弟はマのつく自由業、私はメのつく自由「いえいえ、王たる夫に永久就職です!!」 作:紗代
ホームズさんは妹に振り向きました・・・・
ゆーちゃんとの驚きの再会から数時間。今、私は血盟城とかいう大きなお城に来ています。どうやら話しを聞くには本来ゆーちゃんを呼ぶために起こした渦をゆーちゃんが来る前に私が発見してしまいそのまま流されてしまい、ゆーちゃんはその直後に呼ばれ召喚の際ミスったことを説明され、私の声を聞いていたことを思い出していてもたってもいられなくなった。ということだった。
そしてなんと驚くことに、ゆーちゃんはこの世界の魔王様なのだとか。元々魂が普通の人間と違うことに気付いてたので驚きより納得だった。
「つーかさ、なんで姉貴はそんなに落ち着いてんの?それにさっきのライオンとか、姉貴の?」
「あーうんうん。私のことも話さないとね。実をいうとねゆーちゃん。私、トリップはじめてじゃないの」
「えー!!じゃあここにきたことあんの⁉」
「いや、私が行ったのは古代メソポタミア。まだ神様と人間が同じ世界に暮らしてたとき。私はその世界の都市国家ウルクでお世話になってたんだ。この目の色になったのも、リオたちに出会ったのもそこ」
「まさかの古代だった!?」
「驚き過ぎだよ、ゆーちゃん。私としては弟が異世界の魔王様だったことの方が驚きなんだけど」
「う、いや、その。なんていうか成り行きで・・・」
「まあいいけど、皆さんに迷惑かけ過ぎないように!」
「はい・・・」
「皆さんも、こんな弟ですけどどうかこれからもよろしくお願いします。野球ばっかりで頑固ででも根は真っ直ぐな子ですから」
私がそういうと周りの人々はうなずいたり溜息を吐いたり、あ、そっか。もうある程度分かっちゃってたりするのか。
「大丈夫ですよ。いざというときは我々がお守りしますし、陛下の真っ直ぐさはむしろ長所ですから」
茶髪のさわやかな顔の人、コンラッドさんが優し気に、だけどはっきりとそう言ったのを確認して私もうなずく。
なんだ、ここにも理解してくれる人いるんじゃない。
「いい人に出会ったね、ゆーちゃん。・・・・やっぱりこれ以上やるのは過保護ね」
「?なんか言った」
「いいえ、何も」
「変な姉貴」
そんな風に話し込んでいると菫色の美人さん(男)が元の世界に帰る準備が出来たことを知らせに来てくれた。ゆーちゃんはまだこの世界での仕事が済んでいないようなので帰還は私一人である。あの分だとゆーちゃんはもう大丈夫だ。野球をやめて沈んでいたけど今はもう支えてくれる人がいるみたいだから。
「あーあ。会いたくなっちゃうなぁ・・・・ホームシックかな」
不意にウルクのことを思い出してしまった私はちょっと寂しく思いながら長い廊下を歩いていくのだった。
文中の「やっぱりこれ以上やるのは過保護」というのはもちろん弟に対する自分の加護のことを言っています。
Zero編早く書きたいです!!ただ作者はアニメも小説も印象的場面しか見てなかったりするにわかなのでどうなることやら・・・・
感想を書いてくださっている皆さん、ありがとうございます!!へたくそなりに頑張って書いていきます。