バイオハザードリベーションズ 〜真夏の真実〜   作:sss-aaa

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第1章 悪夢の始まり
第1話 乗船、そして出航


 2020年 7月21日ハワイ島

 

 雲ひとつない快晴、鮮やかな青色の海。

 アメリカハワイ島のハワイ港に、1つの豪華客船が着水していた。名は「クイーン・ゼノビア」号。24日に開催される東京オリンピックへ向けて、たくさんの大統領やお偉いさんが乗船し、東京湾に向かって出発する。

 

 俺たちは豪華客船クイーン・ゼノビア号の入り口前にいた。

「うわっ〜、デケェ〜」

 口を大きくあけ、雅也が叫ぶ。

「でかくないか?ネットで調べたのと現実では大きく違うな。」

 蓮がスマホをいじりながら言う。どうやら、クイーン・ゼノビア号のホームページを見ているみたいだ。

「てか、ここでネットつかえるの?スマホ家に置いてきたし」

 夏美が、スマホを操作する蓮を見て言う。

「これは外国でも使える無線LANを内蔵してるからな、何処へでも使えるぞ。ちなみに自作だ」

「へ〜、自作、、、。お前将来電子機器に関するすごいものを作るんじゃねーのか?」

 苦笑いしながら、俺は言った。

「蓮くんらしいね。でも充電はどうするの?」

 あやめが不思議そうに言う。それを聞いて蓮は

「あっ!やべ!そのこと考えてなかった!。これ、バッテリー食うんだよな、充電器家に忘れた!」

「なにやってんだお前、、、」

 雅也が呆れた声でいう。このやり取りを見て笑っていると突然

「零くん、話があるんだけど、、、」

 と、真奈が俺だけに聞こえるような小声で言ってきた。

「ん?なんだ?」

「ここじゃ、話しづらいから、、、」

 と言って、俺の手を握り雅也たちから離れた場所へ行く。何か用事でもあるのか? と思っていると

「あのね。私零くんのことが、、、、、」

 真奈がそこまで言いかけた時、黒いスーツをきたふつーそうな男性が

「そこの坊やとお嬢ちゃん。ちょっといいかい?」

 と、話しかけてきた。

「え?何の用ですか?」

 俺はそっちに反応する。横目で、真奈がふくれっ面を、しているのがわかった。

「すまないが、君の名前は綾波 零 であってるかな?」

「あってますけど、、、」

 なんで、俺の名前を知ってるんだ と思っていると今度は真奈の方に

「お嬢ちゃん、君は上条 真奈であってるかい?」

 と言った。真奈は元気がない声で

「あってますけど、、、。」と言った。

 男性はそれを聞いて、安心したのか一息ついて

「そうか、それは良かった。もう聞いていると思うが君たちがクイーン・ゼノビア号に潜入するにあたり護衛をつくことになったBSAAのエージェント高坂 英治 というものだ。あちらにいる4人は今さっき確認させてもらった。出航の時間が近づいているんだ。そのため、今すぐ乗船して欲しいんだ」

 と、早めに言った。

「あなたが今回護衛につく高坂さんですか。これからよろしくお願いします。」

 俺はそう言って頭を下げた。それにつられて真奈も頭を下げる。そこで、雅也が

「おーーーい。早くこっちにきてくれ、早く乗船しないと出航してしまうぞ!

 高坂さんも早くきてください!」

 と、大きな声で叫んだ。

「わかった!今すぐ行く!」

 俺は雅也に負けないくらい大きな声で返事をした。そして、真奈の手を握って「さあ、行こう」と言った。真奈は何か言いたそうだったが、渋々あとをついてきた。そんな俺たちを見て、高坂さんも後から続いた。

 

 

 

 

 乗船の手続きが終わり、俺たちは船内に入る。船内はやはり広くて映画で見るようなシャンデリアが高く吊るしてあった。入ってすぐのところに、ロビーみたいなところがあったので高坂さんはそこにみんなを集めて

「もう目的はわかっていると思うが、今回この船内でバイオテロが起こるかもしれない。いつ、どこで起きるかもわからない。1分足りとも気を抜くな」

 と、言った。みんなはそれにはい と返事をする。高坂さんは全員が返事したのをみて

「よし、まず船内よ部屋だが男子は4階の401号室、女子は4階の402号室だ。さきに部屋の鍵をわたしておく」

 と言って、俺と夏美に鍵をわたした。

「ちなみに私は船内を監視しておく。もし何かあったらこの通信機で連絡してくれ」

 そう言って全員に通信機を渡す。通信機は青色でシンプルなものであった。

「じゃあ、各自解散!」

 高坂さんはそう言って早くも1階を探索し始めた。俺たちは4階へとあがり、男子と女子に別れ部屋に入った。

 部屋は、これまたゴージャスでベッドが4台、バスルームは広くて、中も綺麗。庶民では体験できないような待遇であった。

「すげえな。これ全部使っていいんだろ?」

 俺は部屋を見渡しながら言う。そして、荷物をそばにあったロッカーの中に置いた。蓮、雅也も後を続けてそうする。

「とりあえず、休もうぜ。これからさき体力使うと思うし」

 雅也はそう言ってベッドに寝転がった。

「そうだな。俺はスマホをいじっておくよ」

 蓮がそう言ってスマホを弄り出す。

「おいおい、充電器忘れたんじゃなかったのか、、、」

「大丈夫だ。低電力モードに切り替えた。フルで使ってもあと6時間は持つ」

 蓮はきっぱりと言って、なにやらプログラミング画面を開いて文字を打ち出した。

 呑気だな、と思いながら俺もベッドに横たわることにした。それと同時に、アナウンスが流れ始める。英語なので解読不能だ。なにを言ってるんだろう そう思ってると、蓮が持ってるスマホから

「ただいまより、クイーン・ゼノビア号は東京湾に向かって出発しました。長旅となりますので、ゆっくり休んでください」

 と、女の人の声が聞こえた。ああ、スマホの翻訳機を通したのね。制度高いな。雅也はもう寝てしまっている。こんな状態で大丈夫なのだろうか?俺は早くも心配になってきた


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