ウチのキャラクターが自立したんだが   作:馬汁

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61-ウチのキャラクターと俺の姉弟の真実

 やはり、彼女はアンドロイドだった。

 

 この事実が本人の口から告げられた私は……、作られたにしては、なかなか精巧な作りをしている。とだけ感じた。

 それ程驚く事じゃない。

 

 人の手が作る人間なんて、必ず何処かで違和感が生まれる。絵画で描き写すのはともかく、その形状を忠実に、しかも人間と同じように動けるよう再現するというのは無理がある。

 

 正確に人間を再現する特殊な方法があるのか、あるいはそれだけメチャくんの執念があったと言うことか。この()()()の姿は、限りなく人間……エルフの姿に近かった。

 

 ただ、彼女の姿がどう見えようと、変わらない事実というのが1つある。

 それは、生きる者の死という事実は絶対である故に、彼女はハルカであることはあり得ないという事だ。

 目の前のアンドロイドから告げられたハルカの死が、嘘でない限りは。

 

「キミは、メチャくんの手によって蘇った。というワケではないんだろうね」

 

「はい、私がハルカ様自身だと断定する事はできません。少なくともこの”データ“を、記憶として認識出来ない内は……」

 

 本人でなくとも、記憶を植え付けられた人は、その記憶を自分の物として認識するのだろうか。

 少なくとも彼女にとっては、そうする事が出来なかったようだった。

 

「それにこの記憶は、マスターによって植えつけられたもの。彼の知らない姉は、私の中には存在しないのです」

 

「その人の魂を引き継ぐでもしない限り、全ての記憶を遺すのは不可能か。……それで、その事実が今のキミの目的と関係が?」

 

「はい」

 

 彼女が頷いて、私の方を見る。別のアンドロイド達とは違う、感情の宿った瞳が私の顔を映す。

 雰囲気が変わったと、ぼんやりと感じた。

 

「私は、当時の感情を理解すべく、この記憶データを計4827回再生し、両名の感情を分析しました。……そこから得られた結果は、確信と呼ぶには不確実でしたが」

 

「その結果ってのは?」

 

「はい。……恐らく、ハルカ様は“後悔”していたのだと思われます」

 

 後悔。

 よりにもよって、負の感情の類か。これじゃあまるで亡霊みたいだ。

 確かにそう言った感情は表に強く出やすい。満足すれば後悔など残らないだろうが、体が不自由ともなれば、満足とは程遠い人生となるかもしれない。

 

「“私は、メッチーの姉として在る事が出来なかった”

 

 ハルカ様は、どのような理由があったとしても、例え『罰ゲーム』という権利があろうと、ハルカ様は決して、病に由来する物事にマスターを関わらせぬよう、行動していました。

 

 例え病によって倒れようと、マスターに心配を掛けぬよう努めていました。

 

 マスターの身の回りで何かが起きれば、ハルカ様の身体が耐える限り、マスターを支えていました

 

 そしてその他の、彼女の行動を顧みるに」

 

 

 

「ハルカ様は、弟を守る姉で在りたかったのです」

 

 ……ああ。たった今確信した。さっき思ったことは間違いじゃなかった。

 このアンドロイドは、メチャくんによって作られた、正に『亡霊』だ。

 ハルカでも、姉でも、なんでも無かったのだ。

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

「ここも……居ない」

 

 メチャちゃんくんが目星をつけていた所にやってくるが、誰もいない。深夜だから誰かが居る事の方が珍しいのだが、目的のハルカの姿が見当たらないことに、メチャちゃんくんは気を落ち込ませる。

 

 時計塔や、近所の広場。とっくに閉まっているお店なども探したのだが、モチロン見つかることはない。

 ハルカは今、ケイと共に行動している。それを知っていて、こうして歩き回ると言うのは、どうしてもナンセンスに思えてくる。

 

 弓矢を番えて敵に備えていた俺も、一向に出番がやってこない。

 モチロン出番がない方がいいし、足音や英語の話し声が聞こえればそれを避けるように遠回りしていたから、それも当然なのだが。

 敵の殲滅はケイの仕事だ。

 

「……」

 

 さて、次はどこに行く? 

 そう思って、周囲を警戒する態勢を解いてメチャちゃんくんの方に向く。

 

 しかし彼の様子を見て、俺は……思わず口を開いた。

 

「……どうしたんだ?」

 

 その声が相手に聞こえないと知っていても、言葉を零してしまう。

 彼はベンチに座って、下を向いている。

 歩き疲れたようには見えない。探す気力がなくなってしまったのだろうか。

 

 俺はどうしようかと思ったが、1人だけでずっと警戒するのもなんだ、と判断して彼の隣に座る。

 

 

「……最近、姉さまの様子が変なんだ」

 

 お互い無言でじっと座っていると、ふとメチャちゃんくんが話し出す。

 姉の話か。俺は彼の方を見る。

 

「今みたいに突然何処かに行っちゃうのは、最近になって多くなった」

 

『理由は察しているのか?』

 

「……分からない。そうなる前は、普通に生活してたよ。ゲームしたり、話したり、一緒にお買い物したり」

 

 だったら、外に出たい気分だったんじゃないのか? 買い物しか外出の機会が無いわけじゃないだろう。

 しかし、弟に何も言わないと言うのは変だ。そうなると何か特殊な事情が──

 

 

 ──ああ、なるほど。

 

 ハルカには、メチャちゃんくんには明かせない理由があって、そうしているんだろう。

 俺が見た、あの倉庫の時を思い出した。

 

 彼女の腕にあった傷は、枝や葉に引っ掛けて出来たようなものではない。

 モンスター、あるいは奴らによるダメージだったのだろう。

 

 彼女は何かしらの目的でモンスターと戦っていた。

 しかし、敵と戦いに出かける事を秘密にするワケとは……。

 

 

 いや、逆だ。メチャちゃんくんが、ハルカの行動を許していないのだ。そしてハルカは、許されない事を知っているから彼に何も言わない。

 この場合、メチャちゃんくんの方に何か事情があるのだろう。

 

 例えば、彼女が自由に行動する事で何か不都合が生じるとか……。

 ……身体が心配だから外で行動させたくない、とか? しかしそれは現実での話だ。この世界では関係がない。

 そもそも彼女はアンドロイドだから……。

 

 

 ……ああ、考えてもわからない。

 そもそも、隣に本人が居るのだ。直接聞いてしまった方が早い。

 

『逆に、どうして連れ戻したいんだ?』

 

「え? えっと……心配なの! 姉さまに何かあったら大変だし……」

 

 はあ、心配……。そこまで気にかける必要はないと思うのだが。

 ハルカがアンドロイドだろうと本物だろうと、病だとかそういうしがらみとは程遠い身体なのだ。

 

 しかし、無用な心配だと思う一方で、この子はそういう理屈ではなく感情的な行動原理で動く子なんだろうと理解した。

 ロボットだから怪我の心配はなく、直せば良いだとかではない。死んでリスポーンできるからではない。

 

 この弟は、単純に言えば姉の身を守りたいだけなんだろう。

 

 

「……ただ、姉を強引に家に引き止めさせる弟もそうだが、何も言わずに危ないことする姉も姉だよな……」

 

 アンドロイドだからそういう危機感に疎いのか、それとも理解した上で何も言わなかったのか。

 

 ……とにかく、この依頼を完遂しよう。

 その為には、ハルカの“秘密の用事”が終わるのを待たなければいけない。

 

 こっちの方から首を突っ込んだとはいえ、手のかかる2人だ……。

 

『これからどうする?』

 

「ん……どうしよう」

 

 既に思いつく限りの場所を探し尽くしてしまったんだろう。

 俺の問いに、落ち込んだような声色で返してくる。

 

「……わかんない」

 

 そうか。

 まあ構わない。俺はメチャちゃんくんを護衛するだけだ。どこかへ連れて行く気はない。

 ……けど、何もするつもりも無いなら、安全なところに居た方がいいのでは無いだろうか。

 

『一度家に帰ってみるか』

 

「……」

 

 提案してみても、メチャちゃんくんは沈黙を続ける。

 眠りに落ちたわけでも無いだろう。彼の目はたしかに紙の上の言葉を読んでいた。

 

「……正に、手のかかる子供だな」

 

 家に帰る事に賛成ではない。

 ならば、やるべき事がまだあると思っているんだろう? 

 

 だったら、それは何だ? 

 

『まだやる事があるのか?』

 

「……姉さまがまだ見つかってない」

 

 だったら、探せばいい。

 俺は立ち上がって、メチャちゃんくんに手を差し伸ばした。

 

「……」

 

 だが、彼はその手を取らない。

 立ち上がる気配もなし。彼の目が俺の手を見つめるだけだった。まるで魂が抜けたような様子だ、と思ってしまう。

 

「……いいもん。“お姉さん”、壊れちゃったから────」

 

 

 

「────作り直せばいい」

 

 

「……ッ」

 

 動揺、驚きを通り越して、怒りが湧き上がる。

 この怒りのワケは一体なんなのか。それが分からないまま、俺は理性で抑えつける。

 

 頭を冷やすために、またベンチに座って目を閉じる。

 

 壊れた? 作り直す? 

 たとえアンドロイドだろうと軽々しく言って良い言葉じゃない……。

 

 しばらくすると隣で彼が携帯を操作し始める。一体何しているのだろうと、その様子を横目に見る。

 

 ピロピロという発信音が聞こえて、彼が携帯を耳に当てる。

 

「もうお姉ちゃんは探さなくて良いよ。家で待機」

 

 誰かと通話しているのだろう。もしかして相手はアンドロイドか、と予想しているうちに彼は電話を切ってしまった。

 

 メチャちゃんくんが発した言葉を察するに……もう、諦めてしまうということか? 

 ……そうか。

 

『どういうことだ』

 

「えへへ」

 

 通話を済ませた彼の目の前に俺の言葉を突き出すと、無感情な笑みとともに俺と向き合った。

 

 

「……あの()()()()()はね、ボクが作ったの」

 

「やはり……」

 

「あのアンドロイド達と殆ど同じ……。違うのは、人間を模した感情と、経験を基にした思考が出来ること」

 

 人間と同じような思考……たしかに、ハルカと話していて違和感は全くなかった。

 この世界におけるNPCも限りなく人間に近い言動をするし、実際見分けもつかない。

 

『経験?』

 

「嫌な思い出があれば、それと関係する事に嫌悪を示す。逆なら、それを好む。そんなプログラムだよ。だから、“記憶”が必要になる」

 

 記憶……それは、現実でのハルカの記憶という事か? 

 

「……ボクは、ボクが知る限りのお姉ちゃんを記憶領域に書き込んだ。遺品を参考にしたりもした」

 

「遺品……ということは、やっぱり──」

 

「でもね、でも……! 出来上がったアンドロイドは全部、全部、“春花(ハルカ)”姉さまにはなれなかったの!」

 

 彼は突然声量を上げ、理不尽を吐き出すように言い放った。

 それでスッキリしたのか、また表情を笑顔にして、落ち着いた口調に戻る。

 

「だからね、郊外の倉庫に捨てたんだ」

 

 捨てた……? まさか、

 

「それは……ッ!」

 

 思わず声を上げ、彼に迫ろうとして……その時に、彼と目が合った。

 

「……?!」

 

 何故かは分からない。何も分からない。

 だが、その瞳がやけに恐ろしく見えて、息をハッと呑んでしまった。

 

 周囲の光源の配置が、そう見せているだけなのだろうか。

 彼の瞳に光が見当たらない。それが何故か、その奥底に理解できない何かがあるように思えて……。

 

「どうしたの? ソウヤにい」

 

「な…………んでも、ない」

 

「……??」

 

 喉から捻り出したような返事は、もちろんのこと彼の耳には届かず、首をかしげるばかりだった。

 

 

「まいっか。それでね、ボク、もう諦めようとおもうんだ」

 

 しばらく経ってか。俺の無言を大したことない事だと判断して、メチャちゃんくんがまた話し出す。

 

「1人目は、あんまりにも感情が無さすぎたから、分解した。2人目は、性格が全然違うから、捨てた。今までのを再利用して作った今の3人目は、性格も考え方も春花姉さまと同じだった。……けど、違かった。本人じゃなかった」

 

「違かった……?」

 

「そう! あれは全部演技だったの! 全部! ゲームしてくれる時の顔も! パズルゲームで負ける時だって! 全部全部演技だったの!」

 

 メチャちゃんくんが、再び感情を荒げて言葉を吐き出す。

 

「本当は、逃げたいって思ってるんだ! だから何時もボクの所から離れるの! 最初は体が不自由だった頃の反動かなって思ったけど、そうするとおかしいの! なんでボクと楽しそうにお話するの?! なんで一緒にゲームしてくれるの?! なんでいつも負けてくれるの?! どうしてあんなに楽しそうにするのに、離れちゃうの?! だったら、だったらやめちゃえば良いじゃん! ボクの事が嫌いならもう、もう……!」

 

 

「もうこんな家族ごっこやめてよ!!」

 

 

 ……情緒不安定とも取れるその言動を、俺はただ見つめることしかできなかった。

 

 無感情に話をするかと思えば、突如怒りを露わにして声を上げる。そうして落ち着くと、今度はまた怒りを見せる。

 その果てには……泣き出した。

 

 そう、泣いている。無言で、静かに涙を流している。

 ただ、自分は泣いてなどいないとでも言いたいかの様に、何も言わず地面を見つめている。

 

 今、紙で言葉を伝えようとしても、きっと俺の言葉に見向きもしないだろう。

 

 

「……家族ごっこね」

 

 俺の目にはそんな風に映らなかったのだが、本人がそう言うのであれば、きっとそうなのかも知れない。

 

 先程、メチャちゃんくんと広場で話していた時に抱いた、“家族を自分の手で作り出して、共に過ごして、どんな気分なのだろうか”という疑問。その答えが、見えた様な気がした。

 

 生まれた時からずっと一緒に居た家族。その複製を作り出したところで、それはオリジナルには成り得ない。

 どう作ろうと、2人目が生まれたからには、その存在は別々の物でしかない。

 だから、こうなってしまったのだろう。

 

 自分の知る()()()との差異に苦しんで……何時か、そこに居る人が誰なのかが分からなくなってしまう。

 

 きっと、───だって、二度と……。

 

 

「───いっ!」

 

「……あ、あれ、ソウヤ?」

 

 なんだ、この痛みは……? 頭の内側から引き裂かれるような……。

 重い、嫌悪感、苦痛だ。

 

 いや、違う。それだけじゃない。

 

 これは……。

 

「……!」

 

「えっと、どうかし───」

「───避けろ!」

 

【パァン】

 

 

 ───……ああ、やっぱり。

 奴ら、彼の大声に誘き寄せられて、俺たちを見つけてしまったのか。

 

 しかも、庇ったのは良いが……、

 

「っち……」

 

 まさか、こんな子供のHPよりも俺のHPの方が低いとはな……。

 一発だけでHPが……。は、しかも防具を着てコレか……。

 

 幸い、身体はまだ動くが……。弓を引く力も、銃を握る力さえも無い。

 メチャちゃんくんはまだ動けるだろうが、彼一人で反撃して生き残れるか……? いや、出来るかもしないが、確実じゃ無い。

 

「……そうだ、魔力を……」

 

 レーダーじゃ、範囲外の領域は感知できない。だったら、この魔力を利用してケイに見つけて貰わないと……。

 

「あ、あれ。ソウヤにい……?」

 

 目を閉じる。息を吸う。魔力を胸の内にあるのを確かめる。

 この力なら、HPとかいうシステムの影響を受けない。必要なのは、魔力と、意思と、想像……。

 でもそんな余裕はない。時間がない。だから、もう勢いに任せてやるしかない。

 

 視界が暗くなる。

 内にある魔力が動き出す。

 

 意識が朦朧とし始める。

 手を伸ばす。

 

 望む。願う。頼む。

 

 

 ……──。

 

「────『来てくれ』」

 

 

 ・

 ・

 ・

 

『技能スキル「魔力感知」のスキルレベルが上がりました。』

『技能スキル「魔力操作」を習得しました。』

 

 ・

 ・

 ・

 

 

「……あ」

 

 突如ボクを突き飛ばして、弾丸から守ったソウヤにいが、力なくボクにのしかかる。

 その直前に何処かへ手を伸ばしていたけど、その手はどこにも届かなかった。

 

「ソウヤにい……?」

 

 まさか、と思って名前を呼んだ。けど、返事はない。

 そもそも声を失っているという事を思い出して、けど彼は死んだという事を確信した。

 

「あ、銃……!」

 

 目の前の存在の死を、プレイヤーとしての死だと知っているから、あまり動揺しなかった。

 慌てる事はなく、ポケットの中に砲身を差す様にして仕舞っていた武器のことを思い出した。

 左手を動かして、なんとか銃のグリップを掴む。

 

 ソウヤの下敷きになっているボクは、彼の体のおかげで直接見つからずに済んでいる。

 

「“おい、撃ってもよかったのか?”」

 

「“知らん。だが煩かったんだ、別に良いだろう?”」

 

「“ま、俺たちの仕事は魔法陣の周囲の警備だからな。あんまりやりすぎんなよ”」

 

 え、二人……? 

 どうしよう、一人ならなんとか出来るかもしれないけど……。

 

「……」

 

「“ところで、二人目が見えた気がするんだが?”」

 

「”あー。……そいつもやるのか?”」

 

「“いや、多分ドワーフだ。殺すには勿体無いだろう”」

 

「“子供を手にかけたく無いってか”」

 

「“はっ、んなワケねえだろ。大体、見た目が子供っつっても老人かも知れねえぞ”」

 

 ……近寄ってくる。

 どうしよう、このままじゃ見つかる……そうだ、アンドロイド達にSOSを……でも、距離が遠いから、早くても一分になる。

 それに、端末機は右側のポケットに入ってるけど、ソウヤにいが重くて取り出せない……。

 

「“……おい、コイツ銃を持ってないか?”」

 

「“この鎧の奴か? ……マジじゃねえか”」

 

「“……やっぱり殺した方がいいな。コイツら、俺たちの動向を知っているかもしれない“」

 

「”二人とも殺すのか。ま、ドワーフがコイツだけって訳じゃないし、大した損にはなんねえか“」

 

 銃のハンマーを引く音が聞こえた。

 これじゃあ、長くとも数秒……。

 

 ……諦める? 

 

 その考えが、頭をよぎる。

 別に悪い考えじゃない。ボクが弾丸に貫かれて死んだところで、大した事にはならない。

 そもそも、ボクが大声を出したのが悪いんだ。そのせいであの人達を呼び寄せた……。ソウヤにいを死なせて、ボクだけ生き残るなんて、ずるいから……。

 

 そう思って、銃のグリップから手を離そうとした、その時……。

 

「”……なんだ、街灯が灯ったぞ? “」

 

「”いや、この辺りには街灯なんて……それ以前に、この光は街灯じゃないぞ?」

 

「“……空から?”」

 

 夜なのに、空に小さな太陽が現れた。

 

 あれ……。夜に、小さな太陽? 

 それってもしかして、あのドラゴンの騒動の時と似ているような……。

 

「“なあ、これは一体なんなんだ?”」

 

「“……おい、あっちを見ろよ“」

 

「”あ? 見ろって一体なに……を……“」

 

 

「ほら、来てやったよ、ソウヤ。……それと、馬鹿な弟さん」

 

 その声が聞こえた直後に、人が倒れる音が二人分、視界の外から聞こえた。




より良い展開の物語が書けそうだと直感する。
しかし具体的にどうすれば良いのか分からない。だから書き続ける。

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