そうですね、この部屋の鍵は開けときましたんで、いつでも行く準備はできています」
「あ、開けといたってどうやって...?」
「先ほどのマスターと一緒にいた男から鍵を取っておきました」
「さ、流石ですね」
「いえアサシンですのでこれくらいは出来ないと初代に首持ってかれるんで」
「そ、そうか」
立香と静謐は部屋の扉を開け廊下を見ると誰もいないことを確認すると部屋を後にした。
「私はマスターの令呪の鍵を探しに行ってきます、マスターは出口へ向かって行ってください。この先にある階段を降りて左の通路を真っ直ぐ行けば裏口の方は出られます。マスター一人でも大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思うけど...、さっきの男から令呪の鍵も盗むことは出来なかったのか?」
「探ってみたのですが、あの男からは部屋の鍵しか出てきませんでした」
「うーん変だな、あの男が令呪の鍵持っていると思うんだけど...まぁいいか、とりあえず俺は裏口の方は向かうよ」
静謐は、はいッと言うと霊体化して鍵を探しに行った
今は静謐との契約が無効にされているため霊体化すると立香にも姿が見えなくなるようだ
立香は隠れながら慎重に進んで行く
不自然なのかこれが普通なのかわからないが今のところ誰一人出会っていない。少しぐらい警備員とかいてもおかしくないはずなんだが
もうすぐ階段のあるところで立香はすぐ右にある部屋の存在に気づいた。
扉のない部屋、いや扉が開いている。不自然に思ったが立香は覗いてみた。
中は暗く、奥の方に何か薄暗く光る物があるようだ、その中心に人影らしきものも見える。
立香は自然と体が引き寄せられるように部屋に入って行った
しばらく進むと奥にあった薄暗く光るものの正体があらわになっていく
そこには巨大な培養器のようなものに一人の少女が入っていた
「え.....?」
白い肌に金色の髪、整った顔立ちで
薄暗く青白い培養器にどこか神秘的な雰囲気を感じさせた
目を閉じていて生きているか死んでいるかもわからない
囚われているのなら助けてあげたいけど....