それでもいい方はどうぞ‼︎
同日、帝丹高校2年B組も転校生の話題で持ちきりだった。
園子「聞いて聞いて蘭‼︎今日このクラスに転校生が来るんだって‼︎」
蘭「転校生?この時期に?」
園子「そうなのよ!職員室の前を通ったら声が聞こえてきてさ!」
蘭「へー!どんな子が来るのかな?」
園子「聞こえたのは先生の声だけだからねー。私としてはイケメンに来て欲しいわね‼︎」
蘭「はあ、園子は相変わらずね。ホントにいつか京極さんに愛想尽かされちゃうよ?」
園子「アハハ大丈夫よ、本命は真さん一筋だから」
蘭「もー」
親友同士である蘭と園子が話していると、1人の女子生徒が教室に入って来た。
世良「おはよう蘭君、園子君。楽しそうな話をしてるね。」
蘭「あ、世良ちゃん。おはよう」
園子「おはよー。だって気になるじゃない!転校生よ、転校生!私はイケメンを望むわ‼︎」
世良「アハハ!園子君は相変わらずだなあ。ボクとしては、仲良くなれればそれでいいかな」
蘭「わたしも」
園子「まー、アンタ達はそうよねー」
3人が話していると、
担任「よーし!席に着けー‼︎」
園子「ハーイ‼︎」
担任「何だ?今日はやけに素直だな鈴木」
園子「だって今日は転校生が来るんでしょ?先生早く紹介してよ!」
担任「分かった分かった。実は転校生は2人いるんだ。男子も女子も喜べー、転校生はイケメンと美少女だぞー!」
生徒A「ホントかよせんせー!」
生徒B「うぉー!超楽しみー‼︎」
担任「それじゃあ2人とも入って来てくれー‼︎」
そうして入って来たのは、黒髪で三つ編みをしているイケメンと、茶髪をセミロングまで伸ばしている美少女であった。
クラス男「うおおおおおおお‼︎‼︎」
クラス女「きゃああああああ‼︎!」
園「イケメンよ‼︎かなりのイケメンよ‼︎私このクラスで良かったーーーーー‼︎」
生徒C「私もよ‼︎まさか、あんなイケメンと同じクラスになれるだなんて‼︎」
生徒A「俺たちだって、あんな可愛い子が同じクラスになるんだぜ⁉︎これ夢じゃねーよな‼︎」
生徒B「痛‼︎夢じゃねー‼︎現実だ‼︎よっしゃー‼︎」
一瞬で騒がしくなったクラスを見た蘭と世良は、
蘭「うわー、園子たち喜びすぎじゃない?」
世良「まー気持ちは分かるかも。あまり見ないよ、あんな美男美女が並んでる姿」
と、蚊帳の外となっていた。そんなクラスを見た先生は、
担任「コラコラお前ら、静かにしないと転校生が自己紹介出来んだろうが」
クラス全「…………………………。」
先生の一言により一瞬で静まった。最も、生徒たちは転校生に熱い視線を向けていたが。
担任「すまなかったな。それじゃあ自己紹介をしてくれ」
風「それでは私から」
先生が転校生に自己紹介を頼むと、イケメンの方が進み出て来た。それを見て、園子を始めとした女子たちの目が輝いた。
風「中国から来ました“雲雀
生徒C「きゃあああ‼︎すごい、世良さんに続いて2人目の帰国子女!しかも物腰が穏やか‼︎」
生徒D「すごい
園子「全くね‼︎
風「ふふ、どうぞよろしく」
女子「きゃあああああ‼︎!」
そんな女子たちの反応に、本来男子たちは面白くない感情を抱く。しかし今は、もう1人の転校生に意識が向いていた。
京子「笹川京子です。並盛っていう所から来ました。どうぞよろしくお願いします」
生徒A「うおお‼︎すげえ‼︎滅茶苦茶やべえ‼︎」
生徒B「ああ‼︎工藤が可哀想でしょうがねえよ‼︎こんな美少女を見れないなんて‼︎」
生徒E「いくら工藤でも、あんな美少女を見ちまった日にゃあ」
生徒F「ああ、毛利でも敵わないだろうな」
蘭「ムッ‼︎」
世良「まあまあ蘭君、落ち着いて。」
男子の発言に思わずムッとした蘭だったが、世良に抑えられて気を落ち着かせた。
担任「それじゃあ雲雀と笹川の席なんだが………」
生徒A「先生‼︎俺の隣空いてるぜ‼︎是非笹川さんに‼︎」
生徒F「いや俺の隣に‼︎」
生徒C「じゃあ
生徒D「ズルいわよ‼︎ワタシの隣にして!」
男子は自分の隣に京子を、女子は風を希望した。しかし先生は冷静に判断を下した。
担任「お前らが隣だと雲雀も笹川も落ち着かないだろ。それじゃあ毛利の隣に笹川、世良の隣に雲雀とする!」
クラス全「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜⁉︎」
園子「ちょっと‼︎ズルいわよ世良ちゃん‼︎」
世良「いやボクに言われても………」
先生の言葉に不満の声をあげる生徒たち。特に、風の隣になった世良に女子から嫉妬の眼差しが送られた。
担任「は〜〜〜。これは決定事項だ。雲雀と笹川、言われた席に着いてくれ」
風京「はい」
そうして京子は蘭の隣の席に、風は世良の隣の席に着いた。
京子「確か毛利さんだよね?」
蘭「うん!毛利蘭っていうの。京子ちゃんって呼んでいい?」
京子「じゃあ私も蘭ちゃんって呼んでいいかな?」
蘭「もちろん!これからよろしくね」
京子「うん!よろしく!」
蘭と京子は、お互いが友好的な為すぐに仲良くなった。最も、世良と風の早さには負けたが。
世良「雲雀君は何か得意な事ってあるのか?」
風「中国で拳法を学びました。世良さんも武術をやるのですか?」
世良「ああ!兄貴の影響でさ、截拳道をやってるんだ」
風「お兄さんがいるんですか。実は私にも小学1年の弟がいましてね、今日から帝丹小学校に通う事になったんです」
世良「ヘーーー‼︎じゃあコナン君と会ってるかもな!」
風「?コナン君とは?」
担任「あー、まだSHR中なんだが………………」
一瞬で仲良くなっていた風と世良の会話は、風が世良が言ったコナンという少年について聞いたところで先生が注意した事で終わった。
最も、風はコナンの事を知っているが、不自然が無いように聞いてみただけである。スカルといい風といい、流石は元アルコバレーノと言ったところか。
担任「それじゃあ、雲雀と笹川は教科書を用意できるまで、毛利と世良に見せてもらいなさい。それとお前ら!雲雀と笹川に迷惑をかけるんじゃないぞ!」
クラス全「はい‼︎」
すると、丁度良いタイミングでチャイムが鳴った。
♪キーンコーンカーンコーン♪
担任「よし、では朝のSHRを終了する。日直号令!」
生徒G「起立!礼!」
クラス全「ありがとうございました!」
先生が退室した後すぐに、風の周りに女子が、京子の周りに男子が集まった。
生徒C「
生徒D「そんなに格好良くて武術も出来るとか最高‼︎」
園子「ね、ね、早速メアド交換しましょ‼︎」
生徒B「笹川さんって彼氏いるの⁉︎」
生徒E「いないなら俺、立候補しちゃおっかなー」
生徒A「いやいや、ここは俺が立候補するぜ‼︎」
世良「ちょっとちょっと、さっき先生が言ってたろ?2人の迷惑にならないようにしろって」
蘭「そうだよ皆。少し落ち着こう?」
世良と蘭が取りなすが生徒たちは止まらない。しかし京子が放った一言が、クラスの時を制止させた。
京子「私に彼氏?いるよ?」
クラス全「」
風「見事に固まりましたね。特に男子陣」
風が冷静に状況を口にした直後、生徒たちは一斉に叫んだ。
クラス全「えーーーーーーーーーー‼︎‼︎」
そして男子陣は悲痛な顔で呟き始めた。
生徒A「そ、そんな………………」
生徒B「こ、こんな、事って………」
生徒E「クソッ、一体どんな奴だ………⁉︎笹川さんを射止めた羨ましすぎる男は………………!」
そんな男子たちを見て京子は首をかしげていた。相変わらず自分がモテるという自覚が無い。
生徒D「ねえ!まさか
生徒C「嘘ー‼︎そんなのヤダー‼︎」
園子「ちょっと
蘭「皆………………」
世良「彼が誰と付き合おうと別にいいじゃないか」
騒いでいる女子たちに対し蘭と世良は落ち着いていた。すると風が答えた。
風「私には彼女はいませんよ」
蘭「え?そうなの?」
女子「や、やったーーー‼︎」
生徒C「じ、じゃあ私と付き合わない⁉︎」
生徒D「いーや私よ‼︎」
さっきの男子と同じような事を言い出した女子たちの隣で、園子が風に聞いた。
園子「それじゃ好きなタイプは?」
風「そうですね。滅多に騒がない、おとなしい女性ですかね」
世良「それじゃあ彼女たちはお断りって事?」
風「申し訳ないですがそうなりますね」
女子「そ、そんなーーーーーーーーー‼︎」
自分たちが風の好みでない事を知らされた女子たちも、さっきの男子たちと同じくショックを受けていた。ちなみに園子は既に恋人がいる為、そこまでのショックは無かった。
世良「まあ彼女たちは置いといて、拳法をやってるって事はボクと蘭君とは話が合いそうだね」
風「毛利さんも何か武術を?」
蘭「うん。空手をやってるの。この前、関東大会で優勝したんだ」
風「ほう、それは凄いですね」
世良「ボクも自分の強さには自覚があるんだ。君も強いのか?」
風「まあ、それなりに」
園子「でも、流石に真さんには敵わないだろうけどね」
世良「彼は別格だから、比べようがないよ」
園子の言葉に世良が頷いた。実を言えば風と京極では当然、風に軍配が上がる。しかし風は己の強さをひけらかす事は滅多にしないので黙っていたが。
京子「そんなに凄いの?その真さんって人」
世良「強いなんてもんじゃないよ‼︎かつては400戦無敗を誇っていたんだ‼︎今は記録は途絶えちゃったけどね」
園子「でも理由は実力で負けたからじゃないの。私を助ける為に試合を放棄して不戦敗になっちゃったからなのよ」
蘭「それにライフルの弾丸を避ける事も出来るんだよ」
蘭の口からライフルという単語が出た。それを聞いた京子と風は、誰にも気づかれないように小声で話し始めた。
京子「…………
風「ええ。普通の女子高生の口から出るべき言葉ではないですね。この話はここで打ち切らせましょう」
風は京子にそう言った後、世良に尋ねた。
風「そう言えばコナン君について聞けずじまいだったので教えてくれませんか」
蘭「コナン君?何で?」
世良「ああ雲雀君には小1の弟がいて、今日から帝丹小学校に通うらしいんだ」
園子「成る程、ガキンチョたちと同じクラスになる可能性があるわね。」
蘭「そうなんだ!仲良くなってるといいね!」
風「それが、2人いましてね………」
世良「えっ⁉︎双子だったのか⁉︎」
風の弟が2人いる事を知った世良は双子なのか聞いてきた。
風「それは後程。1人は問題ないと思いますが、もう1人がちょっと………」
京(あの雲雀さんだもんね〜。)
風の言葉に、真実を知っている京子が内心で頷いた。すると風が教室の時計に目をやると、後1分もせずに授業の時間となる為4人に声をかけた。
風「あの、どうやら時間が無いようですから私の弟たちとコナン君の話は後程に………」
世良「そのようだね。でも休み時間には時間がないと思うよ。クラスメイトたちがこっちを見てるから」
園子「それじゃあ下校の時に話しましょうよ‼︎私、今日は部活ないから‼︎」
蘭「家の方向が同じならね。私も今日は部活ないし」
京子「それじゃあそうしよ!」
風「そうですね。それがベストでしょう。少し居づらいですが」
世良「気にしない気にしない!ボクも拳法の事、いろいろ聞きたいしな!」
園子「それじゃあ下校の時よろしく〜‼︎」
そうして4人の会話は終わった。
京子「ひとまず、これでいいかな」
風「そうですね。慌てて失敗してもしょうがないですから。後は下校の時間を待つだけです」
京子「うん。」
京子と風は最後にそう話し、自分の席に着いた。
作者「あー、書き終わったー‼︎」
世良「今回はやけに早かったね」
風「普段からこうしておけば良いものを」
作者「いやー、相変わらず手厳しいね風」
風「それより最後の文。前回は護衛となっていたところを任務としたのは?」
作者「京子ちゃんがいるからね。彼女は蘭たちと仲良くなって警戒心を抱かせないのが任務だから」
風「成る程。確かに私だけでは、男女の差もあって距離が出来てしまいますからね。どこか大空のような包容力を感じる彼女は適任ですね」
世良「なあ、さっきから何言ってんだ?」←会話が聞こえない
風「ああ、作者への説教で罵詈雑言を吐いてしまいましたので、世良さんの耳に入れたくなかったんですよ」
世良「アハハ、雲雀君は紳士だな!ボクなんて私服姿なら必ず男子だと思われるのに」
風「そうなのですか(彼ならそんな事は無いでしょうけどね)」
世良「ん?どうかしたかい?」
風「いえ、そろそろ終わりにしましょう。あくまで後書きはオマケですから」
世良「そうだね。それじゃあ今回はボクが言っていいかな?」
風「ええ、作者は黙らせておくのでどうぞ」
作者「もごむご………」←風に口を抑えられている。
世良「それじゃ、次回もよろしく!」