弟はマのつく自由業、私はメのつく自由「いえいえ、王たる夫に永久就職です!!」   作:紗代

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 ギル君による未来の妃様(予定)コーディネートの巻。ギル君は子供でも大人でも奥さんにだけは貢ぎ癖があると思う、っていう妄想の産物。


愛があってもトータル××億円コーデは重過ぎる

 少し前の花畑の一件。あれからというもののギルからの贈り物が増えた。嬉しい、嬉しいんだけど・・・

「さすがに、これは・・・」

目の前には磨き上げられた大粒のラピスラズリとそれを彩るように繊細な装飾を施された金(おそらく純金)のチェーン・・・そう最高級品っぽいペンダントだ。庶民で高級品なんぞに縁のない私でさえそう感じるのだ。なによりギルの選ぶものなのだし値段は聞かない方がいいのだろう。というかそもそも値段を付けられるのだろうか。古代ってたしかクレオパトラの時あたりでさえ真珠一粒で国が買えるとか言われてたらしいから・・・・

「おや、気に入りませんでした?」

「いや、気に入る気に入らないじゃなくてさ・・・・もうちょっと身の丈にあったものがいいというか・・・」

「ふんふん。じゃあ次は冠にしてみますか?」

「いや、何更にグレード上げようとしてるの?!そんなの付けてたら怖くて歩けないよ!!」

「ええー、似合うと思うのに。イノリは自己評価が低すぎます。」

「そんなこと言われても根は庶民だし、恐れ多くて動けなくなっちゃうよ・・・」

「それに私、これが似合うような美人じゃないし」そう言っててなんだか悲しくなってきた。するとギルは溜息を吐くと私の目を見てしっかりとした口調で話す。

「いいですか?イノリ、君は僕が見てきたどんな人より魅力的な人です。だから、そんなに自分を卑下しないでください。それとも、僕が君に選んだこれは嫌いですか?」

「き、嫌いじゃないよ!!」

「なら付けてみてください。きっと似合いますよ」

言われるがままに付けてみる。胸元に輝くラピスラズリはこれでもかというほど惜しげなくその深い青色を晒しなんだか肌によく馴染む色合いだ。

「うん、やっぱりよく似合ってます。綺麗ですよ、イノリ。このまま宝物庫にコレクションしたいくらいですけど、やめときます。あなたか泣いちゃうのは僕にとっても本意ではないので」

「え」

なんか今凄い物騒な言葉が聞こえたような気がするんだけど・・・気のせいかな?

「ああもう、かわいいなあ。ふふふ、さてと、受け取ってもらえましたし、これからももっともっといろんなもの贈りますね。言ってませんでしたけど僕、あなたを着飾るの大好きなんです・・・次は何がいいかなあ靴はこの間新調したし、髪飾りも・・・・ああそうだこの間の服に合う帯なんてどうでしょう?」

しまったと思ったときにはもう遅かった。ラテイケメンな彼に流されてつい受け取ってしまったが、これで私は贈り物を拒否する口実がなくなった。今の私にできることは、これ以上贈り物のグレードが上がらないようやんわりと説得することだけだった。

 

(でもギルのことだから意味ないかも)

(贈り物そのものなら愛されてるみたいですごく嬉しいんだけどなあ・・・)




 日本人に一番似合う色は銀と紺(or藍)だそうなのでラピスラズリの出番!でもギル的に自分の色の金色を身に付けさせたいと思ってるとかわいいなと思ってわざと金にしました。
 そろそろエルキドゥ出したいので両想いの二人にはいったん離れ離れになってもらいます(外道)。主人公の能力や宝具は追々、というか神代編の最期あたりになっちゃうかもしれないです。

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