弟はマのつく自由業、私はメのつく自由「いえいえ、王たる夫に永久就職です!!」 作:紗代
小説書くのって難しいですね・・・
あとホームズさん来ません。やっぱり物欲センサー?
旅に出て早一週間。異世界旅行を満喫していると妙な噂を聞いた。なんでも魔族のお偉いさんが生き別れの兄弟を探しているらしい。ここまでは普通にお涙頂戴で済む。けど問題はその探している人物の特徴である。長い黒髪に黒い目で黒いブレザーを着込んだ少女。普通この程度の情報で見つかるようなことはないのだが、この世界では黒髪黒目は非常に珍しく、魔族では最も高貴な色として、人間では不吉な色であると同時に希少価値からなのか不老不死の薬の材料扱いされている。なにそれどこの三蔵さん?
しかし私はここに飛ばされた時点で魔術などの細工が根こそぎ剥がれ、そのせいで元の蒼い目に戻ってしまったので該当しない。おかげで最初に助けた人に怯えられずに済んだ。しかし、問題はむしろ他にある。
そう、服である。私は学校から帰ってきてすぐに水溜まりの渦に触れたから学校の制服、つまり黒いブレザー。
あれ、これやばくね?私は自由に観光したいから旅に出たのであって大事にしたかったわけではないし、まず魔族の知り合いなんていない。ここは化学より魔術が発達してるわけだからもしかしたら顧問魔術師みたいな人が「こんなやつがくるよ~」とか変なお告げとかしたんじゃないのだろうか。だとしたら捕まったら更にややこしいことになる。絶対に。
そして何より、服はこれしかない。結構気を遣って汚れとか匂いとか付かないようにしてはいる。でも心配なので毎日入念に沐浴して服もそじないように気を付けながら洗っている。ハッキリ言って捕まるよりこっちの方が私にとっては重要である。だってこれでも一応年頃の女の子ですからね!
だって服を買いに行くにしてもお金は黄金律でなんとかなっても一番最初に会った女の人がいろんな人に私の事を話したせいで目立つから服屋に行くだけでも噂になりそうだし、魔族のお偉いさんが探し回ってるっていうから気安く街中に出られなくなったから新しい服用意できないままなんだよ・・・・ほんとどうしてくれようか。
そして今現在。沐浴の真っ最中である。盗賊とか物騒な輩は本当は自分で対処すべきなんだろうけど自分の身は守れても服は守れないかもしれないのでリオに見張りをしてもらいながら入っている。のだが
「ヴルルルルル」
「?どうしたの、リオ」
今日はなにか見つけたらしくそのまま森に入っていった。私もとりあえずなにかあった時のために服を着る。と、何やら話し声が聞こえてきた。
『うわ、ライオン!?なんでライオンがこんなとこに!?』
『危ない、陛下下がって!!』
あ、まずい。このままだと戦闘開始のコングが鳴る。
「リオ!何がいたの・・・ってあら?ゆーちゃん?」
「あ、姉貴!?」
思わぬところで弟と再会しました。言い訳どうしよ。
女神様バレするかどうか迷っています。
でも後でギルガメッシュ召喚したいからやっぱりここでは黙秘させておこうかな、とか思ったり。