だから遅くても許してクレメンス。
はい、ごめんなさい。
そんなこんなで今回はみんな大好きおっぱいマンの登場だ!
…まあ出番はほとんど次回だろうけど…
第6特異点レイシフト3日前〜
『ロマン!!マシュちゃんが倒れたって聞いたぞ!!大丈夫なのか!?』
『くず男くん!…うん 、ちょうどぐだ男くんと一緒にいたらしくてね、ぐだ男くんが運んできてくれたんだ…大丈夫。今のところ何にもないよ』
——レイシフトが迫り、各々の準備を済ませる日々を送る中、マシュちゃんが倒れたという情報はすぐに俺の元までやってきた。
当然俺は医務室に急行し、ロマンに現状を聞いていた。
医務室はあいも変わらず真っ白で、そこに二つの人影が見える。
いつものパーカーではなく、白い患者服のようなものを着て、目を閉じ静かに眠っているマシュちゃん。
そしてそんな彼女の手を握り優しそうな微笑みを浮かべながらじっと側に座り込むぐだ男。
ガラスの向こうの景色を目に収め、とりあえずは俺も冷静になっていった。
『これを機に、話そうと思う…君とぐだ男くんには…
マシュの寿命が…もう数ヶ月しかないことを…』
ー《F/GO》ー
正門 前〜
どうしてこうも悩ましいことが多いのだろうかねぇ…
マシュ・キリエライト。
デミ・サーヴァント計画。
英霊を実体のある肉体に降ろし、英霊の人格等を無視して能力をフルに活用する計画だ。
マシュちゃんはそのために作られたデザイナーベビー。
一流の魔術回路に、英霊に適合できるように調整された肉体と心の持ち主。
その反動ゆえに、彼女の寿命は限りなく短い。
その寿命は…
『18年。つまりマシュは18歳で死んでしまう…そして今年でマシュは17歳…もう…時間はないんだ…』
ガリッ…
「っつ……」
人差し指を噛んで一旦思考をクリアに戻す。
じんわりとした痛みが、視界を現状に戻してくれる。
気づけばいろんなところから人が集まってきたのだろう。正門前は一種のキャンプ場のようだった。
「いよいよ聖抜か…聞いた時から思ってたんだが、嫌な予感がする名前だよなぁ?」
「そうだね。聖抜。間違いなく“なにかを選んで引く抜く”って感じだけどじゃあ
隣のダ・ヴィンチも同じ考えらしい。
それに選ばれたのもその後どうなるのか…まあ全部見届けてからだ…着た…正門が大きな音を立てて開いていく…
大きな甲冑を身に纏い、槍、剣、弓を携えた騎士たちがガシャガシャ行進してくる。
しばらくすると騎士たちは左右に開き、中央から1人の男が歩いてくる。
メガネなんて使わなくてもわかるくらいの馬鹿げた魔力…あれはサーヴァントだ。
「私は獅子王の騎士、ガウェイン。これより聖抜を行う」
ガウェイン!?アーサー伝説に登場する円卓の騎士の1人。太陽の騎士とも言われるサー・ガウェイン。
ってことはあの手に収まってるあれは…
「エクスカリバーの姉妹剣…おいおいおいおい〜…いきなり化け物が出てきたぞぉ?」
アルトリアさんの象徴とも言える宝具。聖剣の頂点に座する剣、エクスカリバー。あのガウェインが持ってるのはそれ同様、湖の乙女が授けたもう一振りの聖剣。
「単純な力比べじゃ勝てないなぁ…戦闘にならないようにしよう…」
「そうだね。私もそれが正解だと思うよ」
「野郎ヌッコロしてやる!!」
「黙れ白ゴリラ」
「燃やすわ」
「黙れ処女」
「(ゴリラじゃ)ないです」
「しょ、処女ちゃうわ!」
「お、そうだな」
「否定しなさいよ!!」
「お、そうだな」(2回目)
「こいつ…」
なんてやり取りを進めてると、聖抜は終了し、何人かの人たちが騎士に連れて行かれる。
しかし、次の瞬間、
「聖抜は終わった。これより
「……へ?」
騎士が一斉に選ばれなかった側の人間を襲い始めた。
人々は悲鳴をあげながら、聖都とは反対方向に走り出すが、すぐに追いつかれてしまう。
「お願いします!その子も…その子も一緒に…!!」
思考がはっきりした時、近くで騎士に連れて行かれる母親らしき選ばれた人物と、選ばれなかった幼い息子らしき子供がいた。
息子は幼さ故に現状を把握できずに、目の前で自分に向かってくる騎士の剣がなんなのか分からず、動けずにいた。
母親は騎士の手を振り払い、息子を抱きしめ庇う。
このままでは騎士の剣は母親を切り裂くだろう。
ああ、結局、こうなるのか。悪い予感の的中率だけは…
「昔から良かったんだよなぁッッ!!!」
俺は素早く親子と騎士の間に滑り込み、騎士の顔面…は兜で覆われてるから、首下の隙間を狙って、ナイフを突き刺す。
対サーヴァント用ナイフだ。痛かろう!!
その隙に…!!
「ジャンヌ!!」
「任せてください!バリバリ-」
ジャンヌが親子を抱えて後方へバック!!
よし、今だ!!
「邪ンヌ!!イイぞ!燃やせ!!」
「そー!そー!これですよこれこれ!!これこそジャンヌ・ダルク・オルタ!私のキャラクターですよ!!アッハッハッハッハ!!もーえろよもえろー!!!!」
「あかん、しばらく出番と役割がアレだったせいでストレスが溜まってたんだ!どこぞの燃やすしか能のない占い師みたいになってる!!」
「Yes! I am!!」
「正気に戻れ!お前はバーサーカーじゃなくてアヴェンジャーだろ!?」
俺は炎に包まれた騎士から距離を取り、ナイフに付いた血を拭う。
しかし騎士は炎をかき分け、手に持つ剣を振るいながら走ってくる。
ほかの手も空いてる騎士も俺たちを殺そうと四方八方からやってきた。
簡単に言って乱闘である。騎士の誇りはないのか!?
『剣からビーム。これで数人は◯れます』
あ、なんか騎士の王様がアレやし無理かもしれん。
「……」
太陽の騎士は、静かに剣を抜く。
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