ソードアート・オンライン-君と共に在るために-   作:ちぇりぶろ(休載中)

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という訳で77話目突入です!
今回で罪と罰編は完結いたします。
今日までお付き合い頂きありがとうございました!
次回よりオリジナルストーリーを挟みつつ、原作ストーリーを書いていこうとおもいますのでよろしくお願いします!


では、どうぞ!


【77】その先へ

 2025年12月22日09時20分 SAO帰還者学校 空き教室

 

 体育館から盛大に響く喝采が耳障りに聞こえ、思わず歯を食いしばる。

 目の前には何かを諭したような表情でこちらを見ている仇が青柳新の神経を逆なでさせていた。

 

 青柳「なぜ…そんな顔ができる!?」

 

 明日奈「彼はもう1人じゃないから…。何かを犠牲にする痛みを1番知っているから…。

 貴方のように復讐に駆り立てられたりしないからよ」

 

 青柳「ふざけるな…!!そんなもの…ただの偽善だ!!」

 

 青柳が吠えるのも無理はない。

 彼はSAOに囚われていた訳でもなく、拓哉に兄を殺された憎き仇としてしか映らない青柳に何を言っても通じる訳がない。

 第三者に当事者の心境を理解しろと言うように青柳には彼らの真意が理解出来なかった。

 

 青柳「…まぁいい。今更生徒の信頼を得ようとも既に結果は決まっている」

 

 明日奈「どういう意味…?」

 

 拓哉「…」

 

 青柳「これから始まるのは僕が君に送る最初で最後の贈り物だ…。

 その手は血にまみれている!!その手は人の血が染み付いている!!

 人殺しの手はどこまでいっても血を求め続けるんだ!!!」

 

 青柳が吠えた瞬間、校門の方から荒々しい爆音が轟いた。

 校門が見える窓から覗くと、バイクに跨るガラの悪い不良達が集団となってこの学校に向かってきていた。

 

 明日奈「あれは…!!?」

 

 拓哉「まさか!!?」

 

 青柳「昨日の落とし前をつけに来たんだよ…。茅場拓哉!!お前のせいでこの学校は恐怖に包まれるんだ!!!

 さぁ、どうする?英雄はこの状況をどう覆してくれるんだい?」

 

 歯噛みをしながら空き教室を飛び出していった拓哉はすぐに校門前まで駆け抜けた。

 それを追って明日奈も教室に出ようとすると扉の前に施恩が立っていた。

 

 明日奈「施恩さん!!」

 

 施恩「明日奈さんは拓哉さんを追ってください。…私は新君と話があります」

 

 明日奈「…分かりました」

 

 そう言い残して空き教室を後にした明日奈を見送り、青柳と施恩がその場に残された。

 

 青柳「…何の用だい?」

 

 施恩「新君…もうこんな事はやめて!そんな事をしても改君は喜んだりしないわ!!」

 

 青柳「…」

 

 施恩「昔はこんな事する子じゃなかったじゃない!?

 優しくて、正義感の強い立派な男の子だった!!何でそんな君がこんな事をするのっ!!?」

 

 昔の彼を知っている施恩にとって、今の青柳の行動は嘘だと信じたかった。生徒に親身になる今までの彼の姿を嘘だったと疑わなかった。

 また昔のように交流を深めていけると信じていた。

 けれど、今の青柳にそれらの期待は抱けない。

 憎悪に支配され、我を失った復讐者はもう止まる事はないと心のどこかで諦めている自分がいるのも確かだ。

 施恩の問い掛けに沈黙を守っていた青柳が口を開く。

 

 青柳「昔とは違うんだよ施恩姉さん…。僕はこうでもしないと気が済まない。兄さんを殺したアイツが憎くて…憎くて憎くて仕方ないんだ!!!

 施恩姉さんには分からないさ!!目の前で突然家族を奪われた僕の気持ちなんかっ!!!!」

 

 施恩「それは…」

 

 青柳「…もう止まれないよ。この学校は今日で終わるんだ。

 アイツのせいで何の罪もない生徒や教師が傷つくんだよ。

 それが僕が贈るアイツへの罰さ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2025年12月22日09時00分 SAO帰還者学校 体育館

 

「な、なんだ!?」

 

「外で何かあったのか!?」

 

 生徒達も体育館に微かに響く爆音を捉え、不安を抱きながら騒ぎ始める。

 外の様子を確かめる為に向かっていた1人の教師が息を切らしながら校長に今の状況を簡潔に伝えた。

 

「そ、外に不良の集団が押し寄せて…!!」

 

「な、なんだって!!?」

 

 木綿季「どうしたんですかっ!!?」

 

 舞台から下りた木綿季と和人にも校長に伝えた内容と同じ事を伝えると、爆音が今までない程に轟く。

 和人は一目散に外へと通じる階段を駆け上がった。

 すると、校門は不良の集団で埋め尽くされ、全員が鎖や木刀、金属バットなどの武器を所持し、殺気を放ちながらこちらの出方を窺っている。

 

 和人「これは…!!」

 

「茅場拓哉!!!!お前ぇがこの学校にいんのは分かってんだよっ!!!!さっさとは出てこいやぁっ!!!

 さもないとここにいる奴ら全員ぶっ殺すぞっ!!!!」

 

 和人(「アイツらの狙いは拓哉かっ!!?」)

 

 先頭で咆哮を上げる不良は舎弟である不良の何人かを校舎へと向かわせた。

 瞬間、窓ガラスを自前のバットや木刀でたたき割り、校舎を滅茶苦茶に破壊していく。

 その様子を黙って見ていられなくなった和人が不良達の前に躍り出り、破壊行為をやめるように言い放った。

 

 和人「拓哉はここにはいない!!!校舎を破壊するのはやめろ!!!」

 

「嘘つくんじゃねぇよ?ウチの奴らボコボコにしたケジメをつけに来てんだよっ!!もやしは引っ込んでろ!!?」

 

 尚も続く破壊行為は窓ガラスだけでなく、校内にもおよび、和人も説得出来ないと考え、強硬手段を取った。

 

 和人「やめろって言ってるだろ!!」

 

「邪魔だ!!?」

 

 和人「がっ…!!?」

 

 右肩に鈍い音がし、よろめいた隙に和人の腹部を豪快に蹴り飛ばした。

 柱に背中を打ち付け、その拍子に体内の酸素が全て吐き出された。

 

 和人「ゴホッ…ゴホッゴホッ!!ゴホッゴホッ!!!…く、くそ…!!」

 

 痛みで体の自由が制限された和人はそれでも不良を止めようと足を前に踏み出す。

 ここはお前達の来るべき所じゃない。

 そう強く念じながら和人は痛む体を推して不良達の行動を止めに入る。

 しかし、多数に無勢で和人1人ではどうする事も出来ない。

 遅れてやってきた教師達の言う事も聞かずに次々と破壊の限りを尽くしていた。

 

 木綿季「和人!!大丈夫!!?」

 

 和人「早く…やめさせないと…!」

 

 木綿季「っ!!…もうやめてよ!!こんな事して何の意味があるのさっ!!!」

 

 堪らず声を荒らげた木綿季を濁った瞳が眺める。

 瞬間、背筋が凍るような言葉に表しづらい不安が押し寄せてきた。

 

「うぉっ!!?中々可愛いじゃねぇか!!!」

 

「アンタが1日俺らに付き合ってくれるんならやめてやっていいぜぇ?」

 

 不気味な笑い方をしながら木綿季を下から上へ舐め回すように見つめる。

 それがなんとも形容し難い恐怖に足が震えている。

 木綿季は1歩2歩と後退するが、不良達の視線が外れる事はなかった。

 

 木綿季「っ!!?」

 

「茅場拓哉はいるんだろ?ソイツさえ出せば許してやるよ」

 

 そんな事微塵も思っている訳ないと言うように不敵な笑みを浮かべる。

 あの男がこの集団を率いているのは理解出来るが、だからと言って対策を講じれる訳でもない。

 すると、数人の不良が木綿季に迫ってきた。

 

 和人「逃げろ木綿季!!」

 

 木綿季「…逃げない」

 

 和人「なっ!!?」

 

 迫り来る不良達を前に木綿季は1歩たりとも下がらなかった。

 力の差は歴然…それでも木綿季は前だけを見据えている。

 

 木綿季「逃げたらもう何も出来ない気がするんだ…。拓哉だってどんな時でも立ち向かっていった…。

 ボクも…拓哉の隣に立てるぐらいに強くならなきゃいけないんだ!!!」

 

 それは物理的な力の有無ではない。

 心を…魂を奮い立たせ、恐怖を屈服させられる程の強い意志が必要だ。

 恐れるな…前を見ろ…。

 不安に支配されようとも後退だけは決して許されない。

 拓哉のように堂々と立ち向かっていく勇気を絞り出せ。

 

「なんだよ…その目は…?」

 

 木綿季「…この学校から出てって!!!ここはお前達のような悪い奴らが来る所じゃない!!!!」

 

「お前…どうやら死にてぇらしいな…」

 

 その怒りは徐々に伝染していき、迫っていた数人の不良が武器を構えた。

 

「女だからって調子に乗ってんじゃねぇよ!!」

 

「その可愛い顔、ぐちゃぐちゃにしてやるよっ!!」

 

 瞬間、雄叫びと共に不良達が一斉に木綿季に襲いかかった。

 

 和人「木綿季!!?…ぐっ…!!」

 

 痛みに支配された体は木綿季の元へ駆けつけられない。

 木綿季を助けられる人は周りにはいない。

 例え、ボロ雑巾のように殴られようと構わない。

 その覚悟を秘めた瞳は心做しか…あるいは幻覚か…金色に輝いていた。

 

「「うらぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間、鈍い音が校門を支配した。

 木綿季に痛みなどない。目をつぶったまま時間が止まったかのように何も起こらない。

 恐る恐る目を開くと木綿季の前に1人の少年が不良との間に割り込んでいた。

 力強く振り下ろされた金属バットを左腕で受け止め、今の状況を飲み込めないでいる不良達。

 木綿季は視線を上へと移動させ、目を見開いた。

 

 木綿季「…た…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 拓哉っ!!!!」

 

 拓哉「怪我はねぇか?」

 

 一言だけ木綿季に問いかけ、視線を移す。

 見た所目立った外傷などはなく、安心して視線を目の前にいる不良の1人に戻した。

 

 拓哉「コイツらは絶対ぇ傷つけさせねぇ…!!」

 

「コイツ…!!?どこから…」

 

「かまわねぇ!!やっちまえっ!!!」

 

 木綿季から拓哉に標的を変更した不良達は怒りの形相で攻撃を仕掛けてきた。

 

 拓哉「そう何度も…やられるかよっ!!!」

 

 勢いよく振り下ろされた金属バットを躱し、すぐに右拳が1人の顔面を捉えた。

 大きく仰け反りながらその場に倒れた不良を捨て置き、全方向からの同時攻撃に出る。

 しかし、拓哉は身を最大限しゃがみそれを回避。行き場を失った武器は止まる事なく互いの不良達に直撃する。

 

 和人「ぐ…オレも…!!」

 

 明日奈「和人君!!大丈夫!!?」

 

 和人「明日奈!?どうしてここに…!!?」

 

 遅れながら到着した明日奈は和人に肩を貸して拓哉と不良達から距離を取った。すぐに教師の1人を保健室へ向かわせ、救急箱を持ってくるように指示する。

 

 和人「拓哉1人に任せる訳には…!!」

 

 明日奈「じっとしてて!!」

 

 里香「木綿季!!和人!!明日奈!!」

 

 珪子「大丈夫ですか!!?」

 

 生徒達の人混みから息を切らした里香と珪子が3人の心配して駆けつけた。その後からひよりも合流し、教師から救急箱を受け取った明日奈が和人の傷の手当をしながら今の状況を説明する。

 

 里香「じゃあやっぱり青柳が黒幕なのね?」

 

 明日奈「うん。今は施恩さんと一緒にいるわ」

 

 ひより「それは…大丈夫なんですか!?」

 

 木綿季「シウネーなら大丈夫だよ。…ボク達はここをどうにかしないと…」

 

 視線を戻せば夥しい人数の不良が地面に倒れ、集団の頭である銀髪の不良と対峙していた。

 

「お前…オタクにしては中々骨のある奴だな。うちの連中がやられるのも無理ねぇ」

 

 拓哉「これ以上は無意味だって分かっただろ?大人しくここから出ていけ!!」

 

「テメェ!!相澤さんにむかってなんて口聞いてんだ!!?」

 

 相澤と呼ばれた不良の背後から先日会った不良が文句を言い放つ。

 どうやら青柳の言ったように彼らは拓哉に用がある事を再確認して、ジリジリと不良達に詰め寄った。

 

 拓哉「ハァ…ハァ…」

 

「ぜ、前回の傷がひびいてるようだな!!相澤さん!!殺っちまってください!!」

 

 相澤「…久しぶりに腕がなるな」

 

 既に7人も相手にしてきた拓哉の体力は残り僅か。

 対して相澤率いる不良の集団はまだ20人以上残っている上に余力も隠し持っている。

 状況は極めて劣勢。絶望的だと言われても仕方ない。

 だが、ここを逃げれば学校も…教師や生徒達も…仲間達にも危険が及ぶだろう。

 例え、劣勢だとしてもここを引く訳にはいかない拓哉は深呼吸をして荒ぶった集中力を整える。

 

 拓哉「…オレが勝ったらここから立ち去れ」

 

 相澤「勝つつもりか?その身体で?この俺に?…いいねぇ。

 退屈しのぎにはなってくれよ?」

 

 互いに拳を握り直し、視線を目の前の敵だけに定める。

 このように誰にも邪魔されない()()()1()()1()で戦うのは実に1年振りだ。

 これはこれから先の未来を決定させる戦い。

 希望にしろ絶望にしろ、未来へ進む為に避けては通れない障害。

 相対する相澤の影にかつて文字通り生死を懸けて戦ったヒースクリフが見えた。

 

 拓哉(「まだ…オレに戦えって言うのかよ…」)

 

 何故このような感情が湧いてきたのかは分からない。

 似ても似つかない2人を重ねてみるのはおかしいと分かってはいる。

 答えなど見つかる訳でもなく、またこの両拳を振るおう。

 仲間に迫り来る脅威が完全に消え去るまで何度だってこの拳を振るおう。

 

 拓哉「…いくぞぉぉぉっ!!!!」

 

 相澤「かかってこいやぁぁぁぁっ!!!!」

 

 地を蹴り、互いの拳が交錯し、鈍い音が2人の頬から響き渡った。

 口の中が切れ、鉄の味が口内に広がりながらも2撃目にこれもまた同時に入った。

 

 拓哉&相澤「「っ!!?」」

 

 互いに繰り出す拳は同じ箇所を貫き、そこからは誰もが息を飲む乱戦に突入した。

 地面には血が飛び散り、互いの体が傷や血に塗りつぶされながらも、拳の雨は止む事はなかった。

 

 木綿季「拓哉…」

 

 その状況は拓哉にとって危険なものだ。

 只でさえ体力を削られている上に前回負った傷はまだ完全に癒えている訳ではない。

 きっと体は悲鳴を上げ続けているハズだ。

 それでも拓哉は止まらないだろう。

 その拳は何かを傷つけるだけのものではない。何かを守ろうと…助けようと力を行使した拳は何よりも固く、鋼のような魂が宿っているから。

 それが分かっているから拓哉を止めようとは誰も思わない。

 木綿季達の背後でその光景を固唾を飲んで見守っている生徒達にも響いているだろう。

 

 拓哉「がっ!!?」

 

 相澤「ぐっ!!?」

 

 鈍い音が響き続ける。血を流し、もしかしたら骨も折れているんじゃないかと疑うような音が鳴り止む事はない。

 

「─ばれ…」

 

 木綿季「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張れぇぇぇぇっ!!!!」

 

「負けるなぁぁぁぁっ!!!!」

 

 彼らにはそれしか出来なかった。

 ずっと軽蔑し、誹謗中傷を繰り返してきた彼らにはこの応援すらおこがましいのかもしれない。

 けれど、それでも…彼は自分達の為に痛みに耐えながら戦ってくれているのだろう事だけはひしひしと伝わっている。

 自分達が弱いばかりに"英雄”に頼るこの状況も腹ただしい。

 彼らだって本当は分かっているのだ。

 自分がここにいられる理由。家族や友人、愛する者と再会出来た理由。

 そして、今もこうして生きていられる理由も…。

 目の前で傷だらけになりながらも戦い続けてくれる彼がいたからだと自覚しているから応援する以外に彼を支える手段がなかった。

 

 和人「これは…」

 

 里香「アンタ達…」

 

 珪子「すごい…」

 

 応援が学校全体を包み込み、不良達は忽ちアウェー感が漂い始めた。

 

「う、うるせぇっ!!」

 

「黙らねぇとテメェらぶっ飛ばすぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 相澤「テメェらは手ぇ出すんじゃねぇっ!!!!」

 

「「「!!?」」」

 

 互いに息を切らしながら距離を取った相澤が仲間である不良達に一喝した。

 不良達もそれに肩を竦め、口を閉じざるを得なかった。

 

 相澤「ハァ…ハァ…久々に体が疼いてんだ。テメェら…はそこで黙ってみてろ…!!」

 

 拓哉「ハァ…ハァ…お前…」

 

 まさか、不良の頭である相澤の口からそのような言葉が出てくるとは思わなかった為、拓哉や他の者も目を丸くして相澤を凝視する。

 

 相澤「…退屈だったんだよ。ハァ…ハァ…今まで、ムカつく奴はこの手で徹底的に潰していった。

 だが…充実はしなかった…。今が今までで1番充実してるんだ…!!

 もう報復なんざどうでもいい…!!

 お前みたいな強い奴を滅茶苦茶にしてやるのが俺の生きがいだ!!!!」

 

 拓哉「…お前の…言いたい事は分かった…。

 だけど、仲間を…関係のない奴らを巻き込むやり方は許容出来ない!!

 ハァ…ハァ…だから、お前に負ける訳にはいかねぇ!!!!」

 

 痙攣する脚を奮い立たせ、相澤に突撃をかけた拓哉。

 それに応えるかのように相澤も拳を握り直し、真っ向から迎え立った。

 

 拓哉「ふっ!!」

 

 右拳を豪快に突き出すが、相澤の左腕に遮られ致命打には至らない。

 その攻防の隙を突いて右足蹴りが拓哉に襲いかかった。

 咄嗟に左腕で防御したが、勢いは衰える事なくそのまま蹴り抜いた。

 

 拓哉「っ!!」

 

 その勢いは止まる事なく拓哉に襲いかかる。

 そんな時に何か妙な異変に襲われた拓哉は一旦距離を取る為に後退した。

 

 拓哉(「まさか…」)

 

 木綿季「拓哉…?」

 

 相澤「おらおらぁぁ!!かかってこいやぁぁっ!!!」

 

 気づけば相澤が拳を振り下ろし、拓哉も間一髪でそれを回避したが、相澤はそれを予想していたかのように素早く拓哉との距離を詰めた。

 

 相澤「ひゃっはぁぁっ!!!!」

 

 拓哉「がはっ…」

 

 顎を射抜かれた拓哉は一瞬意識を完全に失い、膝からその場に崩れてしまった。

 

 木綿季「拓哉っ!!?」

 

 拓哉「っ!!」

 

 木綿季の掛け声で意識を取り戻した拓哉は今の一瞬に起きた情報を瞬時に理解した。

 そして、先程感じた異変が気を落ち着かせた瞬間に現実のものとなった。

 

 拓哉「う…うぅ…」

 

 左腕に激しい痛みが襲い、指先の感覚は完全になくなっている。

 激痛で思考は滞り、冷静な判断が出せないでいる中、拓哉はなんとかその場に立ち、相澤に向かい合う。

 

 拓哉(「こりゃあ…完全に折れてるな…。(あばら)も何本か折れ(いっ)てるかもしれねぇ…。

 さらに言えば、前の傷が開き始めやがった…」)

 

 まさに絶体絶命の状況に立たされた。

 左腕は使い物になれず、肋が折れてる為か呼吸もままならない。

 前回の傷も開き始め、服の上から血が滲み出ているのでそれは間違いないだろう。

 

 相澤「…どうやらそろそろ終いだな」

 

 拓哉「ハァ…ハァ…」

 

 木綿季「拓哉…もうやめないと…拓哉が…!!」

 

 明日奈「やっぱり傷が癒えてなかったんだわ。

 それに、左腕を抑えて…もしかしたら骨も折れているんじゃ…!!」

 

 確かに、これ以上続けさせたら最悪の場合拓哉の命の危険が及ぶ可能性は大きかった。

 木綿季も誰よりも拓哉を止めたいと強く思っている。

 だが、今の拓哉に何を言っても聞き入れてはくれないという事も同時に理解してしまったり

 

 木綿季「…」

 

 和人「止めるべきだ…。これ以上は拓哉が危険だ…」

 

 里香「でも、どうやって…」

 

 互いに満身創痍の状態でこの戦いももうじき幕を下ろす。

 それまで拓哉が無事だという保証はない。

 既に無事ではないのだが、五体満足で帰ってくる保証がないという意味で木綿季はただひたすらに願った。

 

 木綿季(「どうか…無事に帰ってきて…!!」)

 

 ひより「拓哉…」

 

 相澤「互いに次で最後…だな」

 

 拓哉「ハァ…ハァ…そうだな…。もう動ける体力もねぇ…」

 

 相澤「…楽しかったぜ…茅場拓哉…!!」

 

 拓哉「…いくぞ!!」

 

 互いに今ある体力を全て使って全速力で走った。

 最後の一撃を決めた方がこの戦いの勝者になる。

 当たり前の事なのだが、その過程で他者には理解出来ない感情が交錯し、そこに至る答えもまた別々のものになる。

 

 拓哉(「もう…見失わねぇっ!!守るべきもの…救うべきもの…大切にするべきもの…。

 オレは…ここで…この世界で生き続けるんだっ!!!!」)

 

 この手は血に塗れているのかもしれない。

 人を傷つけ、人を殺めた代償として1度は全てを失った。

 だから、この世界で生きる資格なんてないのかもしれない。

 だが、拓哉は間違えていたのだ。

 元々、生きる事に資格なんて必要ない。

 生きているだけでその者には意味があり、価値があり、尊い存在だから。

 それを否定したり、軽視したりする者達からそんな者達を守る為にこの拳を振るおう。

 それが拓哉が出した答えであり、贖罪として与えられた使命。

 きっと、これから先にも拓哉を阻む壁が何枚も現れるだろう。

 しかし、彼には仲間が…木綿季が隣にいる。

 彼らと共にどんな苦難でも乗り越えていきたい。

 それが拓哉が望む願いの1つである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相澤「…はっ…ざまぁ…ねぇや…」

 

 拓哉「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2025年12月22日09時50分 SAO帰還者学校 校門前

 

 青柳「どう…なってるんだ?」

 

 施恩「…これが新君の望んだ事なの?」

 

 空き教室から青柳は校門前で起きている騒動の結果を知る為にその場所へと向かっていた。

 施恩もそれに同行し、事の真相を明確にしておきたかった。

 まだ彼には迷いが見られる。

 そう思い、施恩は青柳を説得する事にした。

 昔から知っている彼は正義感が強く、今回のような誰かを傷つける騒動を何より嫌っていた。

 だから、まだ心の奥で迷いがあるのではないかと考えていた。

 

 施恩(「拓哉さん…どうか無事でいてください…」)

 

 空き教室に向かう前に拓哉と遭遇していた施恩は拓哉に巻かれた包帯や絆創膏の夥しい量を見て止めようとした。

 だが、拓哉の顔はそれらに関係なく誰かを助ける為に拳を振るったあの時のものだった。

 自分達をあの世界から解放する為に1人で立ち上がったあの時と。

 だから、これは止められない。止める権利がないと悟った。

 拓哉になら全てを任せられる。

 都合のいい大人と罵られても不思議ではないその考えに施恩は苛まれたが、それきっと彼が自ら望んでいる事だと理解してしまった。

 本来ならば、大人である自分が子供である拓哉を助けなくてはならない立場にいるにも関わらず、あの背中に全てを委ねてしまう。

 せめて、その手助けが出来ればと今回施恩は動いた。

 昇降口から校門へと目指していた青柳を追って、遅れながらその現場に到着した。

 生徒達の喧騒も、不良達の雄叫びも聞こえない。

 騒動は収まったという事実だけが伝わり、人ごみを掻き分けて先頭に躍り出た。

 

 施恩「!!」

 

 青柳「…嘘…だろ」

 

 そこには大勢の不良が倒れている光景。その中心で1人ポツンと立っている人物がいた。

 

 施恩「…拓哉さん」

 

 つい先程まで戦っていたであろう拓哉は体中に傷を負いながらもその場に立っている。

 すぐ側には銀髪の不良が1人仰向けに倒れていた。

 

 拓哉「ハァ…ハァ…」

 

 相澤「か、完…敗だ…」

 

 相澤が一言呟いた瞬間、生徒達から歓声が轟く。

 またしても拓哉は1人で何百人ものの人達を救ったのだ。

 歓声は中々止む事はなく、不良達も現実を受け入れられないといった表情で呆然と立っていた。

 

 拓哉「…ぐっ…」

 

 体力がそこをついた拓哉はその場に倒れた。

 木綿季や他の仲間達はすぐ様拓哉に駆け寄り、彼の身を案じる。

 

 木綿季「拓哉!!拓哉!!しっかりして!!」

 

 明日奈「木綿季!!あまり動かさないで!!…出血が酷い。この腫れ方から見て骨も数箇所折れてる。…誰か!!救急車を呼んで!!早く!!」

 

 明日奈の叫びで1人の教師が我に返り、スマホで救急車を要請した。

 その中青柳は唖然とした表情で相澤に近寄る。

 

 明日奈「!!…青柳…!!」

 

 里香「アンタ!!何しにノコノコ来たのよっ!!」

 

 里香の怒号に聞く耳を持たない青柳は素通りして、相澤に歩み寄る。

 すると、先日拓哉にやられた不良の1人が青柳の前に立ちはだかり、怒りの形相で叫んだ。

 

「お前が!!お前のせいで相澤さんはこんなになったんだぞ!!?どう落とし前つける気だゴラァっ!!!」

 

 青柳の胸ぐらを掴み、怒号を上げる不良に青柳は冷たい眼差しで言い放った。

 

 青柳「まったく…使い物にならないな…不良は…」

 

「な…に…!?」

 

 青柳「少しは役に立つかと期待した僕が馬鹿だったよ。

 所詮、社会のクズにいくら大金を積もうが全く意味がない事を再認識したよ」

 

「テメェ!!」

 

「ぶっ殺してるっ!!!」

 

 怒りで我を忘れた不良達が一斉に青柳に牙を向いた。

 青柳も挑発するだけして無気力の表情を保ち続ける。

 抵抗しても無駄だと理解しているのか、それとも…計画が失敗に終わって生きる意味を失ってしまったのか。

 どちらにせよこのままで青柳が本当に殺されかねない。

 木綿季達もそれを止めようと叫ぶが、その声は誰一人として耳に入ってはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相澤「やめろっ!!!!」

 

 

「「「!!!?」」」

 

 

 意外にも不良達の暴動を止めたのは相澤の一言だった。

 これには木綿季達だけでなく、青柳も驚愕の表情を浮かべている。

 

 相澤「俺が…負けたのは事実だ。…これ以上…暴れるのは俺が許さねぇぞっ!!!!」

 

「で、でも相澤さん!!コイツは俺達を…!!!」

 

「っるせぇ!!!…負けた奴は罵声を浴びなきゃならねぇ…。それが敗者の運命だ…」

 

 青柳「フン…敗者か…。まさにその通りだよ。

 お前らクズのおかげで僕の計画も全部破綻してしまったんだ。

 敗者に語る言葉など初めからないんだよ」

 

「テメェっ!!!!」

 

 相澤「下がれって言ってんだろぉがっ!!!!」

 

 倒れたまま暴動を抑え続ける相澤の姿にイラついたのか、青柳は無理矢理相澤を立たせ、拳を強く握った。

 

 青柳「いちいちカッコつけてるんじゃねぇよ。

 お前らはどこまで行ってもクズだ。この世界に必要のないものだ。

 どっちが上か僕が教えてやるよ…!!」

 

 勢いをつけ、青柳の拳が相澤に振り抜かれた。

 瞬間、鈍い音が校門に響く。

 人を殴った感触は青柳に伝わり、相澤は拳を受けてはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 拓哉「…聞き捨て…ならねぇな…」

 

 2人の間に割って入った拓哉の額に青柳の拳が打ち付けられていた。

 額から血を流し、その表情と相澤を庇った拓哉に恐怖したのか青柳は相澤を離し距離を取った。

 

 青柳「き、貴様…!!」

 

 相澤「…どういうつもりだ?」

 

 相澤がそう尋ねるのも無理はない。

 つい先程まで拳を合わせていた両者の間に友情といった感情は微塵たりとも湧いていない。

 拓哉の行動に意味を見出している相澤に拓哉は答えた。

 

 拓哉「お前らも…元々は関係のない事だったんだ…。

 これ以上傷ついていい理由なんて…どこにもない…」

 

 青柳「まだ偽善者ぶるつもりか?…それがどれだけ人を不幸にするかまだ分からないのか!!?」

 

 拓哉「…確かにオレは偽善者だ。都合のいい事ばっかり言って約束すら録に守れない最低の野郎だ。

 だけどな…この世に生きる意味がない人間なんていねぇんだよ!!

 コイツらにだって1人1人に意味がある!!

 だからこの世界で生きてる!!

 偽善者だというならそれでも構わない…。オレは…オレのせいで誰かが傷つくのはもう…見たくないんだ!!!

 アンタだってそうだろ?

 家族を失わせちまったオレが何を言おうと響かねぇかもしれねぇけど…今ここにいる施恩は心の底からアンタを心配してんだよ!!

 施恩がどれだけアンタを信じていたのか分かってんのか!!?

 そんな施恩の心をアンタは踏み躙るのか!!?」

 

 青柳「!!」

 

 施恩「拓哉さん…」

 

 この場で1番青柳を心配していたのは間違いなく安施恩その人だ。

 幼少期から触れ合い、誰よりも青柳を理解している施恩の気持ちを青柳は考えた事すらなかった。

 初恋の相手だと青柳は拓哉に語った。

 それは本心から出た言葉だったと今でも確信して言える。

 そんな彼女の想いを蔑ろにしてまで復讐を果たしたいのか。

 いや、心の奥底で分かっていたのだ。

 この計画に意味なんてない。

 最初から破綻していたのは青柳の復讐心だったのだ。

 兄を殺された恨みは確かにある。

 だが、それで拓哉を殺す理由にはならないと青柳にも理解出来ていたハズだ。

 それを青柳は奥底に追いやってずっと復讐だけを生きがいに今まで生きてきた。

 それを否定するつもりは拓哉にはない。

 しかし、自分に嘘をつき続けるのは誰にも出来る事じゃない。

 青柳も例外に漏れる事はないと断言しよう。

 その証拠に今まで行ってきた犯行も直接的なものではなかった。

 回りくどい方法ではなく、もっと簡単なやり方もあったハズなのにそれを実行に移さなかったのは暗に青柳にまだ迷いがあったから。

 

 青柳「僕は…お前が憎い…!!」

 

 拓哉「あぁ…」

 

 青柳「兄を殺したお前が心底憎い!!!それ以外は捨てたつもりだった!!!!」

 

 拓哉「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青柳「それでも…僕はまだ…施恩姉さんが好きだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからの事は憶えていない。

 青柳は何かを失ったかのようにその場に崩れ去り、それを見届けたオレはその場で意識を失った。

 目覚めたのは病院のベッドの上。

 ベッドを取り囲むかのように仲間達が心配そうな表情でこちらを見下ろしていた。

 あの事件から丸2日も眠ったままだったと聞かされた時は驚いたものだ。

 

 

 オレが意識を失った後、教師の1人が密かに通報していた警察が駆けつけ、青柳と青柳に雇われた相澤率いる不良達は連行されていったらしい。

 

 施恩「新君!!」

 

 青柳「…」

 

 施恩「…私…待ってます。新君が罪を償って、また私に会いに来てくれるのを…。

 その時にまだ…新君の気持ちが変わってなかったら…もう一度伝えて欲しい…」

 

 青柳「!!」

 

 警察官に連行されていく中、施恩は青柳の優しい笑みを確かに見た。

 彼は罪を償って再び未来への1歩を踏み出してくれる。

 それだけ分かれば心配する事はないだろう。

 きっと、昔のように笑い合えると信じているから。

 

 

 

 

 

 

 拓哉「…そっか」

 

 木綿季「これで全部終わったね…」

 

 明日奈「そうだね…」

 

 個室に設けられたテーブルで談笑を行っている中、不意に扉がノックされた。

 拓哉がそれに応えるとそこには予想外の人物がいた。

 

 明日奈「あなた…」

 

 拓哉「…小林」

 

 拓哉が退学する直前に殴り飛ばして怪我を負わせた小林が花束を携えてて立っていた。

 

 里香「アンタ…何しに来たのよ!!」

 

 和人「おい…落ち着けよ里香」

 

 里香が怒りを露わにするのは無理もない。

 拓哉を直接追い込んだのは小林であり、拓哉が去った後も度々誹謗中傷を繰り返してきた中心人物だ。

 そんな彼が今更拓哉に何の用があるというのか。

 

 小林「これを…」

 

 木綿季「…うん」

 

 木綿季は小林から花束を受け取って中へ入れるが、里香はそれを良しとはしなかった。

 

 里香「木綿季!!そんなの受け取らなくていいわよ!!

 コイツが拓哉にした事話したでしょ!!?今度は何考えてるか分からないわ!!!」

 

 木綿季「…そんな事ないよ。もしそうなら花を持ってここに来たりしないしね」

 

 里香「でも…!!」

 

 拓哉「里香…。いいんだ…もう終わった事だし、小林が悪い訳じゃない」

 

 なんとか里香を宥め、拓哉が寝ているベッドの前まで案内させる。

 小林は何を喋る訳でもなく、拓哉の怪我を見つめていた。

 

 小林「…」

 

 拓哉「…悪かったな。あの時、殴っちまって…。お前は悪くないのに…」

 

 その場を収める為とは言え、罪のない小林を殴った事は拓哉に非がある。

 それを謝罪すると小林は顔を俯かせ、体を震わせながら言った。

 

 小林「謝るのは…僕の方だ。君には命を救ってもらったと言うのに、それを知らずに君を中傷してしまった。

 クラスのみんなも僕と同じ気持ちだ。

 大勢で来れば君にも病院にも迷惑をかけると思って、僕が代表としてお見舞いに来た。

 こんな事で君にした事を許してくれとは言わない。

 だけど、謝らせてほしい…!!本当に…すまなかった!!!」

 

 頭を深く下げた小林は時折滲み出る涙を拭いながら拓哉に謝罪した。

 それは里香も明日奈も当の本人の拓哉でさえ予期せぬものだった。

 だが、彼は自らの過ちに気づき、勇気を出してここに来たに違いない。

 それを無下に出来なかった。

 

 拓哉「いいんだ。…オレは初めからお前達を恨んでない。

 誰だって危険な奴と一緒にいたくないと思うのは普通だし、今回もオレが勝手にやった事だ。

 だから、顔を上げてくれ。オレはもう大丈夫だからな!!」

 

 小林「っ!!…本当に…すまなかった!!…ありがとう!!」

 

 こうして、本当に全てが幕を閉じた。

 障害は数々あったけれど、彼らはそれらをことごとく乗り越えた。

 既に冬休みに入り、今日はクリスマスイブ。

 ALOで新生アインクラッドのアップデートが行われ、30層までが解放された。

 和人と明日奈にとっては思い出の地である22層にあるログハウスを手に入れる為にフロアボス戦に挑むようで、怪我で動けない拓哉に詩乃は自宅から事前に持ってきたアミュスフィアを手渡す。

 

 拓哉「じゃあ、オレは先に行ってるからな!!

 …リンク・スタート!!!」

 

 これから何が起きても仲間と共にこの世界で生き続ける。

 新たな誓いと共に拓哉は懐かしき仮想世界へ赴いた。




いかがだったでしょうか?
次回は息抜きにそれぞれのカップリングストーリーを短編として書いてみたいと思います。
もし、こんなカップリングが読んでみたいとかありましたら遠慮なくお申し付けください。
極力採用してかいてみますので。


評価、感想などありましたらお待ちしております!


では、また次回!

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