聡美は研究室で灰原と話していた。
「え、小さくなる薬を作れですって?」
「うん。奴らには顔が割れてるから、暫く幼児化しといたほうがいいかなって」
「だけど、死ぬかもしれないのよ?」
「お兄ちゃんが小さくなったのよ。同じDNAなら小さくなると思うわ」
「どうなっても知らないから」
灰原はアポトキシン4869を精製した。
「できたわよ」
聡美は受け取ったアポトキシンを飲んだ。
やがて体が熱くなり、聡美は縮んだ。
「おーい、灰原ー!」
コナンがやってくる。
「って!?」
コナンは聡美を見るなり慌てて後ろを向いた。
聡美が裸だったからだ。
「あ、お兄ちゃん」
「え?」
コナンは振り返る。
「誰だ、お前?」
「聡美よ。私も小さくなったのよ」
「何? ていうか服を着てくれ」
聡美は灰原から借りた服を着た。
「で、組織の連中と接触したから、アポトキシンを手に入れたと?」
「うん」
「バーロー! 一歩間違ったら死ぬかもしれなかったんだぞ!」
「大丈夫よ。DNAが同じで確信があったから」
「ま……無事ならいいけどよ」
「さて、私も小五郎さんのところに厄介になるわ」
「ちょっと待てよ。何勝手に決めてんだ?」
「いいじゃない、別に。あ、私のこと、みんなの前ではクリスって呼んでね。江戸川 クリスよ。コナンの双子の妹なんだから」
聡美もといクリスはそう言って、コナンを引き
「へえ、クリスちゃんっていうの? よろしくね」
「よろしくね、蘭お姉さん」
ガチャ、と扉が開いて小五郎がやってきた。
「お父さん、今日からまた居候が増えるから」
「何?」
「この子よ。コナンくんの双子の妹でクリスちゃんっていうのよ」
「そうか。ちゃんと面倒見てやれよ」
「ちょっとお父さん! その言い方はなに? クリスちゃんはペットじゃないのよ、ペットじゃ」
「いいよ、蘭お姉さん」
「クリスちゃんがいいなら……」
不満そうな顔をする蘭。
「ところでお兄ちゃん」
「なんだ?」
「少年探偵団紹介してよ」
「いいよ」
「じゃあ、早速」
「今?」
「うん」
コナンは少年探偵団の連中を集め、クリスを紹介した。
「お兄ちゃんがお世話になってます」
「別に世話なんかしてねえぞ」
と、
「コナンくんにこんな可愛い妹さんがいたなんて驚きです!」
と、
「クリスちゃんもコナンくんみたいにサッカー得意だったり、推理力抜群だったりするの?」
そう訊ねるのは、
「推理力には長けてるけど、サッカーは得意じゃないな」
「そうなんだ。これからよろしくね」