骸の報告に最初に尋ねたのは、やはりツナであった。
綱吉「毛利小五郎…って、あの有名な?」
骸「えぇ。ご存知でしょうが、通称は“眠りの小五郎”と言いますね。先日も杯戸町で起きた事件を解決したのですが、その事件にとあるマフィアが関わっており命を狙われたのです」
獄寺「……骸、お前やけに詳しいな」
骸「当然でしょう。そのマフィアとやらはリボーンに命じられて、僕直々に動向を探っていた者達なんですから」
山本「あー、そういえばお前、最近までイタリアに居たもんな」
綱吉「成る程。骸が調べていたマフィアが、偶然にも毛利探偵の命を狙い始めたってことだね」
リボーン「まぁ、そういうことだ」
スカル「偶然にも程ってもんがあるだろ」
あまりにも偶然の言葉では済まされない程なご都合主義に最近はツナに並ぶツッコミ担当になりつつあるスカルがツッコんだ。
獄寺「んで?そのマフィアの名称は?」
骸「さぁ?覚えていません。覚える価値もありませんよ、あの腐れマフィア共は」
山本「ま、骸らしいわな」
綱吉「いや!でもそういうことは、もっと早く伝えてもらえるかな!彼が命を狙われ始めてからどのくらい経ったんだよ!」
骸「そうですね。かれこれ3週間ぐらいですか」
獄寺「ほぼ1ヶ月じゃねえか!何で黙ってた!」
骸「僕も黙ってるつもりはありませんでしたよ。リボーンに報告した際に、彼から黙秘命令が出されたんです」
綱吉「結局お前かよリボーン!」
リボーン「うるせぇぞ」
ドゴォッッ‼︎
綱吉「ブッッッ」
獄寺「10代目ぇーーーーっ‼︎‼︎」
凪「ボスっ!」
あまりにも理不尽な暴力を受けたツナを獄寺と凪が心配するが、雲雀はそれを無視して話を続けた。
雲雀「それで?赤ん坊は何で黙らせたの?」
ハル「あと、ハル達も呼ばれた理由を早く話してくださいっ!気になって気になって仕方ないんですーーっ!」
リボーン「決まってんだろ。任務の役割分担を考えてたんだ」
京子「役割分担?つまり誰がどの役割につくかってこと?」
リボーン「あぁ。理由はもう1つあるんだが、コイツは後で説明するぞ」
綱吉「痛たた。それじゃリボーンに骸、詳しい任務内容を頼むよ」
早くも復活したツナが改めて本題に入るよう言った。
骸「分かりました。今回の任務は“毛利小五郎とその周辺の人物の護衛”です」
了平「む?周辺の人物とはどういうことだ?狙われているのは毛利小五郎だけではないのか?」
骸「奴らにとっては、逆恨みとはいえ毛利小五郎1人の命では物足りない、といったところでしょうか」
リボーン「まぁ、それもあるがな」
獄寺「標的を消す際には周囲の人間も消すのがマフィアの常識ですからね」
綱吉「………納得はできないけどね」
京子「ツっ君………」
苦虫を噛み潰したような表情のツナに京子は心配しながら寄り添う。
リボーン「フン、相変わらず甘い奴だな」
風「彼らしくて良いではありませんか。私としては彼にはこのまま変わってほしくないですね」
スカル「じゃないと、あいつじゃなくなっちまうからな」
リボーン「………まぁ確かにな」
そんなツナに対して、元アルコバレーノ達がそんな会話をしていることに気づいているのは、
骸「クフフ。あのアルコバレーノ達に気に入られているとは。相変わらずボスは人誑しですね」
ランボ「骸兄もツナを気に入ってるくせに」
骸「うるさいですよ子牛」
山本「まぁまぁいいじゃんか。ここにいる皆、ツナが大事ってことで」
雲雀「………フン」
獄寺「まぁ、それに関しては同感だ」
ランボ「オレもツナのこと大好きだもんね!」
凪「私も、ボスのことを尊敬してる」
了平「オレも極限に沢田のことを気に入ってるぞーーーっ‼︎」
10代目守護者全員であった。そんなツナはと言うと、
綱吉「?皆どうしたんだ?」
京子「何かあったのかな」
ハル「さぁ分からないです」
………………………気づいてなかったりする。
リボーン「おいお前ら、そろそろ続けるぞ。とっとと進めたいんでな」
綱吉「分かった。骸、護衛する人物の説明を頼む」
骸「了解しました、ボス」
骸は答えると、懐から十数枚の写真を取り出し順に説明した。
骸「まずは当然ですが“毛利小五郎”。とある時期を境に、急に有名になった人物であり、今回狙われた張本人です。他に目立つ点といえば無類の酒好き、競馬好き。後、沖野ヨーコの熱烈的なファンですね」
ハル「はひっ。沖野ヨーコのファンってことはアイドル好きってことですか?」
骸が語った人物像にハルが疑問を口にした。
骸「えぇ。と言うより美女好きですね。依頼を受ける時も美人であるかどうか、依頼料の金額で決めることが殆どです」
獄寺「それだけ聞いてると、ただのおっさんだな。本当に名探偵なんだろうな?」
山本「でも、事件をかなり解決してんだろ?やっぱすげぇんじゃねえか?」
骸の説明に感想を述べる獄寺と山本だが、骸は次に進める。
骸「まぁ、それは置いといて、次に毛利小五郎の妻“妃英理”」
雲雀「………それって弁護士の?」
骸「ほぅ。君が知っていたとは驚きですね」
雲雀「これでも財団を設立する為に色々と調べてるからね。妃英理、通称“法曹界のクイーン”で弁護士としてかなり有能な人物だよ。実際、今のところ無敗だからね」
綱吉「へぇー、凄いですね」
京子「うん、同じ女性でもカッコいいって思うな」
ハル「はいっ、あこがれますっ」
雲雀が自分の知っている情報を話すと、そんな感想が飛び交った。次いで骸が補足説明をした。
骸「プライベートの方ですが、10年程前から毛利小五郎と別居しています。そして料理下手であり、これが別居の理由でもあります」
綱吉「別居?離婚じゃなくて?」
骸「えぇ。ですから戸籍上の本名は“毛利英理”ということになります」
山本「ふーん,色々あるんだな」
凪「あと料理下手って……意外」
獄寺「誰にも欠点はあるってことだな」
骸の説明に疑問を持つ者、感想を語る者。ちなみに獄寺はツナにも欠点はあると理解しているが、自身の忠誠には関係ないとしている。
骸「3人目は、毛利夫妻の娘“毛利蘭”」
了平「なんと!あの毛利蘭か⁉︎」
京子「お兄ちゃん知ってるの?」
骸が3人目の説明に入ると反応したのは了平であった。すると骸は半ば呆れながら言った。
骸「彼に続いて今度は貴方ですか
了平「うむ。まぁ奴がやっているのは、残念ながらボクシングではなく空手ではあるがな」
山本「へぇー、空手か。強いんすか?」
了「おう!空手の関東大会で極限に優勝してたぞ!」
骸「ちなみに電柱も壊したことがあります」
ランボ「スゴイんだもんね!」
イーピン「イーピン闘ッテミタイ!」
風「フフ、イーピンも心に火がつきましたか。かくいう私も、彼女の実力を一度でも見てみたいと思っています」
リボーン「よく言うぞ。お前にとっては大したことはないだろ」
獄寺「まぁ確かに、銃弾を素手で受け止める武闘家と比べたら誰でも大したことはありませんね」
綱吉「いや!なんで電柱壊したの⁉︎何が理由⁉︎」
ちなみに風は嫌味で言った訳ではなく本心からそう思っただけである。最も勝負になるとは微塵も思っていないが。拳銃やライフルの弾を交わすのも十分に凄いが、それを受け止めることのできる風にとっては大したことではないのである。
そして、ツナのツッコミは無情にも流された。
骸「さて、次が4人目なのですが………」
綱吉「何、どうしたの?」
骸「この少年なんですが………………」
骸が指差したのは眼鏡をかけた幼い少年であった。
作者「………………」
了平「どうしたのだ?極限に青ざめているぞ。」
作者「いや、また同じ過ち繰り返しちゃテッサ」
ランボ「テッサってなんだもんね?」
フゥ太「多分、彼が恐ろしくて口がまともに回らないんだろうね」
イーピン「デモソレ作者ワルイ‼︎」
作者「グサッ」
了平「極限にどうしたのだ‼︎」
フゥ太「8歳の女の子にツッコまれる。そんな大人にはなりたくないな」
ランボ「オレも。」
作者「うぅ次回の後書きの時、生きてられるかな」
フゥ太「まぁ、彼らに制裁を加えられることは死刑宣告に等しいからね。まぁガンバッテ」
作者「最後の部分が超棒読み‼︎まぁいいけど。それじゃ今回は3人にお願いしようかn了平「極限に俺も言いたいぞ!」…それじゃ4人で」
了平「よしっ、それでは行くぞ、極限に!」
了ライフ「次回もよろしくお願いします‼︎」