教室。
「はあ……」
ため息を吐く聡美。
「どうしたの?」
と、蘭。
「洋一くん、死んじゃうし。その洋一くんがストーカーの加害者だったなんて、複雑な気持ちだよ」
「でも、犯人は捕まえたんでしょ?」
「まあね」
「あ!」
聡美は江古田の生徒を思い出す。
「あの人、誰だったんだろう?」
「あの人?」
「うん。江古田高校にね、新一にいちゃんそっくりの男子生徒がいてね」
「へえ」
と、その時。
「蘭!」
園子がやってきた。
「どうしたの? 園子?」
「次郎吉おじさまが、怪盗キッドの予告状を受け取ったのよ!」
次郎吉と言えば、鈴木財閥の相談役である。
その相談役が受け取った予告状の内容によると、次郎吉が大切にしている宝石展に出している宝石をいただき参上するとのことだった。
聡美、コナン、蘭、園子の四人は、宝石展の会場に足を運んだ。
会場には捜査二課の刑事が集まっている。
(ん?)
聡美は不審な人影に気付く。
不審な人影は聡美に気付くと逃げてしまった。
(何だったの?)
その時、停電が起きた。
「停電!?」
と、コナン。
聡美は電力室に向かった。
電力室から白服の何者かが出て来る。
(おっと……)
物陰に隠れる聡美。
白服の何者かは、次郎吉の宝石を目指して走る。
その後を追う聡美。
電気が点くと、宝石がなくなっていた。
そして先ほどの白服が、部屋の中央に立っている。
「キッド!」
と、コナン。
(あいつがキッド……)
逃げ出すキッド。
聡美とコナンは追った。
キッドは窓ガラスを貫通し、空へ飛び立った。
彼が貫通した窓ガラスには、傷一つなかった。
(逃がすかよ!)
聡美はすぐさまバイクでキッドを追った。
キッドは黒羽という家へと入っていく。付けられてるとも知らずに。
(黒羽?)
家を見る聡美。
(ここって確か、亡くなったマジシャン黒羽 盗一の家……)
なるほど、聡美はキッドの正体に気付いたようだ。
(これは面白いことになったわね)
聡美はインターホンを押した。
「はーい」
江古田で見た男子生徒が出て来る。
「あ……」
江古田の生徒、
「あ、えっと……」
「こんばんは、怪盗キッドさん?」
「え!?」
驚く快斗。
「黒羽 快斗くん。怪盗キッドは、あなたですね?」
「な、なんのことかなあ? 俺は怪盗キッドじゃないですよ」
「嘘! この家に怪盗キッドが入ってくの見たわ!」
「そ、それ誰にも言うな!」
「いや、言わないけどさ。私の言うこと、何でも聞くってんなら」
「……聞きます」
「とりあえず、連絡先」
聡美と快斗は連絡先を交換した。