ONEPIECE 空の王者が海を征す   作:魔女っ子アルト姫

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空の王者、猿山連合と遭遇する

「おおっ!!こりゃいいぜメリーの破損箇所がどんどん補修出来る!!おいレウス、もういっそのこと尻尾一本くれねえか?」

「おい、また確り生えて来る保証ねえんだぞ」

「痛いから嫌とかじゃないんですかそこは」

 

サルベージから帰還したルフィ達、3人が持ち帰ってきたのは確かに財宝自体はある程度はあったが当初の目的であった空島に関する情報は全く無かった。ゾロ達曰く船内は何者かによって既に荒らされており情報の欠片すらなかった。故にルフィが持ち帰ったスカイピアという名称が掛かれた地図のみが空島の情報となってしまった。

 

手掛かりも無くなり途方に暮れるナミを救ったのはロビンがマシラ達から失敬した〈ジャヤ〉という島のエターナルポースであった。マシラ自身がこの辺りを縄張りとしていると言っていた為拠点としている島だと判断したが行く宛も無い為その島で情報収集をする事となった。到着した島は荒くれ者共が集う島、そこら中に海賊船が停泊してい無法者の島。意気揚々と降りていくルフィとゾロを追ってナミが上陸し情報収集を担当する事となり残りのメンバーは居残りをする事となりレウスはウソップの船の修繕の手伝いをチョッパーやビビと共にする事となった。

 

「ちょっと打ち付けるのにコツ居るけどこれは木材よりも良い素材だぜ」

「良かったウソップ!これでメリーを直せて!」

「おうレウスもっと鱗とか頼むぜ!」

「はいはい……」

 

以前ワポルに食べられ簡単に修繕しただけの所へ打ちこまれていくレウスの鱗や甲殻、その甲殻をフレームにしながら木材と鱗を組み合わせて補修して行く。素材としてはかなり上等なリオレウスの鱗や甲殻を船の補修に使用する、ハンターが聞いたらかなり贅沢な使い方だと言われるかもしれない勢いで使っている。

 

「それにしても、メリー号も結構傷ついちゃってますねウソップさん」

「ああ。だから確り守ってやらねえとな……大切な仲間だからな」

「俺も守るぞウソップ!俺もメリー大好きだからな!」

「良くぞ言ったチョッパー!良し板!」

「へいっ!!」

 

元気に修理のお手伝いをするチョッパーはウソップの声と共に釘や板を差し出して行く。ビビは備品の補充、レウスは素材提供と見事に役割が出来ている。

 

「この先も旅は続きますし、船大工を仲間にする事も考えた方が良いじゃないですかね」

「船大工か……そりゃ良いな!俺なんかよりも船の修理が上手い奴がいたら心強いぜ!」

「ウソップより直すの上手い奴いるのか?」

「そりゃ居るよチョッパー、ウソップだって手先が器用だけど狙撃手なんだから」

 

次に加えたい仲間の目星が決まりルフィ達に今度相談してみようと話しているとルフィ達が帰ってきた、がルフィとゾロは全身に怪我を負い血まで流していた。傍を歩いているナミには怪我は無いようだが酷く不機嫌そうだ。

 

「お、おいルフィにゾロ一体如何した何があったんだぁ!?」

「ど、如何したんですかその怪我!?い、急いで手当てしないと!!私治療道具持ってきます!」

「い、医者ぁぁぁっ!!!?」

「「いやチョッパーお前が見ろよ」」

「ああそうか俺医者だ!!」

 

名医なのだが天然なせいかこういった時慌てる我らが船医。もう少し落ち着いて頂きたい物だ。どうやら海賊に絡まれただけらしいルフィとゾロの治療を開始した所二人とも見た目は派手だが怪我的には大した事は無い物ばかりなそうだ、二人の回復力なら直ぐに治ると断言したが、ある意味一番重傷な患者はチョッパーでも治療出来なかった。

 

「何よあんな奴ら!!男なら喧嘩全部買ってぶっ飛ばしちゃえばいいのよ!!いいえこんな町いっその事焼き払ってやるぅ!!」

「ナ、ナミさん落ち着いてください!!?流石にそれは拙いですって!!?」

「なんでナミちゃんが一番荒れてんの?」

「さあ?」

「レウスゥ!!アンタちょっと変身してこの町焼き尽くして来なさいよ!!」

「いやなんでだよ、落ち着きなよナミちゃん……」

 

訳を聞くと空島に関する情報を収集しようとしたところ酒場では大笑いされ自分たちの海賊のあり方さえも馬鹿にされた、相手は懸賞金5500万のベラミーと言う海賊だった。ナミはやり返せば良いと言ったのにルフィとゾロは全く相手にせずに一方的にやられ続けたと言う。

 

「ねえ腹立つでしょ!!?」

「確かにね、でもどうせ取るに足らない雑魚の言葉なんてさ」

「ナミさん言わせたい人には言わせて置けばいいのよ、それに夢を追い求める心は必要よ。だって私がそうなんだもん」

 

ナミは何所か収まりきらないが僅かに怒りを納めた、夢を求めて何が悪い。人には人の考え方がある、自分の事を否定する奴の言葉など無視し続ければ良い。そんな奴らは殴るのも斬るのにも値しない、ルフィとゾロはそのベラミーと言う海賊を既に格下、攻撃する価値すらない海賊として捉えていると教えられると溜息を付きながら気にしない事にしようと結論付けた。

 

「随分賑やかだったけど、何かあったのかしら航海士さん?」

「ロビン、あんた買い物に行ってたの?」

「ええ。服と情報ね、それとはい船長さん」

「おっ地図か?」

 

ロビンが手渡したのはこの島、ジャヤの地図。今いる町、モックタウンの対岸には×印が記されている地点が合った。

 

「そこにはジャヤのはみ出し物がいるらしいわ、夢を語り町を追い出された男。名前はモンブラン・クリケット、話が合うんじゃないかしら?」

「ふーん……まあこの町で情報収集するよりもマシかもね……よし皆行くわよ!!」

「よ~し出航だぁっ~!!!」

 

モックタウンを出航し東へと進路を取る、島をぐるりと回っていくように船を進めて行く何処か見覚えがあるような船が姿を現した。マシラのビクトリー・ハンター号に良く似た作りと大きさの巨大帆船がゆく手を遮るように姿を現し、そこからマシラと同じように人間とは思えぬような風貌、サルのような大男が姿を見せた。

 

「オウオウ、兄ちゃん兄ちゃん何処行こうってんだ?ここらの海は俺たちの縄張りなんだぜ」

「縄張り?なんかマシラみたいな事言ってねえかあいつ?」

 

ウソップが思わずそう呟いた、確かにサルベージ王マシラもここらの海は縄張りだと述べていた。同じ海を縄張りにして居る別々の海賊団、同盟でも組んでいると言う事なのかと思っていると大男ことショウジョウがそれに気付きこちらに向かって声を出す。

 

「何だおめえら兄弟と会ってるのか」

「(レウスお願いね!ルフィ余計な事言ったらご飯抜きよ!!)」

「(なにぃ!?わ、解った黙ってる!)」

「(この手に限るわ)」

「あははは……あ、ああ。サルベージをする所を見学させて貰った身だ、見事な物と感心したよ」

「ウオッホホホホ、そりゃそうだ。兄弟のサルベージはすっげえからな、俺もハラハラするぜ」

 

ショウジョウはマシラの事を褒められると我が身の事とのように嬉しそうに笑った。

 

「あいつは俺と兄弟でな、共にこの辺りを縄張りにしてる猿山連合だ。んでおめえらこの島を出て行くのか?」

「いやこの先にいるモンブラン・クリケットと言う方に会いに行くんだ」

「何、おやっさんに?おやっさんに何のようだ?」

 

この先にいるというはみ出し物の名前を出すとショウジョウを始めとした部下たち全員が反応した、しかもおやっさんとその男を呼んでいる辺りなにやら関係性があるのではないかとビビは思い慎重に交渉しようとレウスに言う。

 

「実は俺たちは空島へと行きたいんだ。記録指針が空に奪われてしまってな、それでそのモンブラン・クリケットさんに話を聞きたいんだ」

「何空島……?ウオッホホホ面白い事言う兄ちゃんじゃねえか!良いだろう連れてってやろうじゃねえか!」

「えっ良いのか?」

「勿論だ。一瞬断られるんじゃないかとハラハラしたぜ。そんな夢を追い求める奴を放ってはいけねえな、さあ野郎共おやっさんの元へ船をだせぇ~!!」

『へい園長(ボス)!!』

 

三度交渉に成功しレウスはナミとハイタッチをする。これで少しでも空島へ手掛かりを得れれば良いのだが……。

 

そう思いながら船を進めるメリー号を他所に、世界中の各地にニュースを運ぶニュース・クーが近場を通り過ぎて行った。その鳥が抱えるニュースの中には手配書も存在しその中に、今話題の海賊たちの現状が示されていた。そして……間もなく麦わら海賊団は自分達が置かれている現実を知る事になる。


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