聡美は帝丹高校から出て帰路に就いた。
一緒に帰るのは蘭と園子、それから世良だ。
「ねえ、三人とも」
と、蘭。
「どうしたんだ、蘭くん?」
世良が訊く。
「帰り道に小学校通るから、コナンくん迎えに行こうよ!」
「そうだね」
と、聡美。
四人は帝丹小学校にやってくる。
校門の前に立っていると、警備員がやってきた。
「君たち、何か用かな?」
「コナンくんを待ってるんですよ」
「ここで待つより、中へ入ったらどうかね?」
「そうですね」
四人は校内に入った。
一年の教室へ行く。
「コナンくん」
元太たちと話していたコナンがこちらを見る。
「あ、蘭姉ちゃんたち、どうしたの?」
「帰るついでだから迎えに来たのよ」
「そうなんだ。でもごめん。みんなと博士の家に寄ることになってるから」
「そう。遅くならないうちに帰ってくるのよ?」
「うん」
四人は帝丹小学校を後にした。
「どっか寄っていかない?」
と、園子が言う。
「どっかへってどこへ?」
その時だ。
「きゃああああ!」
女性の悲鳴が聞こえてきた。
聡美は悲鳴の元へ駆けつける。三人も追ってきた。
「何かあったんですか?」
聡美の問いに女性が指を差した。
その先にはマンションがあり、その前に男性が血だまりの上に横たわっている。
聡美は男性の生死を確認した。
「どうなんだ?」
と、世良。
聡美は首を横に振るった。
「何があったんですか?」
「私、そのマンションなんだけど、いきなり上から落ちてきたのよ」
聡美と世良が屋上を見上げた。
特に怪しいものはない。
「上、行ってみるか?」
「蘭、警察に通報しといて」
聡美と世良が屋上へと向かうが、しかし、そこへ繋がるところに柵状のドアがあり、錠前で閉ざされていた。
ここへ登ってくる間、誰ともすれ違ってはいなかった。屋上の前までエレベーターで上がった時に、もし犯人が存在するとしたら、非常階段で逃げた可能性がある。
二人は地上に降り、警察の到着を待った。
やがて、サイレンが聞こえ始め、それが近づいてきて、覆面パトカーが姿を見せる。
覆面パトカーから、目暮警部たちが降りてきた。
「聡美くんか。何があったんだね?」
聡美は目撃者のことを示した。
「彼女が事件の目撃者です」
「事件? 殺人なのかね?」
「恐らくは」
聡美に次いで、世良が口を開いた。
「たぶんあそこから落ちたんじゃないかな」
世良はそう言って、屋上を指差した。
……。
…………。
………………。
「えー、亡くなったは、このマンションの管理人で、
そう高木が事件の説明をする。
「警部、現場付近で不審な行動をしていた二人を連れてきました」
と、佐藤刑事が二人の男性を示した。
「あなた方は?」
左の男が言う。
「俺は
「付近で怪しい動きをしていたというが?」
「ああ、コンタクトレンズを落としてしまいましてね。それで探し回ってたんですよ」
(新しいの買った方が速いんじゃないの?)
と、聡美は思った。
「あなたは?」
「僕は
「付近でなにをしていたんですか?」
「すみません! 空き巣に入る家を物色してました! でも、今日は入ってません! 本当です!」
「空き巣はしないように! けど、今回は空き巣じゃなくて、殺人事件なんですよ」
二人の顔が驚きの表情に変わった。