回転寿司店の厨房が爆発した。
世良の機転ですぐに警察がやってきた。
「聡美くんに世良くんか」
と、警視庁捜査一課強行犯係の目暮警部。
その横には高木刑事と佐藤刑事がいる。
「毛利くんといい君といい、なんでこうも毎回事件に巻き込まれるんだね?」
「はは……」
「で? 爆発は厨房からか?」
目暮や聡美たちは厨房に入る。
厨房は完全に吹き飛んでおり、天井や壁が倒壊していた。幸い、ホールは無事だった。
爆発に巻き込まれたのは、厨房で寿司を握っていた
「刑事さん!」
と、御影の同僚のホール担当のスタッフが声をかける。
「なんですかな?」
「御影は、なんでこんなことに?」
「それはわかりません。ところで、あなたは?」
「あ……僕は
(工藤? 私と同じ……)
聡美は内心思ったようだ。
「工藤さん、お気持ち察します。御影さんが恨まれるようなそういったことはありませんか?」
「うーん……、恨みね……。人に好かれるタイプでしたから、そのようなことはないと思いますが」
「そうですか……」
「あ!」
「何かあるんですか?」
「実は御影、ストーカーに悩まされてたみたいで。御影、女の子にモテる、いわゆるイケメンだから、そういうの多くて」
「ストーカー、ですか……。警察には相談は?」
「警察っていうか、私立探偵に犯人を調べてもらったみたいですよ」
「ほう。その探偵の名前とかは聞いてますかね?」
「えっと、確か、こうり もごろう……」
「毛利 小五郎?」
「そうそう、それでした!」
「よりによって毛利くんが関係してくるとは」
聡美が口を開く。
「警部、これに爆弾が入ってたんじゃないですか?」
現場を調査して見つけた金属の箱を示した。
「煤はついてますが、これだけ歪んではいますが壊れていません」
鑑識が箱を受け取った。
「工藤さん、店が加入している警備会社は?」
「えっと……確か、
「店長さんは今日は?」
「今日はお休みですね」
「そうですか」
高木——と、目暮が高木を見る。「店長さんに事件を伝えてくれ」
「わかりました」
店長を調べ、事件を報せに行く高木刑事。
「聡美くん、犯人はわからないのかね?」
「いくらなんでも手がかりが少なすぎます。そりゃまあ、箱から指紋出ればあれでしょうけど。とりあえずは蘭のお父さんに話聞いてみませんか?」
「そうだな」
佐藤くん——と、目暮。「私は毛利くんのところへ行く。ここは君に任せる」
「わかりました」
目暮と聡美、世良は毛利探偵事務所へ。
「毛利くん、邪魔するぞ」
「警部どの、どうされました?」
「御影 健一、知ってるな?」
「いや、なんのことでしょう?」
「とぼけるな。御影の同僚から聞いたぞ」
「いや、私は本当になにも」
「守秘義務で依頼人を守りたい気持ちはわかる。だがな、その依頼人が事件に巻き込まれてな」
「事件? またスト……」
「爆破事件だ」
「……爆破事件!?」
「ああ。寿司屋の厨房で荷物を開けたところ、爆発して両手を吹っ飛ばされてな」
「そ、それじゃ、御影さんはもう寿司を?」
「そうなるな。運良く移植できればまた握れるかもしれないがな」
「そんな、御影さんが。犯人はわかってるんですか?」
「それを知るために来ておるんだろうが。依頼の調査でわかったことを教えてくれ」
「
「その朝倉とはどういう?」
「ゴリーラーマンですよ」
「ゴリラーマン?」
「漫画のキャラクターでして、それに似てました」
(それ随分醜い女性ね)
「その女の連絡先を教えてくれ」
小五郎は調査資料を探す。
「これです」
目暮が住所をメモる。
「それじゃあな。あ、今回は聡美くんがいるんでな。お前は来なくていいぞ」
目暮、聡美、世良は事務所を出た。
「さて」
車で朝倉の家へ向かった一行。
ピンポン、インターホンを押す。