この先を読む時は必ずブラックコーヒーをご用意の上、お読みください!!
「覇王龍」ズァークーーーそれはARC-Vの世界線で世界を4つの次元に分裂させる原因になったドラゴン。四天の龍が取り憑いている時点でまさかとは思っていたが、
「なあ、何で俺がズァークなの?」
まるで意味がわからんぞ…。そもそもズァークは架空の人物、架空のドラゴン。四天の龍が取り憑いているのは事実だが、だからと言って俺がズァークになる訳が…。
『諦めろ、イッセー』
『俺達を御している時点で』
『あなたには「覇王龍」の資質があります』
『て言うか、ボクはキミがズァークの転生体じゃないかって思ってるんだけど?』
…やべぇ、心当たりがありすぎて逃げ道が無い。
『とどめを刺すと、それなら何故お前は「鎮魂」「水晶」「飢餓」そして「覇龍」(2つの意味で)まで使えるのだ?どう考えてもそう考えるのが妥当だと思うが?』
もうやめろ!俺のライフはとっくにゼロだ!
「分かった、分かったから!それとオーフィスとか言ったっけ?俺の名前はズァークじゃない。俺は兵藤一誠だ。だからズァークって呼ぶのだけはやめろ。後、俺を生き返らせてサンキューな。あの時の礼がしたいんだが」
あのまま死んでたらレイちゃん達を守れなかっただろうし。
「ん、分かったイッセー。ならお願い、その力でグレートレッド倒して」
おい、生き返らせてくれたのには感謝してるが
「『真なる赤龍神帝』を倒せと申すか…」
「今すぐじゃなくて構わない。でも、このままだと我、居場所無くなる」
あー、ならば…
「家に来るか?」
「………えっ?」
目に見えてオーフィスが動揺した。何だ?唐突に顔が赤くなった様な…。
「どうした?熱でもあるのか?」
ピトッ
「ひゃっ…///」
試しに額をくっつけてみる。熱は…あれ?どんどん上がってる?
『『『『『とうとう女誑しが龍誑しに昇格した!?』』』』』
『しかも、龍神を堕とすなんて…』
『ティアマットさんに会った時が怖いですね』
お前ら本当に何言ってんの!?
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オーフィスは夢を見ていた。
『そうか、久しぶりに笑顔を思い出したよ』
それは、短くも懐かしいズァークとの思い出。当時の彼?は復讐のみに囚われて暴れるだけの存在だった。ズァークは全てを滅ぼそうとして次元の狭間に存在するグレートレッドまでもを倒そうとしていた。だが、あと一歩及ばず敗北、ズァークは4体のドラゴンに分かれた。
「覇礎の赤龍」オッドアイズ
「超越の黒龍」ダーク・リベリオン
「
「
四龍に別れた後、オッドアイズがズァークの意思を継いだが、分裂体の一つ・榊遊矢の活躍により長らく忘れていた笑顔を思い出す。
『オーフィス、頼みがある』
『ん、何?ズァーク?』
『こいつらを、頼む』
それだけ言い残すと、ズァークの意思は消滅し、四龍はオーフィスに取り込まれた。
筈だった。
十年前、オーフィスは駒王町でズァークの残滓を感じ取った。
ズァークの残滓を辿ると、そこには死にかけの少年がいた。その少年はドライグを宿していた。そして、その身にズァークの魂を宿していた。
『見つけた。ズァーク』
この時のオーフィスは気づかなかった。自分が喜んでいたことに。
自分の中で、よく分からない感情が渦巻いていたことに。
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「…うん?」
「目が覚めた?」
気がつくとオーフィスは知らない部屋にいた。
「それにしても、驚いたわ。龍神でも気絶することってあるのね。本当にあの朴念神は…(ボソッ)」
隣にいる…堕天使?はそう毒づいた。朴念神とは誰のことだと思った。ところで、
「イッセー、どこ?」
一誠がいない。何故かその事実がオーフィスのよく分からない感情を呼び起こした。
胸の中にぽっかりと穴が空いた感じだった。何だろう、この感情は。ズァークがいなくなった時のあの時と同じだ。
「イッセー…」
目頭が熱くなる。どこ?どこなの?お願いだから、
「我を、一人にしないで…」
「起きたか?オーフィス?」
突然、オーフィスの中の靄が晴れる感覚がした。いつぶりかは分からない。だが、このよく分からない感情が昂る。そんな感じがした。
「あれ?リアスさんに言われてはぐれ悪魔を討伐に行ったんじゃ?」
「加勢するまでもないよ。兵士が優秀過ぎる。今頃、『粉砕・玉砕・大喝采!!!』とか言ってはぐれ悪魔をぶっ倒してる頃だろうよ」
「そうね…。あの『
「イッセー!!」
オーフィスは人目を憚らずに一誠に抱きついた。よく分からない感情が満たされていく感覚がした。
「我、もう二度とイッセーから離れない」
「え、ちょ」
「…イッセー君?」
一誠がおそるおそる背後を見ると、今にも泣き出しそうなレイナーレの姿が。そして、
「私も混ぜて!!」
何故か知らんが自分に向かってダイブしてきた。美少女2人に抱きつかれて女の子特有の匂いがして、あ、ちょ…。
俺は意識を失った。あれ?でもこの感覚身に覚えがあるような…。確かあの時は、吸血鬼姉妹とそのメイド、終いには巫女までもが飛びついてきた気が…。
俺は考えるのをやめた。
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どっと疲れた次の日。流石に超えてはならない一線までは超えることなく済んだ。
何だかレイちゃんとオーフィスが妙にツヤツヤに見えた気がしたけど気の所為だとオモイタイ。
『これで何回目だ?』
『逆に襲われるの?数えるのが面倒臭いくらい多くない?』
『て言うか、本当に最初に主様を襲ったのって誰かすら覚えていないのですが…』
『紅い霧の異変の後に泥酔した腋巫女』
「お前ら他人の古傷抉ってそんなに楽しいかよ!?」
『『『『『それがドラゴンに魅入られた者の運命だ(ですね)』』』』』
そんな運命いらない(切実)。そして、
『キャッ!』
誰かにぶつかった。声質からして少女、しかも日本人ではないようだ。この訛りは…イタリアか?
『失礼、大丈夫ですか?』
俺はイタリア語で話しかけてみる。
『大丈夫です。私急いでるのでこれで…。あなたに主の加護が有りますように』
修道服を着たその少女(所謂シスターってヤツ)は起き上がるとどこかに向かっていった。
「…で?あの金髪シスターが
「ええ、そうよ。お願いイッセー君、ドーナシークを、止めて」
「分かってる。だけどその前に」
一誠が念を押す。そして一言、
「アイツの拠点を炙りださんとな」
…前途多難な幕開けだった。
「調和の白龍」クリアウィング、「結合の紫龍」スターヴ・ヴェノム
それぞれシンクロ、融合の頂点の龍。
「覇王龍」ズァーク
ARC-Vのラスボス。並行世界設定のため、ARC-V本編が終了したのはこの世界における一誠が誕生した時。
実はスターヴ・ヴェノムの言う通りで兵藤一誠はズァークの魂を継ぐ者、所謂転生体。だから四天の龍を従えることが可能。それどころかドライグすらも飼い慣らす。
烈風の蒼牙刀
使用者:元浜瀬人
青い日本刀の様な神器。風の力を宿し、万物を切り裂く。とあるドラゴンの力が宿っている。
黒炎の紅銃
使用者:松田克人
赤い拳銃の様な神器。炎の力を宿し、万物を焼き尽くす。とあるドラゴンの力が宿っている。