男の娘ならセーフじゃない?
あとがき何考えてんだ俺⋯⋯
☆月(。-`ω-)日
時間が経つのが早いと、ギリシャ行きの飛行機に乗りながらそう思う。
いやいや本当に早く感じる、俺ももう歳かな?まだ12だけど。
それにしても結局最後まで俺は人外認定のままだったな⋯⋯自主トレを少しばかりやり過ぎたのがいけなかったんかな?必殺技のレパートリーかなり増えたからね。
俺だってそこまでやり過ぎる気はなかったさ、ただ久々に『師匠』達が来たもんだからテンションが上がってしまったんだよ。
転生してからもう会うことはないと思っていたからね、また会えるとは思わなかったよ。
ただ色々鍛えられたから自主トレと言っていいものか⋯⋯
にしても空港にチームメイトや監督も見送りに来てくれたのは驚いた、俺を見るなり泣き出すもんだから俺と監督は思わず笑ってしまった。それを見て『笑うな!』と怒られてしまったが、嬉しくて笑いが止まらなかった。
冬花ちゃんも泣いていたし久遠さんも少し涙ぐんでいた。
俺は二人に近いた。
『冬花ちゃん、父さん、行ってきます』
冬花ちゃんは『うん!』と泣きながら返事をしてくれたが久遠さんの様子がおかしかった。行ってきますと言っただけだったのだが信じられないような顔をしていた。
今まで父さんと呼んだことがなかったから呼んでみたのだが、そんなに驚くとは思わなかった。もう一度言ってくれと頼まれたのでやったら⋯⋯
『⋯⋯⋯』
まさかの号泣である。もうどうしろっていうのさ⋯⋯
時間になって俺が飛行機向かおうとしたとき顔を真っ赤にした冬花ちゃんが駆け寄ってきて頬にキスをした⋯⋯ビビった。
何にビビったっていきなりキスをした冬花ちゃんもなんだが、それ以上に後ろで血涙を流し始めた父さんにビビった。
『と、父さん?』
『だれが父さんか!!』
父さんェ⋯⋯
▼▼▼▼▼
15時間ほど飛行機に乗りギリシャに着いた俺はこれから数年過ごすことになる下宿先に案内された。下宿先は国ごとに別々に分かれているらしい。話を聞くと国から一人しか来ていないのは日本だけで他の国からは複数人来ているらしい。
なんでさ⋯⋯
下宿先に着き、そこに住んでおりこれからお世話になるリフィアさんとヒルダさんに挨拶をして、荷物の整理を済ませる。
やることを終えて一息つき、二人に案内された新しい自室のベッドに寝転がる。
「ねっみ⋯」
夕食までにはまだ時間があるし少し寝よう、ちょっと疲れた⋯⋯
☆月(;´д`)日
まさかあのまま寝落ちしてしまうとはね、初日からやらしてしまったよ。『長旅で疲れてたのね』と二人は笑って許してくれたからよかったがね。
今日と明日は休みだし家事の手伝いでもすることにした。迷惑かけた分返さなきゃいかんからね。
まあ掃除も洗濯もすでに終わってたから必然と炊事をするしかない、伊達に今まで食事担当をしていないってとこを見せてやりましょう。
☆月(-.-)日
昨日の料理を気に入ってくれたようで、教えてほしいと頼まれた。
やったぜ。
昼頃まで二人に教え、その後は外に行くことにした、学校までの道のりくらいは把握しておかないと困るからね。それなら昨日しとけよなんて言うなよ?昨日は昨日で忙しかったんだから。
二人から渡された地図を頼りに学校までの道を歩いていく、やっぱり街並みとか日本と全然違うわ、改めてギリシャに来たんだなと実感する。
学校までの道のりは把握したので途中にあった公園で少し休憩、と言いたいところだが⋯⋯
『久遠沙我、サッカーを捨てろ』
軍服みたいなものを着ているコスプレ集団から稀に見ない絡まれ方で絡まれてしまった。別に怒らせたかったわけでもないし深く関わりたいとも思わないが、そんな心とは裏腹に口は動いていた。
「え、厨二病?」
空気が死んだのが分かる。だってリーダー格っぽい子がプルプルと震えてるもん、なんだろうちょっと愉悦。
「も、もう一度言う、サッカーを『その設定キミが考えたのか?』!!!!」
「待って、待って!バダップ!!」
「そうだ一旦落ち着けよバダップ!イラっとしたのは分かるけど暴力はダメだって!!」
「その服何処で買ったの?自作?」
「久遠沙我ァアアアアア!!!!」
「なんで煽るんだテメー!!」
「こんな大声で騒いだからか周りからの視線が痛い⋯⋯」
「俺達DQNだと思われてんだろうな⋯⋯」
バダップ君とやらの反応が面白くてついからかい過ぎてしまった。
流石にやり過ぎたとちょっと反省。
「からかい過ぎたな、すま「終わらせる⋯⋯」?」
「貴様はここで終わらせるッ!!!」
バダップ君もしやガチの厨二⋯⋯
▼▼▼▼▼
バダップ君がなにやらサッカーボールを取り出したらボールが光って何処かのサッカーフィールドに着いた。何を言っているのか俺も分からん。『何の光!?』と思ったらいきなりこんな場所にいるとか俺のキャパ超えまくりなんだが⋯⋯
てかいつの間に着替えたの君達?そしてなんで俺もキーパーのユニフォームに衣装チェンジしてんの?え、11対1で試合するの?マジで?
「久遠沙我、貴様は我々の全力をもって終わらせる!!!」
何が終わるのかは知らんが流石に負けるって、誰か止めてくれないかなと視線を向けるも敵意をもった視線がかえってくるだけだった⋯⋯是非もないネ!!
「久遠沙我ァアアアアアアアアアアアア!!!」
とか思ってる間に彼等が攻めてきた、名前は分からんが攻めてきた一人に女の子がいるのだが、女の子がしていい顔じゃないよ⋯⋯可愛いのに勿体ない。
「ば、バッカじゃねーの!!?」
「なんでちょっと嬉しそうなんだよお前⋯⋯」
「久遠沙我ァアアアアアアアアアアアア!!!」
声出てたんか、恥ずかし。あとバダップ君が壊れたテープみたいに同じことしか言わないし顔が『クワッ!!』ってなってるから超怖い。
『デススピアー!』
空中高く飛んだバダップ君がボールに回転を加えた必殺技を放った。禍々しいオーラを持ったそれからは俺に対する敵意いや、殺意すら感じる。ボールが地面に近づくにつれ地面が抉れ始めた、並みの必殺技ではこんなことは起こらない。
「おっと」
まあ止めるわけだがね?
「なんだと!?」
バダップ君が信じられないといった表情で叫んだ、当たり前だ、バダップ君自身いまの必殺技がかなり強力だと自負していただろう、それを『必殺技を使わずに』止められたのだからその衝撃は大きいだろう。
以前の俺でも止められただろうが師匠達とのトレーニング成果もありこのレベルの必殺技なら素手で止められる程度には鍛えられた。おかげでバダップ君達から人外でも見るかのような視線を感じるがね!!
⋯⋯さてバダップ君、驚くのは仕方ないし信じたくないのは分かるがこれだけは言わせてもらうよ?
「試合中に動きを止めるのはいただけないな」
ボールを足元に落とし少し力を入れて、相手ゴールに向かい蹴る。
「うそ⋯⋯」
誰もが目を疑った。見えない、いつの間に、信じられない⋯⋯その場にいる誰もがそれを捉えることが、認識することが、受け入れることができなかった。
「先ずは1点」
そんな彼らの心情を知ってか知らずか人外は無常に告げる。
「さあ、サッカーを楽しもう」
おまけ「可愛い女の子?」
初対面時
(この人髪綺麗だな)
試合開始時
(誰が厨二だ誰が!!)
可愛いと言われた時
「ば、バッカじゃねーの!!?(かかか可愛いって、おま!!?オレおと⋯⋯)」
デススピアーブロック時
(かっこ⋯⋯何考えてんだッ!?)
シュート時
(髪が揺れてる⋯⋯)
ラスト
「さあ、サッカーを楽しもう」
「あ⋯(トゥンク)」
男の娘ヒロインについてアンケートだオラァ!?※なお必ずしもアンケート通りになるとは言ってない。
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鬱丸絶望太
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亜風炉照美
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フェイ・ルーン
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ユーリー・ロディナ
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ちくわ大明神