名探偵コナン〜新一の妹〜   作:桂ヒナギク

26 / 53
26.沖矢昴

 クリスは学校に登校する。

「おはよう、江戸川さん」

 と、加村。

「お、おはよう……」

(臭いんだよ!)

 クリスは内心で突っ込んだ。

「おはよう、クリスちゃん」

 歩美がやってくる。

「おはよう、歩美ちゃん」

「おっす」

 と、元太。

「おはようございます、クリスさん」

 と、光彦。

「おはよう、小さな名探偵さん」

 と、灰原。

「あー、眠い」

 と、夜中の三時ごろまで推理小説を読んでいた推理オタクが言った。

「おい、今、誰か何か言ったか?」

「気のせいだよ、お兄ちゃん」

「じゃあ、放課後ね」

 と歩美が言うと、少年探偵団のメンバーが教室に入って行く。

 クリスは加村と共に自分の教室に入った。

 

 

 放課後、クリスは帰り道を加村と歩いていた。

(臭いわね。はっきり言ってやるか)

「加村くん、風呂入ってる?」

「オデん家、風呂がないんだ」

「はあ!?」

 論外だった。

「待って。風呂がないなら、銭湯とか行かないの?」

「お金がないって、親が行かせてくれないんだ」

「じゃあついて来て」

 クリスは加村を連れて工藤邸へやって来た。

「ここって?」

「親戚の家。今は留守だけど、とりあえず風呂に入りましょう?」

 クリスがドアに鍵を差し込んだ。

「あれ?」

 解錠方向に回らない。

 クリスはドアノブに手をかけ、開けた。

「誰かいるの?」

 中に入るクリス。

「加村くん、そこで待ってて」

 そう言って奥へと進んで行く。

 すると、茶髪のメガネをかけた男性、沖矢(おきや) (すばる)が書斎で本を読んでいた。

「お兄さん、誰? ここは工藤さん宅だよ」

「君は……?」

「江戸川 クリス、探偵よ」

「あ……じゃあ、君がコナンくんの言っていた妹さんだね? 僕は沖矢 昴」

「昴? 赤井 秀一さんなの?」

「そうだよ」

(あいつも一言話してくれればいいのに……)

「友達を風呂に入れるから」

 クリスは玄関に行き、加村を招き入れた。

 加村はお風呂に案内され、入浴をした。

 やがて、お風呂から上がった加村からは、異臭が消えていた。

「ありがとう、江戸川さん」

 加村はそう言って帰っていった。

「クリスさん?」

「何、赤井さん?」

「昴と呼んでくれるかな?」

「何、昴さん?」

「君も組織の連中と接触したんだよね?」

「うん。で、例の薬を手に入れてね」

「例の薬?」

「聞いてないの? お兄ちゃんや灰原さんを小さくした毒薬。アポトキシン4869……」

「薬で小さく? コナンくんは小学生じゃないのかい?」

「高校生探偵の工藤 新一。私は双子の妹で聡美」

「なるほど。彼はあの時の魔法使いだったのか」

 昴は一人納得していた。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。