それではどうぞ。
場所は大きく移り変わり、大阪の改方学園。とあるクラスは転校生がやって来るとの事でいつも以上に賑やかである。
和葉「なあなあ平次、転校生ってどんな人やろなぁ」
平次「せやなあ。面白ければ何でもええで。」
和葉「は〜、相変わらずつまんないやっちゃな〜」
平次「なんやと、コラァ‼︎」
幼馴染である平次と和葉のじゃれ合いに、周囲の生徒たちは温かい目を向けている。彼らの行いは日常茶飯事の為、慣れているのであろう。
♪キーンコーンカーンコーン♪
担任「おはようさん!」
クラス全「おはようございます!」
すると彼らの担任が入って来た。生徒たちは既に席に着いている。
担任「早速やが転校生を紹介するで。入ってええよ!」
山本「はーい‼︎」
入って来たのは身長が高く、爽やかな印象の少年であった。
山本「俺、山本武ってんだ!好きなのは野球と剣!よろしくな!」
平次(ほぉー、オレと趣味が大体同じやんけ。あんま期待せえへんかったけど、仲良く出来そうやな………)
山本の自己紹介を聞いた平次は仲良く出来そうだと思った。
担任「それじゃ、山本の席は服部の隣になってもらおか。ええか服部、山本」
平次「オレはかまへんで」
山本「俺も問題ないっすよ」
担任「よし、それじゃ頼むわ。今日は他には報告はないからここまでにしとこか。皆、山本と話したいやろ?勿論、先生もやがな」
生徒A「流石先生、分かっとるなあ!」
生徒B「お?もう服部は声かけとるで」
そう、先生に言われた通りの席に着いた山本に、既に平次は声をかけていた。
平次「オレは服部平次ゆうもんや。これからよろしゅうな」
山本「ああよろしく!服部って結構フレンドリーなのな。大阪には1人で来たし、知り合いもいねえから助かったぜ」
平次「なんやと?1人で来た?知り合いがおらん?親はどないしたん?大体なんでこの時期に転校して来たんや?」
山本「俺さ、並盛って所から来たんだ。親父は寿司屋だから、あそこから離れらんねえしな」
平次「ますます分からへん。なんで大阪に来たんや?転校する理由がないやんけ。ちゅーか、実家が寿司屋ってスゴイな………」
平次の疑問に教室内にいる全員が頷いた。今までの山本の話では、転校する理由にはならない。そして、山本の実家が寿司屋と聞き、全員が羨ましがった。
山本(やっぱ、そうくるよなー。流石は大阪を代表する高校生探偵ってトコか。んじゃ、あれを使うか………)
すると山本は平次を始めとした全員に理由を語った。
山本「俺、さっき並盛って所から来たって言ったよな?」
平次「ああ、聞いたこともない地名やなと思とったわ。それってどんなトコなんや?」
平次の質問に対し、山本の答えは全員を唖然とさせた。
山本「いやー、並盛って所には雲雀って奴がいんだよ。並盛高校の風紀委員長なんだけど、実質的に並盛の支配者でさ。そいつが俺に言って来たんだ。『君、2週間後から大阪の改方学園に行って来て』ってさ。いやー、あの時はいきなり過ぎてビックリしたな!アハハッ!」
クラス全(いや、その雲雀って奴
大阪人じゃなくてもツッコミを入れるであろう内容に、生粋の大阪人である山本以外の全員が心の内でツッコんでいた。ここで口に出さなかったのは、山本に配慮したからである。
尚、山本が語った事は当然ながら嘘である。万が一にも護衛対象に疑われない様に、最も辻褄が合う仮の理由を全員で用意していたのである。
平次「ちゅーことは何か?その雲雀って奴の命令でこの学校に来たっちゅう事かいな」
山本「ああ。雲雀の命令に逆らったら、咬み殺されるからなー」
クラス全「ホンマになんなんや、雲雀って奴!それと咬み殺されるって何⁉︎」
今度は抑えきれずに声に出してツッコんだ。しかし、それに対する山本の答えは、
山本「へ?雲雀は雲雀だぜ?咬み殺されるってのは雲雀の口癖で、実際は普通にトンファーで滅多打ちにされるだけだぜ?」
クラス全(ホンマにド天然やな山本………。それから、トンファーで滅多打ちにされる事を普通とは言わへん。そもそも、なんで風紀委員長がトンファー持っとんねん。並盛の奴らは何で誰も文句言わないんや?絶対ソイツが1番風紀乱してるやろ………)
その天然さに、ツッコミを入れる事が無駄に思えてきた面々。だが、それでもツッコんでしまうのが大阪人なのかもしれない。
そして山本がトンファーで滅多打ちにされる事を普通というのは、彼が定期的にイタリアから来る独立暗殺部隊の作戦隊長と特訓を兼ねた決闘をしているからに他ならない。それを何度も繰り返せば、トンファーで殴られる事も普通に思えてくるだろう。勿論、それは口にはしないが………。
山本(イタリアっつったら、昨夜ツナが電話で言ってな。向こうの任務が終わり次第、骸の調査結果を携えてあいつが来る事になったって。同じ雨属性だからか、話が合うんだよなー)
山本は昨夜のツナとの電話を思い出していた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
山本「〈えっ、それ本当かよツナ!〉」
綱吉「〈うん。説明の時にリボーンが言ってから分かってたけど、ついさっき父さんからの電話で完全に決定したよ………〉」
山本「〈アハハッ!そっか。あいつとは話が合うから楽しみだぜ!任務が終わったらウチの寿司、食わせてやろっかな〉」
綱吉〈きっと喜ぶよ。そういえば彼も、3年前から蕎麦打ちにハマってるらしくて、俺たちに食べさせたがってるって〉」
山本「〈へー、それも楽しみだな。そういや此処に住むんだろ?俺1人じゃ広すぎるからな、この部屋。おかげでこの3日、退屈でさー〉」
綱吉「〈だろうね。俺は一昨日、ポアロの面接受かったからさ。明日からバイト生活のスタートだよ。あー、緊張してきた〉」
山本「〈………………〉」
綱吉「〈?どうしたの武?〉」
山本「〈いや、ツナはいいよなーって思ってさ。笹川との同棲なんだろ?一緒に居られるんだろ?羨ましいって思ってさ〉」
綱吉「〈ああ凪の事か。凪も言ってたよ、武と当分の間とはいえ離れ離れになるのは寂しいって〉」
山本「〈そっか。任務が終わったら、目一杯甘えさせてやろっかな。凪の欲しいものも買ってやろ〉」
綱吉「〈それがいいよ。でも、たまには凪とも電話しなよ。〉」
山本「〈分かってるって。実を言えば、ついさっきも電話したしな。けどやっぱ、実際に会いてーよ〉」
綱吉「〈骸が言ってたけど、服部平次君って休みの日に米花町に来る事があるらしいからさ、その時の護衛は俺らに任せて凪と会うってのはどうかな?結構いい案だと思うんだけど〉」
山本「〈マジで⁉︎いいのかよツナ!〉」
綱吉「〈任務中にずっと会えないってのは流石にね。凪と親父さんには俺から説明しとくからさ〉」
山本「〈サンキュー‼︎感謝するぜツナ!〉」
綱吉「〈いいって、いいって。そろそろ切るね。明日に差し支えがない様にしないといけないから〉」
山本「〈ああ。また今度な〉」
綱吉「〈よし、それじゃあそっちは任せたよ。俺の雨の守護者、山本武〉」
山本「〈アハハッ!なんか照れ臭いな。………‥ああ任されたぜ。俺らの
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
平次「おい山本!どないしてん‼︎」
山本「へっ?ああ、ワリ。昨夜の彼女との電話と親友との電話を思い出してた」
和葉「山本君って彼女がおるん⁉︎」
山本「ああ‼︎めちゃくちゃ可愛い、自慢の彼女がな。ってお前は?」
和葉「あ、アカン!自己紹介すんの、スッカリ忘れとったわ!アタシは遠山和葉っちゅうんや、よろしゅう」
山本「ああ、よろしくな!………って服部、どうした?その顔?」
平次「………………意外やのう。自分、結構惚気るんやなあ。つい、驚いてもうたわ」
和葉「全く、平次は。少しは山本君を見習えっちゅうんや、この鈍感男!」
平次「なんやとぉ⁉︎」
山本に彼女がいる事に驚く和葉と平次。特に平次は、山本が恋愛ごとに鈍感だと思っていた為に、山本が惚気た事にも驚いていた。そこから何故か、平次と和葉の痴話喧嘩に発展していった。
すると、それを見た山本が急に天然爆弾を落としてきた。
山本「そういや、服部と遠山って付き合ってんのか?」
平和「へ………………?」
クラス全(ドアホーーー‼︎やっぱコイツ、ド天然や!)
その山本が落とした爆弾に、平次と和葉は一瞬フリーズし、他の全員は山本のド天然ぶりにツッコんだ。
平次「な、な、な、何を言うとんのや‼︎なんでオレがコイツと付き合わなアカンねん‼︎」
和葉「せ、せ、せやで‼︎アタシはあくまで平次のお姉さん的な存在でな、平次と付き合うやなんて………」
クラス全(焦れったいわ‼︎ちゅうか、この2人に対して山本のド天然って結構有効やな‼︎)
平次と和葉の反応と、その2人に有効だと思われる山本のド天然ぶりに、クラス全員が同じ事を考えていた。そしてその時に、
♪キーンコーンカーンコーン♪
チャイムが鳴り、1時間目担当の先生が入ってきた。
英先「ん?なんや!授業開始のチャイムが鳴ってんのに何で席に着いとるもんが少ないんや!それと何でまだ担任の先生がおんねん!アンタもとっとと職員室に戻り‼︎」
担任「ス、スンマヘン‼︎」
担任の先生が慌てて教室から出て、生徒たちも自分の席に着いた。尚、既に席に着いていた山本は、
山本「なあ服部。教科書見せてくんね?」
平次「あ、ああ解ったで。………オレと和葉の事については後でキッチリ話し合おな」
山本「おう。それとさ、俺野球部に入りてーんだけど、部室の場所を教えて欲しいんだ」
平次「了解や。ただ、今はテスト週間やからそれが終わってからやな」
山本「サンキュ…………………………………ってテスト⁉︎」
平次「?どないしてん?」
山本「アハハ………。なあ服部………、勉強教えてくんね?」
平次「ああ、こっちと向こうじゃ授業の進み具合も違うかも知れんからのぉ。別にかまへんで」
2人は会話に夢中で忘れていた。今が絶賛授業中だということを………。
英先「2人とも、廊下に立っとれ‼︎」
山平「ハ、ハイイイイイイィィ‼︎」
作者「疲れたー‼︎」
山本「お疲れさん」
平次「労わることないで山本」
作者「酷くない⁉︎」
平次「当たり前やろ‼︎連載開始から1ヶ月以上かかって本格的に登場ってどういうことやねん‼︎文句の1つや2つ、黙って聞けや‼︎」
山本「まーまー落ち着けって」
平次「これが落ち着けるかい‼︎自分はええのぉ、連載早々に出演できて。オレと扱いが全然ちゃうやんけ‼︎」
山本「でも最後の文には俺も納得いかないのなー」
作者「………これ以上のメタ発言は禁止ね?」
平次「チッ、オレも大阪人や。グダグダやんのは性に合わへん」
山本「んじゃ、最後にいつものやるか!服部、やっていいぜ」
作者「へっ?いや、あの、ちょ………」
平次「作者は無視してええでー。ほな、次回もヨロシク頼むわ‼︎」