「聡美姉ちゃん」
「うん?」
「あの刑事さんと知り合いなの?」
「うん、まあ」
「どう言う知り合いなの?」
「探偵と警察の関係かな」
「お姉ちゃん、探偵なの? 格好いい」
「間違っても加村くんは探偵にならないでね。探偵には危険がつきものだから」
「うん」
話しているうちに、二人は加村家に着く。
「じゃあね」
加村は家へと入っていった。それを見送った聡美は、来た道を戻った。
「聡美?」
「え?」
振り返ると、帰宅途中の蘭と
「あ、蘭お姉さん」
「蘭お姉さん?」
「クリスちゃんの真似だよ。気にしないで」
「あれ? 聡美ってクリスちゃんと会ったことあるの?」
「あるって、あるに決まってるわよ。血縁者だから」
本人だ、とは言わないが。
「ていうか、今までどこにいたのよ? あなたまでいなくなったと思って心配したんだから」
涙目になる蘭。
「ごめん。成り行き上話せなくて」
「で、どこ行ってたの?」
「それは……」
「まさか、言えないことなの?」
「お兄ちゃんのお手伝いに行ってたんだよ」
「新一の?」
「うん」
「なんで連れて帰ってこないの?」
「事件が彼を捕まえててね」
二人の傍で苦笑するコナン。
「え? まさか向こうで逮捕されちゃったの?」
「それはない」
「そう……?」
「それより、久しぶりにカラオケどうお?」
「いいわね。行きましょうよ!」
と、園子。
「ボクも賛成だな」
「ガキンチョも行く?」
と、園子がコナンを見る。
「いや、僕はいいよ」
「そう」
「じゃ、先に帰ってるね」
「気をつけるのよ。知らない人についてっちゃダメだからね」
(大きなお世話だっつーの)
コナンはそう思いながら、毛利探偵事務所まで一人先に向かっていった。
四人は近くのカラオケ店へ入って行く。
すると、志村が姿を現した。
「志村刑事!?」
「おお、聡美くんじゃないか。カラオケか。私もヒトカラをしててな。四人とも一緒にどうだ?」
四人は相談し合った。
「ご一緒しましょう」
御一行は志村が取った部屋に入った。
「ん?」
入りぎわに不審な行動を取る女性を見かける聡美。
「志村刑事」
「なんだ?」
「あの人、職質かけてくれる?」
「うん?」
怪しげな行動をする女性を見る志村。
「ちょっと、君」
志村が女性に声をかけた。
「え?」
女性が振り返る。
志村は警察手帳を見せる。だが女性は微動だにしない。
(あの人……)
聡美は女性が目を瞑っていることに気づく。
「もしかして、あの人、今話題の盲目歌手じゃない?」
と、園子が言う。
「盲目歌手?」
「うん。確か、
志村と女性の会話に耳をすませると、確かに女性は平手 歌子と名乗っていた。
「きゃああああ!」
その時、女性の悲鳴がどこからか聞こえてきた。
聡美と世良は駆け出す。
悲鳴の元は女子トイレ。そこに、腰を抜かした女性と、個室に撲殺された遺体の姿があった。