遊戯王GX 転生したけど原作知識はありません   作:ヤギー

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VSレッド生 1対5

「長らく時間が開きましたが、今夜第二戦目を執り行います。準備は出来ていますね」

「もう忘れてるのかと思ったよ。相手は誰?」

「ご要望通りの相手となっております」

「それならまあ、前回よりは楽になりそうかな」

「ご健闘を祈ります」

 

 

 

 それが今朝の会話。

 真夜中、湖沿いの開けた場所に私たちはいた。少し時間が経つと、対戦相手のオシリスレッドの制服を着た人物が到着する。

 オシリスレッドということは比較的に弱いってことで、前に要望した通りの相手だ。私は嬉しかった。案外沙夜は頼めば都合を聞いてくれると思い、次回以降のデュエルも楽できると喜んだんだ。さっきまでは。

 

「揃いましたね」

 

 足音が聞こえる。

 来たみたいだ。五人目のレッド生が。ずらりと並ぶレッド生たち。皆、腕にはデュエルディスクを装着している。それは見学者などは居なく、この中の全員がデュエルすることを意味していた。

 

「揃いも揃って覇気の無い顔ですね」

「いや、それは洗脳状態にあるからでしょ。可哀想に」

「取るに足らない低水準の凡愚どもに同情など必要ありません。早速デュエルを始めましょう。ルールは先程申した通りです」

「口が悪い。⋯⋯でもまあ、やらなきゃ終わらないし、仕方ないか。やるよ」

 

 ディスクを構えると五人のレッド生も私に倣う。沙夜の仕業で五人共、活力がなくなっていたけどデュエルしようとする意思はあるようだ。

 考えてみれば当然か。闇のゲームとなっているこのデュエルを自分からやりたがる人はいない。強制的にデュエルをさせるために彼らはこんな状態になってるんだから。

 沙夜はデュエル後の後始末は万全だと言っていた。後始末とはこの五人に対するアフターケアのことだ。このデュエルが終わると彼らはそれぞれのベッドに移動し、今夜起こったことを頭の中で夢として処理するようになってるらしい。

 つまりこの人たちを殺しさえしなければ、今回は丸く収まる。前のデュエルでわかったけど、ダメージを受けても痛いは痛いが案外死なないものだ。この人たちは完全に巻き込まれた被害者だけど、負けてあげるつもりはない。私だって痛い思いはしたくないのだ。

 

「デュエル! 私は後攻でいいよ!」

 

 ともあれ始めよう。

 一対五の変則デュエル。フィールド、墓地、ライフは別々で、ターンの順番は交互じゃない。それならば一人の私が先攻を取るのは愚策だ。先攻1キルや、ガチガチのロックを形成できるなら先攻もありかもしれないけど、相手は五人いるからそれは不可能に近い。後攻で相手の出方を見るのが良いと判断した。

 

「ドロー、モンスターとカードを2枚セット。ターンエンド」

 

レッド生1 LP4000 手札3枚

セットモンスター1枚

セットカード2枚

 

 普通。でも情報が分からないのは困る。

 

「ドロー。《豊穣のアルテミス》を召喚。カードを三枚セットしターンエンド」

 

レッド生2 LP4000 手札2枚

《豊穣のアルテミス》攻撃力1600

セットカード3枚

 

 これはパーミッションか。あのモンスターからして、カウンター罠を多用するデッキだろう。結構上級者向けのデッキテーマだけどレッドのこの人に使いこなせるのかな。

 なんにせよ伏せ3枚は怖い。

 

「ドロー。モンスターとカードをセット。ターンエンド」

 

レッド生3 LP4000 手札4枚

セットモンスター1枚

セットカード1枚

 

 シンプル。

 

「ドロー。《電動刃虫》を召喚。《団結の力》を発動《電動刃虫》に装備し、カードをセットしてターンエンド」

 

レッド生4 LP4000 手札3枚

《電動刃虫》攻撃力3200

装備魔法《団結の力》

セットカード1枚

 

 デメリットがあるとはいえ、攻撃力は高いな。あのモンスターは気をつけないと。

 

「ドロー。行くぞ」

「セットカード《光の護封壁》発動」「チェーン、セットカード《スケープゴート》発動」「チェーン、セットカード《ウィジャ盤》発動」「チェーン、《サモンチェーン》発動」「チェーン、セットカード《積み上げる幸福》発動」

「えっ? えっ?」

 

 いきなりどうしたんだ?

 皆、同じような口調とテンションで、示し合わせたかのように台詞を重ねて言い出した。口を挟む間もない。

 とりあえずはチェーン処理の行く末を見よう。

 

「チェーン4以降に発動された《積み上げる幸福》の効果で2枚ドロー」

「チェーン3以降に発動された《サモンチェーン》の効果で、このターンの通常召喚権が三回までになる」

「《ウィジャ盤》が発動される」

「《スケープゴート》の効果で羊トークンを4体特殊召喚する」

「ライフを3000払い発動する。《光の護封壁》の効果で相手は支払ったライフ以下の攻撃力を持つモンスターでは攻撃できない」

 

 ああ、やっぱり《ウィジャ盤》って言ってたんだね。

 

「《マシンナーズ・ソルジャー》を召喚、召喚成功時手札から《マシンナーズ・スナイパー》を特殊召喚。《マシンナーズ・ディフェンダー》を召喚。《督戦官コヴィントン》を召喚」

 

《マシンナーズ・ソルジャー》攻撃力1600

《マシンナーズ・スナイパー》攻撃力1800

《マシンナーズ・ディフェンダー》攻撃力1200

《督戦官コヴィントン》攻撃力1000

 

 《サモンチェーン》を使ったのはこの人だ。

 

「《督戦官コヴィントン》の効果発動。自分フィールドの《マシンナーズ・ソルジャー》《マシンナーズ・スナイパー》《マシンナーズ・ディフェンダー》を墓地に送り、デッキから《マシンナーズ・フォース》を特殊召喚。ターンエンド」

 

レッド生5 LP4000 手札1枚

《督戦官コヴィントン》攻撃力1000

《マシンナーズ・フォース》攻撃力4600

 

 長いようで短かった相手ターンが終わり、今度は私のターン。ここでしっかり展開できないと次の相手ターンでその物量に押しつぶされる。

 状況を整理しよう。まずはわかりやすいことから。

 四番目と五番目だ。さっきのチェーンで《スケープゴート》と《サモンチェーン》を使ったのがこの二人。《団結の力》が装備された《電動刃虫》の攻撃力は今6400。《マシンナーズ・フォース》の攻撃力は4600で、どちらも脳筋。驚異ではあるけどセットカードがない分、個人別としてはわかりやすい。

 続いて三番目。《ウィジャ盤》を発動したのがこの人だ。まだなんとも言えないな。

 一番目の人は《光の護封壁》を貼った人だ。攻撃を制限することで他との連携を狙ってるのかもしれない。

 そして私が一番厄介だと思うのが二番目の人だ。三枚の伏せカードの内、一枚は《積み上げる幸福》だったけど、まだ二枚残ってる。きっとどっちもカウンター罠のはずだ。そのカードによってはこのターン、私はなにもできずに終わるかもしれない。

 まとめると、相手の中で一番怖いのは、バカみたいな攻撃力のモンスターではなく、特殊勝利カードの《ウィジャ盤》でもなく、未知数のパーミッションだろう。場合によっては、今の時点でもう詰んでいる可能性だってあるのだ。

 

「私のターン、ドロー」

 

 試しに動くか。もしかすると、ありもしない脅威にビビってるだけかもしれないし。

 

「私は魔法カード《闇の誘惑》を発動! デッ——」

「カウンター罠《魔宮の賄賂》を発動。相手が発動した魔法、罠の効果を無効にして破壊。相手は1枚ドローする。そして《豊穣のアルテミス》の効果発動。俺は1枚ドローする」

「あ、うん。ドロー。じゃあ魔法カード《封印の黄金櫃》を発動するよ」

「カウンター罠《神の宣告》ライフを半分にして、そのカードの効果を無効にして破壊する。《豊穣のアルテミス》の効果で1枚ドロー」

「いいよ」

 

レッド生2 LP4000→2000

 

 儲けた。《豊穣のアルテミス》の効果で得できるとはいえ、やっぱりレッドだ。マストカウンターの見極めがなってない。手札が6枚で次ターンが怖いけど、彼の伏せカードはなくなったし、このターンに限っては動きやすくなった。

 もうちょっと進んでみよう。

 

「《魔界発現世行きデスガイド》を召喚、効果でデッキから効果を無効にして《クリッター》を特殊召喚する」

 

《魔界発現世行きデスガイド》攻撃力1000

《クリッター》攻撃力1000

 

「魔法カード《儀式の下準備》を発動する。デッキから儀式魔法《善悪の彼岸》とこれに記された《彼岸の鬼神ヘルレイカー》を手札に加える。そして《善悪の彼岸》を発動。フィールドの2体のモンスターをリリースして《ヘルレイカー》を儀式召喚!」

 

《彼岸の鬼神ヘルレイカー》攻撃力2700

 

「《クリッター》が墓地に送られたことで効果発動! デッキから《彼岸の悪鬼ファーファレル》を手札に加える。さらに手札から《ファイアークラッカー》を捨てて効果を発動! 相手ライフに1000のダメージを与える! 一番右のそっち!」

 

レッド生1 LP1000→0

 

 まずは一人だ。あの人は《光の護封壁》でライフを3000消費していたからこれだけでトドメを刺せた。できればこのターンでもう一人いきたい。

 

「バトル! 《ヘルレイカー》で《豊穣のアルテミス》に攻撃! ダメージ計算前、《ヘルレイカー》の効果を発動! 手札から《彼岸の悪鬼グラバースニッチ》を墓地に送り、《豊穣のアルテミス》の攻守をその数値分下げる!」

 

《豊穣のアルテミス》攻撃力1600→600

 

「墓地に送られた《グラバースニッチ》の効果発動! デッキから《彼岸の悪鬼ガトルホッグ》を特殊召喚する!」

 

《彼岸の悪鬼ガトルホッグ》攻撃力1600

 

「《豊穣のアルテミス》を破壊! 超過ダメージで二人目撃破だよ!」

 

レッド生2 LP2000→0

 

 良かった。四人の中の誰かが手札誘発のカードを持ってたら防がれてたかもしれない。この段階で二人を倒せたのは大きいと思う。

 

「《ガトルホッグ》で《督戦官コヴィントン》に攻撃!」

 

レッド生5 LP4000→3400

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだよ!」

「この瞬間、《ウィジャ盤》の効果発動。《死のメッセージカード「E」》を魔法、罠ゾーンに出す」

 

保科優姫LP4000 手札1枚

《彼岸の鬼神ヘルレイカー》攻撃力2700

《彼岸の悪鬼ガトルホッグ》攻撃力1600

 

 大分手札が減っちゃったな。《ファイアークラッカー》の効果で次のドローもできないし。五人相手にまあまあ上手く立ち回れてるとは思うけど、後二ターンの間手札、フィールドの四枚で耐えなきゃいけないのは不安だ。全員即ターンエンドしてくれないかな。

 

「ドロー。魔法カード《二重召喚》発動。このターン、二回通常召喚できる」

「えっ?」

「《ゴブリン突撃部隊》を召喚。2体のモンスターをリリースして《ラピードラゴン》を召喚」

 

《ラピードラゴン》攻撃力2950

 

「ええっ?」

 

 《ウィジャ盤》のデッキにそれ? なんかコンボがあったっけ。

 

「魔法カード《振り出し》を発動。手札を1枚捨てることで、フィールドのモンスターを1体デッキの上に戻す。戻すのは《彼岸の鬼神ヘルレイカー》」

「あ、ストップ。伏せカード《彼岸の沈溺》発動! 《彼岸》モンスターを2体墓地に送りフィールドのカード3枚を破壊する! 破壊するのは《ラビードラゴン》、《電動刃虫》、《マシンナーズ・フォース》! さらに墓地に送られた《ヘルレイカー》と《ガトルホッグ》の効果発動! 《ヘルレイカー》の効果で《ウィジャ盤》を墓地に送り《ガトルホッグ》の効果で墓地から《彼岸の悪鬼グラバースニッチ》を守備表示で特殊召喚する!」

 

《彼岸の悪鬼グラバースニッチ》守備力1500

 

 これで脳筋モンスターは軒並み倒した。《ウィジャ盤》も壊し、後続モンスターもフィールドに残した。でももうジリ貧だ。

 

「ターンエンド」

 

レッド生3 LP4000 手札0枚

 

 それにしてもなんだったんだ、今のは。《ウィジャ盤》はブラフってこと? そういうのもあるんだね。まんまと騙されたよ。

 

「ドロー。《電動刃虫》召喚」

 

《電動刃虫》攻撃力2400

 

 またそのモンスターか。

 

「装備魔法《団結の力》発動。トークンに装備。装備魔法《魔導師の力》発動。2体目のトークンに装備。装備魔法《魔導師の力》発動。3体目のトークンに装備。そしてこの3体を攻撃表示にする」

 

《羊トークン》攻撃力0→4000

《羊トークン》攻撃力0→1500

《羊トークン》攻撃力0→1500

 

 これはやばい⋯⋯。後がないな。

 

「《電動刃虫》で《グラバースニッチ》に攻撃」

「⋯⋯まず《電動刃虫》のデメリット効果で私が1枚ドローする。そして墓地に送られた《グラバースニッチ》の効果でデッキから《彼岸の悪鬼リビオッコ》を守備表示で特殊召喚する!」

 

《彼岸の悪鬼リビオッコ》守備力700

 

「攻撃力1500の《羊トークン》で《リビオッコ》に攻撃」

「破壊された《リビオッコ》の効果で手札から《彼岸の悪鬼ファーファレル》を守備表示で特殊召喚⋯⋯!」

 

《彼岸の悪鬼ファーファレル》守備力1900

 

「攻撃力4000の《羊トークン》で《ファーファレル》に攻撃」

「破壊された《ファーファレル》の効果で攻撃権が残ってる《羊トークン》を除外する」

「フィールドを離れたことで《魔導師の力》は破壊され、モンスターの数も減りトークンの攻撃力は下がる。ターンエンド」

 

レッド生4 LP4000 手札2枚

《電動刃虫》攻撃力2400

《羊トークン》攻撃力4000→3200

《羊トークン》攻撃力1500→1000

《羊トークン》守備力0

装備魔法《団結の力》

装備魔法《魔導師の力》

 

 いよいよフィールドが空になってしまった。《電動刃虫》の効果でドローできたのは良いカードだけど、さすがにしんどいな。

 

「ドロー。永続魔法《機甲部隊の最前線》を発動。モンスターをセットしてターンエンド」

 

レッド生5 LP3400 手札0枚

セットモンスター1体

永続魔法《機甲部隊の最前線》

 

「私のターン。《ファイアークラッカー》の効果でドローフェイズはスキップする」

 

 容易にトドメをさせるからといって、使うべきじゃなかったかも。《電動刃虫》の効果がなかったら、なにもできないで終わってたよ。ホント辛い。

 

「私は《憑依するブラッド・ソウル》を召喚!」

 

《憑依するブラッド・ソウル》攻撃力1600

 

「《ブラッド・ソウル》でガラ空きの君に攻撃!」

 

レッド生3 LP4000→2400

 

「このモンスターをリリースして発動! 相手のレベル3以下のモンスターのコントロールを全て奪うよ!」

 

《羊トークン》攻撃力3200→800

《羊トークン》攻撃力1000

《羊トークン》守備力0

 

 あの二種の装備カードは使用者のフィールドに依存するものだから、トークンがいなくなった分攻撃力も下がってしまう。

 

「全てのトークンを守備表示にしてターンエンド」

 

保科優姫LP4000 手札0枚

《羊トークン》守備力800

《羊トークン》守備力1000

《羊トークン》守備力0

 

 全員手札0枚。皆が皆、ジリ貧の状態だ。

 相手がレッドだからこうなってるんだろうと当たりをつけた。圧倒的に不利な人数差だったけど、相手の状況判断のミスやデッキの構成ミスが積み重なったおかげで互角の所で戦えているんだと思う。だからこのデュエル、私の勝機は相手のミスつけ込んで利用する所にあるのだ。

 

「ドロー、ターンエンド」

 

レッド生3 LP2400 手札1枚

 

 ほら、回せないくせに《ウィジャ盤》と上級ビートダウンを混ぜるからそうなるんだ。確かに意表は突かれたけど、メリットはそれしかない。

 

「ドロー。魔法カード《強欲な壺》発動。2枚ドローする。手札を1枚捨てて装備魔法《閃光の双剣—トライス》発動。《電動刃虫》に装備する」

 

《電動刃虫》攻撃力2400→1900

 

 願ったりだ。《トライス》は攻撃力を下げる替わりに二回攻撃を可能にするカード。《電動刃虫》のデメリット効果が2回あるってことだ。《強欲な壺》には驚いたけど、流れは私に味方してる。

 攻撃して来い!

 

「《電動刃虫》で《魔導師の力》が装備された2体の《羊トークン》に攻撃」

「待ってた。トークンは破壊されるけど《電動刃虫》の効果で2枚ドロー!」

「ターンエンド」

 

レッド生4 LP4000 手札0枚

《電動刃虫》攻撃力3200

 

「ドロー。《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚。効果発動、デッキから《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加える。そしてセットモンスターを反転召喚」

 

《マシンナーズ・ギアフレーム》攻撃力1800

《マシンナーズ・ピースキーパー》攻撃力500

 

「《マシンナーズ・ピースキーパー》でトークンに攻撃。《マシンナーズ・ギアフレーム》でダイレクトアタック」

「ああああぁっ!」

 

保科優姫LP4000→2200

 

 忘れてた。これ闇のゲームだったんだ。レッド生が攻撃を食らっても全然反応がないから抜けてたよ。でも手札が2枚も増えたんだから安いものだ。

 

「《マシンナーズ・ピースキーパー》の効果でこのモンスターを《マシンナーズ・ギアフレーム》に装備。ターンエンド」

 

レッド生5 LP3400 手札1枚

《マシンナーズ・ギアフレーム》攻撃力1800

装備カード《マシンナーズ・ピースキーパー》

永続魔法《機甲部隊の最前線》

 

「私のターン、ドロー! 魔法カード《ダーク・バースト》発動、墓地から攻撃力1500以下の闇属性モンスターを手札に加える。私が加えるのは《魔界発現世行きデスガイド》! そして召喚! 効果でデッキから《魔犬オクトロス》を特殊召喚する!」

 

《魔界発現世行きデスガイド》攻撃力1000

《魔犬オクトロス》攻撃力800

 

「《トランスターン》発動! 《魔犬オクトロス》を墓地に送り、このモンスターと同じ種族、属性でレベルが1つ高いモンスターをデッキから特殊召喚する! 《メルキド四面獣》を特殊召喚!」

 

《メルキド四面獣》攻撃力1500

 

「フィールドから墓地に送られた《魔犬オクトロス》の効果発動! デッキから悪魔族、レベル8のモンスターを手札に加える! 加えるのは《仮面魔獣デス・ガーディウス》! そしてフィールドの《メルキド四面獣》を含む2体のモンスターをリリースすることで《デス・ガーディウス》を特殊召喚!」

 

《仮面魔獣デス・ガーディウス》攻撃力3300

 

「バトル! 《デス・ガーディウス》で《電動刃虫》に攻撃!」

 

レッド生4 LP4000→3900

 

「《電動刃虫》と戦闘したことで1枚ドローする! ターンエンドだよ」

 

保科優姫LP2200 手札2枚

《仮面魔獣デス・ガーディウス》

 

「《コアキメイル・ウォール》を召喚。ターンエンド。このとき手札の《守護神スフィンクス》を公開して《コアキメイル・ウォール》の破壊を免れる」

 

レッド生3 LP2400 手札1枚

《コアキメイル・ウォール》

 

 あのカードは自身をリリースすることで魔法の発動を無効にできるモンスター。場合によってはあのモンスターが痛い所に刺さることも考えられる。《デス・ガーディウス》を突破されたらその状況が近づくだろうな。

 

「ドロー。魔法カード《アームズ・ホール》発動。デッキの上から1枚墓地に送り、デッキから装備魔法を1枚手札に加える。《自律行動ユニット》を加え、このカードを1500ライフポイント払い発動。相手の墓地のモンスターにこのカードを装備し自分フィールドに特殊召喚する。《メルキド四面獣》を守備表示で特殊召喚。ターンエンド」

 

レッド生4 LP3900→2400 手札0枚

《メルキド四面獣》守備力1200

装備魔法《自律行動ユニット》

 

「ドロー。手札からレベルが8の《マシンナーズ・メガフォーム》を墓地に捨てて《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚」

「来たか。《マシンナーズ》の一番強い奴!」

 

《マシンナーズ・フォートレス》攻撃力2500

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》を《マシンナーズ・フォートレス》に装備。ターンエンド」

 

レッド生5 LP3400 手札0枚

《マシンナーズ・フォートレス》

装備カード《マシンナーズ・ギアフレーム》

永続魔法《機甲部隊の最前線》

 

「私のターン、ドロー!」

 

 ナイスドロー! 破壊耐性を持った《マシンナーズ・フォートレス》は厄介だけどこれでなんとかできそうだ。

 

「私は《スナイプストーカー》を召喚!」

 

《スナイプストーカー》攻撃力1500

 

「手札から《魔界発冥界行きバス》を墓地に送り《マシンナーズ・フォートレス》を選択して《スナイプストーカー》の効果を発動! サイコロを振り1か6以外が出たら破壊する。⋯⋯行け! ⋯⋯出目は4! よって破壊するよ!」

「《マシンナーズ・フォートレス》が破壊される代わりに装備カードの《マシンナーズ・ギアフレーム》を破壊する。そして《マシンナーズ・フォートレス》が相手モンスターの効果対象になったとき、相手の手札を確認して1枚捨てる」

「いいよ! 私の手札は《暗黒界の狩人ブラウ》のみ。よってこのカードが破壊される! ここで《ブラウ》の効果発動! デッキから1枚ドローし、相手によって破壊されたならもう1枚ドローする!」

 

 よし、逆手に取れた! まだまだ行く!

 

「《スナイプストーカー》の効果! 手札から《深淵の暗殺者》を捨てて《コアキメイル・ウォール》を選択してサイコロを振る! 出目は6! 破壊はされないけど、手札から墓地に送られた《深淵の暗殺者》の効果発動! このカード以外のリバースモンスターを墓地から手札に加える。私は《魔界発冥界行きバス》を手札に加え、また《スナイプストーカー》の効果を発動するよ! 《魔界発冥界行きバス》を捨て、《マシンナーズ・フォートレス》を選択してサイコロを振る! 出目は2! よって破壊する!」

「《マシンナーズ・フォートレス》が対象になったとき相手の手札を確認して1枚捨てる」

「私の手札は《暗黒界の龍神グラファ》だよ! よって効果発動! 《コアキメイル・ウォール》を破壊する! さらに相手によって破壊されたことで追加効果も発動! 私は唯一手札を持ってる君のその手札を確認する。そのカードがモンスターなら私のフィールドに特殊召喚できる! そのカードは《守護神スフィンクス》だよね。よって召喚!」

 

《守護神スフィンクス》攻撃力1700

 

「《マシンナーズ・フォートレス》が墓地に送られた場合、このカードを除外することで墓地から《マシンナーズ・メガフォーム》を特殊召喚する」

 

《マシンナーズ・メガフォーム》攻撃力2600

 

「バトル! 《デス・ガーディウス》で《マシンナーズ・メガフォーム》を攻撃!」

 

レッド生5 LP3400→2700

 

「《マシンナーズ・メガフォーム》が戦闘で破壊されたとき《機甲部隊の最前線》の効果発動。このモンスターよりも攻撃力が低く、同じ属性の機械族モンスターを特殊召喚する。《スクラップ・リサイクラー》を守備表示で特殊召喚」

 

《スクラップ・リサイクラー》守備力1200

 

「特殊召喚成功時、デッキから機械族モンスターを1体墓地に送る。《マシンナーズ・フォートレス》を墓地に送る」

 

 しぶとい。それにしっかりとチャンスを繋いできた。《マシンナーズ・フォートレス》は墓地からでも自身の効果で特殊召喚できる。しかもあれには相手の手札を捨てさせる効果の他に、戦闘破壊されたらカードを1枚破壊できる効果もある。《デス・ガーディウス》がいれば戦闘破壊は容易だし、向こうはそれを積極的に狙ってくるかもしれない。そうなれば《デス・ガーディウス》は効果で破壊され、私の守りが極めて希薄になってしまう。反面、相手は墓地の《マシンナーズ・メガフォーム》と《機甲部隊の最前線》で後に続いてくる。

 依然、負け筋はある。と言うよりあの人が勝ち筋を作ったんだ。ちょっと舐めてたかもしれない。

 

「《スナイプストーカー》で《スクラップ・リサイクラー》に攻撃。《守護神スフィンクス》で《メルキド四面獣》に攻撃。そしてメインフェイズに《守護神スフィンクス》の効果でこのカードを裏側守備表示にする。ターンエンド」

 

保科優姫LP2200 手札0枚

《仮面魔獣デス・ガーディウス》攻撃力3300

《スナイプストーカー》攻撃力1500

伏せモンスター(守護神スフィンクス)守備力2400

 

「ドロー。モンスターをセット。ターンエンド」

 

レッド生3 LP2400

セットモンスター1体

 

「ドロー。モンスターをセット。ターンエンド」

 

レッド生4 LP2400

セットモンスター1体

 

 この二人はもうあんまり気にしなくても良いだろうな。完全にほっとくのはまずいけど、後回しでいい。

 

「ドロー。手札のレベル8以上のモンスターである《マシンナーズ・カノン》を墓地に送り墓地から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚」

 

《マシンナーズ・フォートレス》攻撃力2500

 

 引いてきたか⋯⋯っ! 

 

「《マシンナーズ・フォートレス》で《デス・ガーディウス》に攻撃」

 

レッド生5 LP2700→1900

 

「戦闘で破壊されたとき《マシンナーズ・フォートレス》と《機甲部隊の最前線》の効果を発動。《マシンナーズ・フォートレス》の効果で《デス・ガーディウス》を破壊。《機甲部隊の最前線》の効果でデッキから《無頼特急バトレイン》を特殊召喚する」

 

《無頼特急バトレイン》攻撃力1800

 

「《デス・ガーディウス》の効果発動! デッキから《遺言の仮面》を《無頼特急バトレイン》に装備しコントロールを得る!」

「チェーンして墓地の《マシンナーズ・メガフォーム》の効果を発動。墓地に送られた《マシンナーズ・フォートレス》を除外してこのカードを特殊召喚する」

 

《マシンナーズ・メガフォーム》攻撃力2600

 

「《マシンナーズ・メガフォーム》でセットモンスターに攻撃」

「伏せモンスターは《守護神スフィンクス》。破壊される」

「ターンエンド」

 

レッド生5 LP1900 手札0枚

《マシンナーズ・メガフォーム》攻撃力2600

永続魔法《機甲部隊の最前線》

 

「私のターン、ドロー。墓地の3体の悪魔族モンスターを除外して《ダーク・ネクロフィア》を特殊召喚する!」

 

《ダーク・ネクロフィア》攻撃力2200

 

「バトル! 《ダーク・ネクロフィア》で《マシンナーズ・メガフォーム》に攻撃! 《ダーク・ネクロフィア》は破壊される!」

 

保科優姫LP2200→1800

 

「くぅっ! 《無頼特急バトレイン》で真ん中の人のセットモンスターに攻撃!」

「セットモンスターは《名工 虎鉄》よってリバース効果発動。デッキから装備魔法を手札に加える。加えるのは《戦線復活の代償》」

「それか⋯⋯」

 

 あのカードは自分フィールドの通常モンスターを墓地に送り、自分か相手の墓地のモンスターを蘇生させるカード。今の墓地の最高攻撃力は3300。仮に《戦線復活の代償》を使われたとしたら蘇生されるのは《デス・ガーディウス》だろう。私のライフは1800、とすると1500以外のモンスターは攻撃表示のままで相手にターンを渡せない。必ずしも次に通常モンスターをドローできるわけじゃないけど、《スナイプストーカー》で追撃はしない方が良いだろう。

 

「メインフェイズ、私は《スナイプストーカー》を守備表示にして、ターンエンド。このとき《ダーク・ネクロフィア》の効果発動。《マシンナーズ・メガフォーム》のコントロールを奪うよ」

 

保科優姫LP1800 手札0枚

《スナイプストーカー》守備力600

《無頼特急バトレイン》攻撃力1800

《マシンナーズ・メガフォーム》攻撃力2600

 

 全然事態が好転しない。その場凌ぎしかできない。それもこれも手札がないせいだ。それは相手もそうだけど、俯瞰的に見たら向こうは1ターンに3枚ドローできるわけだし、ターン経過するにつれて不利になっていくのを感じる。

 速く勝負を決めたい。でもその欲のままに動けば隙が生まれ負けるんだ。じっくり行こう。絶対向こうは隙を晒す。だってレッドだから。私の勝ち筋はそこにある。

 

「ドロー。魔法カード《浅すぎた墓穴》発動。自分と相手は墓地のモンスターを1体、フィールドに裏側守備でセットする。《守護神スフィンクス》をセット」

「私は《仮面魔獣デス・ガーディウス》をセット」

 

 良いぞ。《守護神スフィンクス》は怖いけどそれ以上のアドバンテージが私にある。

 

「ターンエンド」

 

レッド生3 LP2400 手札0枚

セットモンスター1体

セットモンスター(守護神スフィンクス)守備力2400

 

「ドロー。《ブラッドヴォルス》を召喚。装備魔法《戦線復活の代償》を発動。《ブラッドヴォルス》を墓地に送り、相手の墓地の《暗黒界の龍神グラファ》を特殊召喚」

 

《暗黒界の龍神グラファ》攻撃力2700

 

 来ちゃったか。《デス・ガーディウス》じゃないとはいえ辛い。

 

「《グラファ》で《無頼特急バトレイン》に攻撃」

 

保科優姫LP1800→900

 

「うぅぅっ」

「《無頼特急バトレイン》が戦闘で破壊されたことで《機甲部隊の最前線》の効果発動。デッキから《スクラップ・リサイクラー》を特殊召喚する。そして効果発動、デッキから《マシンナーズ・フォートレス》を墓地に送る」

 

《スクラップ・リサイクラー》守備力800

 

 ああ、きっつい。ダメージもだけどマシンナーズのコンボもだ。

 

「ターンエンド」

「エンドフェイズ時《無頼特急バトレイン》の効果発動。デッキから機械族、地属性、レベル10のモンスターを手札に加える。加えるのは《除雪機関車ハッスル・ラッセル》」

 

レッド生4 LP2400

《暗黒界の龍神グラファ》攻撃力2700

装備魔法《戦線復活の代償》

 

「ドロー。《スクラップ・リサイクラー》の効果発動。墓地の機械族、地属性、レベル4のモンスター2体をデッキに戻し1枚ドローする。《マシンナーズ・ソルジャー》と《マシンナーズ・スナイパー》をデッキに戻し1枚ドロー。そして《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚」

 

《マシンナーズ・ギアフレーム》攻撃力1800

 

「効果でデッキから《マシンナーズ・メガフォーム》を手札に加え、墓地の《マシンナーズ・フォートレス》の効果発動。手札の《マシンナーズ・メガフォーム》を墓地に捨てこのカードを特殊召喚する」

 

《マシンナーズ・フォートレス》攻撃力2500

 

「《マシンナーズ・フォートレス》で《スナイプストーカー》に攻撃。そしてメインフェイズ、《マシンナーズ・ギアフレーム》の効果でこのカードを《マシンナーズ・フォートレス》に装備。そしてカードを1枚セットしてターンエンド」

 

レッド生5 LP1900 手札2枚

《マシンナーズ・フォートレス》攻撃力2500

《スクラップ・リサイクラー》守備力1200

装備カード《マシンナーズ・ギアフレーム》

永続魔法《機甲部隊の最前線》

 

 万全って感じだな。あの守りを突破するのは骨が折れる。フィールドもそうだし、手札の《除雪機関車ハッスル・ラッセル》は直接攻撃されたときに特殊召喚できるモンスターだ。

 一人だけなんであんなに強いんだろう。

 

「私のターン、ドロー」

 

 おおっ? このカードは⋯⋯、いける!

 

「私はフィールドの全てのモンスターをリリースして《真魔獣ガーゼット》を特殊召喚する!」

 

《真魔獣ガーゼット》攻撃力0→5900

 

「このカードの攻撃力はリリースしたモンスターの合計値となる! そして墓地に送られた《デス・ガーディウス》の効果! デッキから《遺言の仮面》を《暗黒界の龍神グラファ》に装備してコントロールを得る! バトル! まずは《暗黒界の龍神グラファ》で裏側守備の《守護神スフィンクス》に攻撃して破壊。そして《ガーゼット》で《マシンナーズ・フォートレス》に攻撃!」

 

レッド生5 LP1900→0

 

 攻撃を受け、余波で倒れた。その姿を見て思い出す。

 3400は相当なダメージだ。生きてるだろうか。

 しばらく見てると、微かに動き直ぐに立ち上がった。さっきと変わらず虚ろな表情だ。多分、大丈夫だろう。

 

「私はこれでターンエンド」

 

保科優姫LP900 手札0枚

《真魔獣ガーゼット》攻撃力5900

《暗黒界の龍神グラファ》攻撃力2700

《遺言の仮面》

 

 まあ、何はともあれ山は越えた。ここからはもう戦後処理だろう。

 

「ドロー。カードをセット。ターンエンド」

 

レッド生3 LP2400 手札0枚

セットモンスター1体

セットカード1枚

 

「ドロー、ターンエンド」

 

レッド生4 LP2400 手札1枚

装備魔法《戦線復活の代償》

 

「私のターン、ドロー。《暗黒界の龍神グラファ》でダイレクトアタック!」

 

レッド生2 LP2400→0

 

「ターンエンド」

「エンドフェイズ時、セットカード《ウィジャ盤》発動。デッキから《死のメッセージカード「E」》をフィールドに出す」

 

保科優姫LP900 手札1枚

《真魔獣ガーゼット》攻撃力5900

《暗黒界の龍神グラファ》攻撃力2700

 

「ドロー。モンスターをセット。ターンエンド」

 

レッド生3 LP2400 手札0枚

セットモンスター2体

永続罠《ウィジャ盤》

永続魔法《死のメッセージカード「E」》

 

「私のターンドロー。《ダーク・アサシン》を召喚。このモンスターを墓地に送り効果発動! 相手フィールドの裏側表示のモンスターを全て破壊する! そして《グラファ》でとどめ!」

 

レッド生3 LP2400→0

 

 やっと終わったよ⋯⋯。今日はもう帰って寝よう。


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