幽香さんを赤面させたいだけの人生だった   作:棚の上からお餅

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注意:微エロ挟みます。
本当に『微』なので過度な期待はしないでね!















第2話 僕と花妖怪の愛情表現

「ふぅ、この向日葵も育ったなぁ。」

 

 朝方。まだ日も東から見えるか見えないかのギリギリのライン。

 俺はそんな時刻に、向日葵の手入れをしていた。向日葵の手入れと言っても虫をどけたり、水やりをしたりするだけである。

 

 向日葵はキク科の一年草で、日回りと表記されることもあり、また、ニチリンソウ、ヒグルマ、ヒグルマソウ、ヒマワリソウ、ヒュウガアオイ、サンフラワー、ソレイユとも呼ばれるそうだ。

 これは1週間前ほどに、幽香さんから延々と聞かされた話の中のごく一部。

 

 幽香さん、本当に向日葵とかの話になると長いんだよな。

 

 そう思いながら俺は向日葵に水をやる。

 水をやると向日葵は生き返ったかのように、葉を水滴を使って照らし出し、萎れたように見える茎を立たせた。

 そんな光景に少しばかり感動していると、後ろから声を掛けられた。

 

「あら、今日も早起き? お疲れ様。」

 

 そこにいたのは俺の彼女……幽香さんだ。

 幽香さんはまだ日が昇るか昇らないかの時間帯なのに、すでに日傘をさしていた。因みに俺の太陽は幽香さんだけである。

 

「おはよう幽香さん。 今日も綺麗だね。」

「そ、そんな訳な……朝から何言ってるのよ……」

 

 幽香さんはそう言うと、段々とリンゴのように頰を赤く染めて行く。

 

「あれ、幽香さん以外に照れ……」

「うるさい!」

 

 幽香さんはそう言うと、俺に殴りかかろうとしてくる。

 うん、知ってた。だって、これが幽香さんの愛情表現なのだから。

 

 俺は幽香さんの拳をなんとか体を反らして避ける。

 

「幽香さん、そろそろその愛情表現やめたほうがいい、よ!」

 

 迫り来る拳をまたなんとか避けると、俺はそう幽香さんに言うが。

 幽香さんは頰を赤く染めたまま、何の悪びれもないように言った。

 

「あら、慎二? 私の愛情表現に不満があるのかしら?」

「いや、なんか抱き着くとかそう言う大胆な……危なっ!」

「ふふふ、避けるの上手くなったじゃない。 嬉しいわ。 分かったわ、慎二、貴方の首に抱きついてあ げ る。」

「それ、俺死ぬやつだよね?」

 

 向日葵を踏まないよう足に全神経を、幽香さんに殴られないように目に全神経を注ぎながら、俺はそう幽香さんと会話する。

 こんな愛情表現みたいなので戦闘をするのは、これで7回目。

 7回目となれば、これの終わらせ方ぐらい学習する。

 

 幽香さんには……コレだ!

 

 俺は足に力を入れて、その場から少し跳ぶと幽香さんの背後へ回る。

 幽香さんは戦闘慣れしているのか、それに合わせて後ろへと向く。

 が、そんな事を気にせず、俺は幽香さんに飛びつくように()()()()()

 

「!?」

「幽香さん、隙ありだよ。」

「ふぅん慎二、貴方一体なにを…? あっ…だめ…そこは……だめぇ!」

 

 幽香さんの胸元へと飛び込んだ俺は、取り敢えず目の前の柔らかいものから目を離し、脇腹に手を伸ばし、刺激するように指先を滑らかに動かす。

 それと同時に幽香さんの体はビクンと跳ね、幽香さんの頰はますます紅潮する。

 

「んっ……ぁっ…ぁ…」

 

 それでも指を動かすのをやめない俺に、幽香さんは嫌そうな顔をしながらも、手を動かし行動で否定を表すことはしなかった。

 

(可愛い。)

 

 ハァハァと吐息を漏らす幽香さんに、そう感じた俺は更に指を動かす速度を上げた。

 それと同時に幽香さんの声のトーンも速さも上がる。

 

「あっ…くぅ…うっ…あっ…あぁぁぁぁぁ!」

 

 俺の指もそろそろ限界に達して来るのと同時に、幽香さんの声の調子もそろそろと言うのを出させていた。

 

「あっ……しん…じぃ…らめぇ……」

「あれ、幽香さん前より体力落ちたのかな?」

「ひゃっ…! し…しんじ……もうげんか…あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 絶頂に達したのだろうか、幽香さんの体は大きく跳ね、そして断末魔のような声を上げる。

 そこで俺はようやくこちょこちょを止める。焦点の合っていない幽香さんは、舌を出しかけていて少しエロかった。

 

 そしてようやく正気に戻った幽香さんは、真っ先に下を向いてプルプルと震えた。

 顔は耳まで真っ赤になっており、怒っているのか、照れているのか、分からなかった。

 

「こ…の………」

 

 顔を上げた幽香さんは傘を折り畳み、こちらへゆらりゆらりと歩いてくる。その歩いてくる姿はまさに殺人鬼のようだった。

 

「ゆ、幽香さん? さっきのはちょっとした冗談で……ほら、幽香さんだって喜ん「うるさぁぁぁぁい!」グボァッ!」

 

 幽香さんの鉄槌を喰らった俺は、そのまま後方に吹っ飛ばされてしまう。周りにいた要請はみな、怯えた顔をして何処かへと逃げて行った。そして、そんな吹っ飛ばされた俺に躊躇なく、幽香さんは更に近づいてくる。

 

 あ、これは終わったな。

 

 俺はそう思ってギュッと目を閉じる。

 最後にふと、手先に向日葵が当たるのが分かった。

 向日葵の花言葉……それは『私はあなただけを見つめる』。

 

 思いを伝えるのが少し苦手で、すぐ手が出ちゃうけど、本当は優しくてエロい花妖怪さん、俺は貴女だけを見つめます。なので、これからも末長くよろしくお願いします。

 

 俺は心の中でそう思い、意識を手放した。

 


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