僕とポケモンのサバイバル生活 作:なきぼくろ
フシギダネを助けた筈が何故か僕が牢屋に囚われていて...
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僕が牢屋に入ってから三日目?初めて牢屋の扉が開けられた。
多分僕はここで扱き使われて死ぬんだろう。相手はポケモンそんなことをしてもほぼ意味は無い。しかし、彼は極度の不安からバットエンドにしか思えなかった。
どうせ死ぬのなら最後に抵抗してやろう。そう思い至る。
ガチャッ、キィー。扉が開けられた瞬間に体当たり、相手を倒れさせる。そこからはもう無我夢中で走った。幸い洞窟は一本道で曲がりくねっている。
5分ぐらい走っただろうかやっと洞窟から出れた。この洞窟は村に見下ろすように出来ていた。時刻は太陽は昇りかけており、早朝だった。そうだからなのか少しざわついた感じが村からこちらに感じられる。村とは反対方向の森へと逃げる。
何故かほかのポケモンとは出会わなかった。体力が限界を迎え方で息をする。その場で倒れそうになるがなんとか持ちこたえる。
流石にここまでは追ってこないだろう。
少し安心したらお腹から自己主張の激しい音が響いた。こんな時にも僕のお腹は通常運転か。少し笑いがこみ上げてくる。警戒しながら木に登る。なんとなく掴んだきのみを口に運ぶ。
「うまい」この世界に来てから安心して食事にありつけたことなど無かった。何故あれほど冷静さを失っていたのだろう。
ついさっきまでの絶望感は嘘のように消えていた。
ある程度お腹を満たしたら、一応警戒して歩き始める。いつの間にか見覚えのある場所へとたどり着いていた。ここは一番最初にきのみを食べた場所。ここから自分の住処に近いことが分かる。心が踊り、足が軽くなる。すぐに住処に着いた。気が付いたら太陽はもうとっくに頭上にきていた。
これからどうするかな。ぼーっとしてたら直ぐに夜になってしまう。少し悩んだかもう1度森に戻ることにした。
モンスターボールとリュックを持ちまた森に向かう。勿論極力見つからないよう静かに。
森に行く理由はだいたい二つくらい理由がある。
まず、もう硬い床の上で寝るのは勘弁だったこと。木の葉などでなんとか布団を作ろうと思った。眠りが浅いと十分に体を休められないから。
そして出来たらなのだが、ポケモンを捕獲すること。流石に一人でここから生きていくことは出来ないだろう。なら仲間を増やそうと思ったから。
所々でポケモンの鳴き声が聞こえてくる。だが、こちらに近づいて来る気は無さそうだ。安心して普通に歩く。
さて仲間にするなら火ポケモンとかだと理想的だなぁ。なんて考えていたら何処からか見られている様な気配を感じた。
くっ、もしかして追手か?もう諦めていたと思っていたのに...。周りを警戒し身構える。
「なんだよ餓鬼かよ」ちっ、焦って損したぜ。舌打ちをしながら男は出てきた。ひ、人?この世界に来て初めて会えた。やっと誰かと話せるのか。今迄1人だったからなんとか色々聞いてみよう。
「おい、お前何処の所属だよ」スキンヘッドの20代前後の男が言う。
えっ?頭を傾げる僕。所属って何を勘違いしてるんだこの人?僕が困惑しているのも構わずに続ける。
「まぁいいや、お前まだボール持ってんだろ。それ寄越せ。」指さされたのは背負った斜め掛けバッグ。
「だっ、誰ですがあなた。これは渡せません」いきなりなんてこと言い出すんだ。もしかして危ない人!?
「いちいち面倒だ。とっとと渡せっっ!!」見慣れないボールを投げられ、出てきたのは目が黒くひかり、禍々しいオーラを放つコラッタだった。
まさか、男のボール注目する。それはポケモンを邪悪に染める『ダークボール』であった。