あの新一に双子の妹がいるという設定です。
稚拙ですが、楽しんでもらえると幸いです。
工藤邸。
キッチンで料理をしているのは、日本警察の救世主と言われた、名探偵の
推理力は兄と引けを取らないくらい長けている。
「はーい、ご飯できたわよー」
と、聡美はテーブルに料理を並べる。
席には新一が座って運ばれてくるのを待っていた。
「ねえ、今日は蘭とデートだったよね?」
「ああ、そうだな。空手の都大会で優勝したからトロピカルランドへ連れて行く予定だ」
新一は聡美の料理に手をつける。
聡美も席に座って食べた。
食事を終えた頃、家のインターホンが鳴り、新一が出た。
そこには、とんがり頭の端正な顔立ちをした女の子、
「よう、蘭。今、食事終えたところだから、準備してくるから待ってろ」
新一はそう言って、支度をして蘭と共に出かけた。
一人になった聡美は、まだ眠気も残っていたので、自分の部屋に行き、ベッドに横たわった。
その時、どこからともなく爆音が聞こえてきた。
慌てて窓の外を見ると、隣の家から煙が上がっていた。
「なんだあ!?」
聡美は慌てて
中では、
「阿笠
聡美は阿笠を工藤邸の書斎で傷の手当をする。
「博士、今度はどんな発明をしてたんですか? 朝っぱらからとんでもない爆音響かせて。せっかく、二度寝をしようと思ってたのに」
「君を起こそうと思ってな。目覚まし時計よりは確実に起きるじゃろ」
博士はケラケラ笑いながら言った。
「全く……。で、どんな発明をしてたんですか?」
「よくぞ聞いた! いいか、誰にも話してはならん。ワシとお前たち
阿笠は胸を張って真剣な表情で聡美を見る。
「コイツはな、個人用移動ロケットだ。完成すれば交通渋滞は解消され、ワシは大金持ちになれる。ナッハッハッハッハ!」
「……そうは見えないけど」
陽気に高笑いをする博士とは対照的に、呆れた表情の聡美。
「ま……見とれ」
阿笠は自信満々に言って、ベルト部分のコントローラーを操作したが、思うようにコントロールが利かず、博士は本棚に激突し、あっけなく地に焦れ落ちた。
「ダメだこりゃ……」
あ!──と、聡美は思い出したように口を開く。「博士、行きたいところあるんで、車出してもらえます?」
「それは構わんが、どこへ行くんじゃ?」
「ちょっと
「バイクを買うのか?」
「うん。いつも博士に車に乗せてもらってちゃ悪いからね」
「ほい、わかった」
聡美と阿笠は彼の愛車のビートルで、杯戸町のバイク屋へ足を運んだ。