ニセコイの原作ifストーリーです。母親との契約により九州の実家へ強制送還させられた万里花。そんな彼女に対して楽が出した”もうひとつの答え”とは…?

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もしも楽が万里花との結婚を受け入れたら

冷酷な母親、千花との契約により九州の実家へ連れ戻され政略結婚させられることになった万里花。

式の時間が早まったことで楽達も対応が間に合わず、とうとう誓いのキスをする時が来てしまった。

 

 

万里花( 途中から分かっていた事…楽様が私を選んでくださらないだろうという事は )

 

 

万里花( でも叶うなら、ちゃんと答えを聞きたかった )

 

 

万里花( そしてもう一度… )

 

 

万里花( もう一度……………… )

 

 

楽「その結婚待ったぁぁぁぁぁ!」

 

 

バァン

 

 

万里花「⁉︎」

 

 

千花「!」

 

 

万里花「ら……」

 

 

千花( 帰ってもらいなさい、万里花 )

 

 

万里花「!」

 

 

千花( こんな所まで来るなんて…本当に子供って面倒よね )

 

 

千花( あなたの口から言うのよ、でないとあの子は聞きはしないわ )

 

 

万里花「……………っ」

 

 

万里花( ………悔しいですが言う通りにするしかありませんね )

 

 

万里花( ここで楽様に甘えてしまっては……楽様を危険に晒すことになりかねません )

 

 

楽「橘……!」

 

 

万里花「………何をしに来たのですか?一条さん」

 

 

楽「!」

 

 

万里花「私の結婚を止めに来たのですか?どうしてそんな酷いことをなさるのでしょう」

 

 

万里花「あぁ、もしかして私がこの結婚を強いられているとお思いで?だとしたら誤解ですわ」

 

 

万里花「私はもうあなたのことなんて微塵も興味ありませんから」

 

 

万里花「お引き取りを。せっかくあなたに見切りをつけて真の幸せを手に入れようとしているんです、これ以上邪魔しないでください」

 

 

楽「…………」

 

 

楽「そうか、ならいいんだ。お前が幸せってんなら何も問題ないし、オレにはとやかく言う資格はねぇよ」

 

 

楽「でも、だったらもう少し幸せそうな顔して言え」

 

 

万里花「!」

 

 

楽「確かにオレは、今までお前のアプローチを断ってばかりだった」

 

 

楽「あげく、一度はフろうとまでした」

 

 

楽「でも契約のことを聞いて、お前が人生を賭けてまでオレを好きでいてくれてたって知って…」

 

 

楽「”お前の気持ちに本気で応えたい”って思ったんだ」

 

 

万里花「!」

 

 

楽「………こんなの遅すぎるよな。でもこれは、オレが真剣に思ったことなんだ」

 

 

楽「お前がオレのためにやってきたことは、オレが全て受け止めてやる!」

 

 

楽「今までの分、まとめて引き受けてやる!」

 

 

楽「約束するよ、橘」

 

 

万里花「楽様………」

 

 

万里花「すごく嬉しいです……楽様がそこまで私を大事に思ってくださるなんて ………」

 

 

万里花「でもダメなんです、私は楽様にそんな事をしていただく資格がありません」

 

 

楽「え……」

 

 

万里花「だってこれでは、私が契約をタテに楽様の気を引いているようなものじゃないですか」

 

 

万里花「楽様の優しさにつけこんで、貰ってもらおうとしているようなものじゃないですか」

 

 

万里花「それは自分に対しても、楽様に対しても失礼です」

 

 

万里花「私は勝手な都合で自分の人生を賭け……そして負けたんです」

 

 

万里花「そこに同情の余地などありませんし、こんな形で楽様と結ばれてしまっては私はただの卑怯者ですから…」

 

 

楽「卑怯なんかじゃねぇ!」

 

 

万里花「⁉︎」

 

 

楽「人生賭けて誰かを好きになれることの何が悪いんだよ!何が責められなきゃいけねぇんだよ!」

 

 

楽「本当に卑怯なのは、そんなお前の真剣な気持ちから目をそむけ続けてきたオレのほうだ!」

 

 

楽「お前はいいんだよ気にしなくて!いつもみたいに堂々としてろ!」

 

 

楽「もしお前を責めるようなヤツがいたら、オレが許さねぇ!」

 

 

万里花「あ………」

 

 

楽「だから橘…こんなオレだけど、もう一度だけ信じちゃくれねぇか」

 

 

万里花( ………… )

 

 

万里花( これが、楽様の答え……… )

 

 

万里花( もう楽様には会う事すら叶わないと思っていた )

 

 

万里花( ましてや、こんな答えが聞けるなんて… )

 

 

万里花( 嬉しい、すごく嬉しい………… )

 

 

万里花( あとは私がどうしたいか…ですわね。でも、ここまで来たからには決まってますわ )

 

 

スッ……

 

 

決意を固めた万里花。

彼女は被っていたベールを外し、結んでいた髪をおろし…

そして、いつものマリーゴールドの髪飾りをつけてこう言った。

 

 

万里花「楽様……私のこと、さらってくださいますか」

 

 

楽「!」

 

 

楽「………おう、任せろ!」

 

 

運命に抗い、未来を変えるため果敢に動いた楽と万里花。

その勇気に根負けした千花は、橘家を自らの代で終わらせる事を正式に取り決め…

 

 

千花「今の人間のためにならないしきたりなんて糞食らえよ」

 

 

千花「あとは、貴方の好きなようになさい」

 

 

万里花の自由を認めたことで、橘家のお家騒動はこうして幕を閉じるのだった。

 

 

それから数年後…。

 

 

 

 

 

楽「ふぅ…今日は思ったより早く帰ってこれたな」

 

 

ガチャ

 

 

楽「ただいま〜」

 

 

万里花「お帰りなさい楽様ー!」ビューン

 

 

楽「ぐおっ!急に抱きつくなって」

 

 

万里花「この後はどうされます?私にします?私にします?それとも……ワ・タ・ク・シ?」

 

 

楽「選択肢が無い⁉︎ご飯かお風呂は⁉︎」

 

 

万里花「一度言ってみたかったんです、こういうの♡」

 

 

楽「ったく、大人になってもお前は相変わらずだな……」

 

 

万里花「あら楽様、私がちょっと歳を取ったくらいで変わると思ったら大間違いですわ♡」ドヤァ

 

 

楽( なんでドヤ顔なんだ… )

 

 

万里花「それで…どうなさいます?ベッドの準備はできておりますわ!」

 

 

楽「いや、オレはフツーに風呂に入りたいんだよ…」

 

 

万里花「つれないですわね〜せっかく新婚ホヤホヤだというのに…」

 

 

楽「これが普通だろ、お前がトクベツ元気すぎるんだよ」

 

 

万里花「むー……」

 

 

楽「………って、昔のオレなら言ってたんだろうけど………」スッ

 

 

万里花「へ………?」

 

 

チュッ

 

 

楽「せっかくだし……今日はお前にしようかな、マリー」

 

 

万里花「あ、あわわ………」カァァ

 

 

ドウシタ⁉︎カオマッカニシテ…

ラックンノバカーーーー!

ウワッ!ナンダヨオマエカラサソッテキタクセニ!

キュウニタイドカエラエテモコマルバーーーーーイ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

原作では描かれなかったもうひとつのニセコイ物語は、これにておしまい。

楽と万里花の新しい生活は、これからも続く…続くったら続く!

 



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