新一が蘭と共に、トロピカルランドでジェットコースターの順番待ちをしている。
二人がコースターに搭乗し、次の二人が座ったとき、「どけどけ、俺たちが先だ!」と、黒ずくめの二人組が、その後ろの順番を割り込んで席に着いた。
発車するコースター。
コースターの走行中、新一の後ろの男性の首が吹っ飛ぶという
犯人は、新一の前に座っていた体操部の女子大生で、トンネルの中で被害者の首にワイヤーを回し、ワイヤーの先端のフックをレールに引っ掛け、コースターの圧力で首を吹っ飛ばすという大胆な方法で殺害したのだった。
その帰り、新一は黒ずくめの男の怪しい取引を目撃し、もう一人の男に襲撃され、目が覚めたら体が縮んでいた。
新一は何とか家に帰り、中に入ろうとするが、門を開けられない。
そこへ阿笠が通りかかり、新一に声をかけた。
「僕、何をしているんじゃ? そこは工藤兄妹の家じゃぞ」
「博士! 俺だよ、俺! 新一だよ! 変な奴らに変な薬飲まされて小さくなっちまったんだ!」
新一は阿笠にことの発端を説明した。
「怪しいやつめ。警察に突き出してやる!」
だが、信じてもらえず、引きずられる。
新一は阿笠のヒゲに付いたケチャップや、ズボンの裾のシミを見て、彼がコロンブスというレストランに行っていたことを推理した。
「ほ、本当に新一なのか?」
「だからそうだって言ってんだろ」
「そんなことって……」
信じられないという顔をする阿笠。
「とりあえず、中へ入れ」
阿笠が門を開ける。
二人は工藤邸に入り、書斎へ向かった。
新一が幼い頃に着ていた服に着替える。
「新一兄ちゃん、帰ったの?」
そこへ、聡美がやってくる。
「おお、聡美か。大変なことになってしまったんじゃ」
と、阿笠が言う。
聡美は阿笠の隣にいるメガネをかけた小さな新一を見る。
「……誰?」
「こいつは新一じゃ。変な奴らに毒薬を飲まされて体が縮んでしまってのう」
「はあ? 薬で体が縮んだ?」
聡美の問いに、「そうなんだ」と、新一が答える。
そこに、蘭が現れる。
「新一、帰ってるの?」
「あ、蘭!」
「聡美、新一は?」
「知らない」
「あら?」
蘭が新一に気付く。
「君は?」
新一は、名を聞かれて、とっさにこう答えた。
「コナン。僕の名前は
「変な名前ね」
「お父さんがコナン・ドイルの大ファンで」
と、新一改めコナンが言う。
「そうなんだ」
蘭はそう言ったあと、阿笠を見た。
「この子、どうしたんですか?」
「実は両親が交通事故で入院してのう。しばらくうちで暮らすことになったんじゃが……。そうじゃ! 蘭くんのところでこの子を預かってもらえんかのう!? その方がコナンくんも喜ぶじゃろう!」
「別にいいですけど……」
「そうか! そいじゃ決まりじゃな! 蘭くん、コナンくんをよろしくな」
「はい」
コナンは蘭に連れられ、蘭の父親が探偵をやっている事務所に転がり込んで行った。