シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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お久しぶりでございます。
少々色々あり、投稿に手間取りましたが、なんとか出来上がりました。
次回で五章最終回ですが…いやあ道のりは長いですねぇ、正直しんどい。感想と評価をくれ(強欲)

あとメイヴのキャラにも迷いました。こんなじゃねえだろとか、こんな口調だったっけ?とかそんなんで時間がだいぶ経過。もう無理キツイ。
メイヴはもうこれ以上書きたくない。

あ、本編どうぞ。




再会!最凶と最低!再び出会う!!「俺いつから凡人から最低にランクダウンしてるの?」

 

…さて、戦ろうか…野蛮人ども。

挨拶代わりに何本か剣を投擲する。模範としたのは以前カルデアのデータで見た教会の代行者という輩達が使っていた黒鍵という武器だ。

扱いづらく、使用する人間はそういないというが、俺は投擲に関して軽さと細さ、切れ味でこれに勝るものはないと思う。

 

まあ前は筋力的にあんな化け物じみたスピードで投げることはできなかったが今は違う。

右手から三本づつ鱗剣を取り出し、左手で構え、そして投げ込む!

 

「そら!!」

「効かないわ!!」

 

まあといってもあくまで挨拶がわり。ほんの小手調べだ。当然弾かれる。

遠距離では無意味だと理解し、入れは近距離戦に持ち込む。

 

「どう?どう!?あなたも男なら私に鞭打たれるなんて嬉しいでしょう!?」

「あいにくスイーツ系はお断り。というわけで吹っ飛べェェェ!!!!!」

「このぉ…!!」

 

迫る鞭をどんどん剣で捌いていく。しかし相手はスイーツだろうが女王だろうがビッチだろうがサーヴァントはサーヴァント。

無論そんな長時間受け止められはしない。

 

「だがそんなの関係ねえ!俺は俺の仕事をするだけだ…

ぶち殺すぜクイーンッッッ!!!!」

「生意気!!」

 

鞭がしなり、剣が空気を断つ。

互いの武器がぶつかり合うたびに始める音が街に響く。

しばらくすればパレードに非参加だった外の警備組のケルト兵が何体か戻ってくる。

槍や剣、ルーン魔術がすっ飛んでくるが、基本御構い無し。右手で払えば吹き飛ぶ葉っぱのごとく、軽くあしらえる。

近づけば石化させるし、というか殴れば戻って来ねえ(永遠に)

 

「うおおおおおお!!!メイヴちゃんサイコォォォォォォォォ!!!!!!」

「「「「「「サイコォォォォォォ…ォォ…ォ、ォ…ォォ……」」」」」」

 

なんか叫びながら近づいてくるが、焦らず石化させ、動きが鈍ったところを全員突き飛ばしていく。

 

「邪魔」

「タコス!!」

「ぶべらぁッ!」

「アベシッッ!!」

「ありがとうございます!!」

 

なんか変なのいたけど気のせいだろ。

 

そもそもこいつら元からおかしいし。

 

「やるわね。あなた本当に人間?実はサーヴァントなんじゃないの?」

「それはないな。まあ全く違うってわけじゃねえが…半分正解だよクイーン!!」

 

全方位から迫る野蛮人諸君。しかし俺は慌てず落ち着きながら鱗剣で首を綺麗にかっ飛ばしていく。

 

「アンカー!!」

 

鎖を出してメイヴの足元あたりの地面に差し込む。そのまま収納とともに俺の体も引っ張られるが、当然その向きはメイヴのいる方向。俺は奴の首元に刃を叩き込もうとするが、

 

「甘いわ!こんなもの…」

 

メイヴは足元に刺さったアンカーを引っこ抜き、自分の方に引っ張り始めた。

もともと鎖の収納でかなりのスピードが出ているのにもかかわらず、引っ張られたことによりさらにスピードが上がり、さらに安定性すらなくなってしまったため…

 

ガクッッ

 

「ッッッ!!ヤベ」

 

剣は明後日の方向に空振り、空中のせいで身動きが取れなくなった俺にメイヴは当然追撃してくる。

 

「メイヴキーック!!」

 

なんともアホらしいネーミングだが、まじかでその細い足が持ち前の鞭のごとくしなって飛んできたらそりゃビクる。

なんとかローブ内で右手を使いガードするが、空中ゆえに空に俺はぶっ飛んでいった。

 

地面に激突した瞬間、アホらしい「ぶへっ」なんて声を上げつつゴロゴロ転がっていく。

まあガードしたお陰でそこまでダメージはないが…

 

「…〜〜〜〜ッッッ!!!?なによあなた!無茶苦茶硬いじゃない!!ありえない硬さなんだけど!?」

「お、俺の右手はちょっと特殊でね…ガードがギリギリ間に合ってよかったぜ…まあ痛いけどな(地面に叩きつけられて…)」

 

 

 

 

「メイヴちゃんサイコォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」

「「「「「「ウェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッッッッッッッッ!!!!!!」」」」」」

 

転げ回ってたら再び登場ケルト兵諸君。

再登場はやスギィ!!ていうか

 

「鬱陶しいわクソッタレがァァァァァァ!!!!」

 

槍兵の腕をへしおり、悶絶してる間に槍を奪い、反対側にいた奴の首に深々と差し込み、そのまま槍ごと投げ飛ばす。

それにくっついて他のやつもぶっ飛んでいったが、周りを見るで…

 

おうおう…際限なく出てくるわゴキブリ兵ども…

 

「「「「「「「「「メイヴちゃんサイコォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!!!!」」」」」」」」」

 

「ザッケンナコラァ!!スッゾコラァァァァァァ!!!!!?」

 

 

「…あなた…」

 

クイーンはケルト兵をなぎ倒しながら近づいてくる俺をじっくりと舐め回すように見ていた。

見定めるというべきか?

まるで何かと見比べているかのようにも見える…

 

 

 

 

 

 

———まあ関係ない。殺し、勝つのは俺らだ。

 

「邪魔だっての。それ」

 

軽い声とは真逆に重いのを何発か打ち込んで地面にめり込ませる。

何体なぎ倒し、めり込ませ、砕き、彼方に吹き飛ばしたかは忘れたが、ようやくメイヴに近距離で打ち合える場所まで戻ってきた。

 

右手を解放する。ローブからそのごつい右手を取り出し、先程投擲に使い剣がなかったのでもう一本生成し取り出す。

 

「私になびかない男…魅了スキルがあるサーヴァントでも?…それじゃあまるで…」

「さあね。俺はすでに魅了されているんだよ。

———相手が悪かったな恋の女王。相手が女神じゃあ…格が過ぎた」

 

何を惚けているかは知らねえが、俺は遠慮なくその腹に剣を突き刺した。

 

「うッッッ…このッッ…!!」

「丸出しボディが悪い!!もう少しあったかい格好してな!!オラァッッッ!!!!!」

 

さらに右手によるストレートを顔面に叩き込み、そのまま吹っ飛んでいくと街の建物に貫通し瓦礫と化した建築物に押しつぶされていった。

 

って…思いたいんだが…相手はサーヴァントだし、瓦礫程度どうということないだろうなぁ…まあ霊核はぶっさして壊しといたし退去は間違いないと思うけど…

 

「いっっ…たいわね…」

(生前()を思い出して動けなかったなんてね…)

 

 

 

 

 

 

 

——私になびかなかった男。

敵を屠り、血を浴び、己が武器を振り回す勇士。

私はそんな男に会い、恋をした。

 

じゃあこの目の前にいるこの男は?

 

こいつのことは前々から偵察兵からの報告で知っていた。

 

あのスカサハと戦い、耐え抜いただけでなくしばらく行動を共にしていた。

 

全然似てない。顔はそこまで良くないし、並以上には強いのだろうけど彼には全く及ばない。

 

でも…どこか彼と重ねた。

 

 

 

 

 

 

「…ふふふ。危ないわね。あなた」

「お前みたいなおかしいやつに言われたかねえ。とっとと死ね。死んで失せろ。まだ俺にはやることあるんだよ」

 

(やっぱ似てないわ。こんなのじゃない。)

 

急に首を振り始めるとクイーンは懐から淡く輝く物体を取り出した。

 

聖杯!

 

しかし、ここまで恋に溺れた女が潔く聖杯を差し出すのか?

俺は飛び出しかけた手を引っ込め、不審がる。

 

 

その瞬間、聖杯が赤黒く輝き出す。

 

中から出てきたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…クソッタレが…なんで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!!!!」

 

黒く、気味の悪さ、醜さで言えばこれ以上はない…そう信じたいレベルの肉塊。

巨大な柱。肉の柱だ。

 

裂けた肉の隙間から出る無数の瞳が俺を射抜く。

 

 

 

()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「なんで()()()()も生えてんだのこ雑草擬きどもがァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

魔神柱。総勢二十八本。

 

流石のメンタルクオリティな俺でも発狂するっての。

 

二十八人の…戦士(クラン・カラティン)…!!」

 

メイヴは俺がぶっさした剣を引っこ抜き、俺を笑いながら見ていた。

そして呟かれる言葉。まさか宝具?いや、だとしても聖杯を使った宝具なんて条件が無茶苦茶だしそれに出てきたのは魔神柱!

宝具ではない…が、ヤバいことに変わりはない。

 

「さあ…あなたは勇士?それともただのつまらない人間?できれば勇士であって欲しいけど…ごめんなさい?私そろそろ戻らなきゃ。私の王様のところにね」

「うおい!こんな爆弾残して行くのかよ!?だああああァァァァァァ!!!!!このクソッタレビッチクイーンがッッッ!!!」

 

メイヴはチャリオッツに乗ってどこかへ行ってしまった。もうあの霊基だ。そう長くはないだろう。

最後に恋した男のとこに行ったって感じだが…参った。

これは計算違い…レオニダスもびっくりの計算違いだ。

 

「うおっっ…早速お得意の光線かよ!!いつもより数が多くてうっとおしいなおい!!」

 

このままこいつを放置することはできない。

おそらくカルデアの方でも魔神柱の出現による元の時代との誤差が酷くなっているから、ぐだ男たちの存在証明だけで手一杯だ。レイシフトは不可能だろう。

 

それ以前にこいつを野放しにしてたら他の戦かってる奴らの邪魔をしちまう!!

それはダメだ!!

 

「エジソン!!聞こえるかオイ!」

『あ、ああ!聞こえるとも。どうかしたのか?先程から地鳴りが酷いが…』

「最悪の事態だよクソッタレ!魔神柱のことは話したよな!?それが出てきやがった!しかも数えるのも馬鹿らしいレベルでな!!」

『ダニィ!?一本だけでもサーヴァント数騎必要な存在が…!?もうダメだ…おしまいだァ』

『ちょ、エジソン!?通信機を落とさないで…アラキ!?聞こえる?』

 

なにやら向こうでエジソンがギブアップモードに入ったようだが、すかさず俺代わりにエレナが反応する。

 

『爆弾兵を使ってケルト兵はあらかた倒したわ!それともうじきカルデアのマスターたちがそっちに突入するわ!ここからどうしたらいいの!?』

「…正直打つ手は10個ぐらい浮かんだけどそのどれもが俺が消し飛ぶかぐだ男が消し飛ぶかなんだよな…となると…あれしかないか」

『ああ、もお!!じれったいわね!!あるの!?ないの!?』

「ある。カルデアのサーヴァントに青い女騎士セイバーと紅いガングロ二股ブラウニー幸運:Eアーチャーがいる。彼らの協力を求めるしかない。アーチャーの方は固有結界がある。それで魔神柱全員結界内部に引き込んであとはセイバーの宝具…聖剣による強力な攻撃で一気に沈めよう。ただそれでも撃ち漏らしはあると思うし、数が数だ。今いるサーヴァント全員で結界内部での決着を着けるしかない」

 

理想としては結界内でのサーヴァント全員による一斉宝具だ。さすがの魔神柱どものそれは耐えられまい。

数さえ減らせばいつもの要領でやれる。

 

『なるほど…でもあるんでしょう?欠点』

「よくわかってる。そうだこの作戦は穴しかない。まず、魔神柱の数が多すぎて結界内に入れられるかって話。あとあの魔神柱たちの核は聖杯だ。一歩間違えれば相手は即座に再生して宝具使用後の隙をついて…運が悪ければサーヴァント全滅もありえる…そしてこれは即座に行わなければならない。サーヴァント全員を魔神柱戦に連れて行けば俺たち生身の人間だけであのクー・フーリン・オルタと戦わなければならない」

 

正直当たって砕けて上等って感じなんだよな。

もうどうにでもなれェェェ!!なんて叫びながら戦うしかないとも思える。

 

『…でもこれ以外に方法はないんでしょ?』

「…ああ。このまま魔神柱どもを野放しにはできない。時代が崩れ、このアメリカが自然消滅してしまう…それだけは避けなければならない」

 

アメリカという存在がなくなった人類史はどれほどの誤差を生んでしまうだろうか?

第二次世界大戦?アメリカ独立?それらが全部パーになり、なにが起こるか?

想像もできない。新しい並行世界が産まれちゃったりしちゃうのだろうか?

そういった話にはあまり詳しくないが聞いたことがある。

剪定事象。これ以上存続は不可能と抑止に判断された世界は自然消滅してしまうという。

この事態を解決しなければ俺たちどころか人類史に明日はない。

 

「…俺とカルデアのマスター。それとエクストラクラスのシールダーでクー・フーリンは抑える」

『できるの?そんなこと…』

「わかんない。だが運が良ければスカサハがすでにクー・フーリンを倒してるかもしれない…とにかくやるしかねえのさ。俺たちは」

 

爆風が髪をなびかせる。

ちらつく髪が、敵の攻撃が迫っていることを知らせているようだ。

 

「通信を切る。頼んだぜエレナ女史。

…それと、残りの自爆兵を全部差し向けろ。多少は効力あるさ」

『わかったわ…こんな時に言うのもなんだけど、仲直りできるといいわね』

 

そう言い残し、通信は切れた。

 

俺とぐだ男は喧嘩してるわけじゃないんだが…まあいいか。

 

「アンカー!!!」

 

鎖での立体移動に入る。俺がその場を離れた瞬間、俺がいたところが一瞬光ったかと思うと大爆発を起こした。魔神柱の攻撃だ。

 

「とにかく、スカサハに元に行かなくては…なッッッ!!」

 

俺は戦場の空を駆け抜ける。

 

 

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

ぐだ視点

 

僕らが監獄から全力ダッシュでケルト陣営に入り込むと、そこは地獄のようだった。

 

爆風や熱線。

怒声や爆音。

ケルト兵は槍を持って機械兵を相手するが、機械兵はなにをするわけでもなく敵陣に突っ込む自爆していく。

こんな機能、今まで見た機械兵にはついてなかった。

 

「この戦法は…」

『カルデアのマスター?聞こえるかしら?』

「エレナさん。はい聞こえます」

 

するとエレナさんから通信が入り、現状を説明させられる。

どうやらメイヴが聖杯で魔神柱を呼び出したらしいが、それがなぜか二十八体と言う馬鹿みたいな量らしく、それをどうにかするためにはサーヴァント全員による強力が必要らしい。

 

「わかったよ。エミヤ先輩!アルトリア!それにみんなも、向こうで作戦を実行してくれ」

「だがマスター。君とマシュはあのクー・フーリンを相手にしなければならないのだろう?」

「先輩!それは危険です!相手はあのケルトの大英雄!私一人では…」

『その点に関してはどうしようもないないわ。どっちみち魔神柱をどうにかしなければならないのは事実…苦しい決断だけどね』

 

『カルデア側としては、彼とマシュを二人だけで行かせるのはあまり進めたくない。せめてもう一人サーヴァントがいれb「俺が行く」ランサー!?』

 

颯爽とその槍を回しながら前に出てきたのは

 

「ランサー兄貴!…そうか、相手がクー・フーリンなら…」

「よくわかってるじゃねえか坊主…俺が出ねえわけには行かねえよな」

 

『そうね。その方が作戦の成功率は上ね。一人でも魔神柱対策から外すのは苦しいけど、マスターがやられちゃあ元も子もないものね』

 

そうして僕とマシュとランサーニキ以外は魔神柱討伐のためにエレナさん達との合流に向かった。

僕も急いでクー・フーリンの元に行こうとするが、通信からのエレナさんに呼び止められた。

 

「何ですか?」

『…言うなって言われてけど、性分なのかしらね。呼び止めといてなんだけど、

 

 

———早く行った方がいいわ。()()()()()()()

 

「———!!!…ありがとう。武運を」

『あなたもね』

 

今度こそ通信が途絶える。僕は通信端末をしまうのも忘れてダッシュする。

 

この先に…あいつがいる!

 

散々心配かけさせやがって…一発殴らなきゃ気が済まない!!

 

「…………ッッッくず男ォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

荒れ狂った戦場の街。

 

その中心で、心臓に槍が突き刺さった女性がいた。

 

そして、そんな女性を抱えて静かにその闘志を燃やす少年が一人。

 

「クー・フーリン…!」

「…俺が勝った。それだけだ」

 

 

二人の間に静寂が通る。

 

その次の瞬間、紅い槍がその静寂を突き穿つ!!

 

「怖じ惑え」

「だが断る」

 

少年は迫る矛先を右手で軽くいなし、鎖を手首に巻きつけ、そのまま遠心力で巨体の王を投げ飛ばした。

 

(狸が…いつのまに鎖を)

「俺は自分が相手より上だと思っているやつにNOって言えるタイプだぜこの野郎。

 

 

 

(そういえばメイヴのやつがいない…?すでに退去したか?いや…まさか…アイツ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

それは彼らの前に現れた。死に体でありながら、その肉体は男を惑わす魅惑の美体。

 

女王メイヴは、カルデア一行の前に現れた。

 

「さあ?ちょっとの間私と遊んでもらうわよ?()()()()()()()()()()()()()?」

 

「メイヴ…てめぇ…坊主と嬢ちゃん。先に行け。今のこいつは簡単にやれそうにねえわ」

 

「わかった。行くよマシュ」

「は、はい!ランサーさん気をつけて」

「応。さあ、この際だ。付き合ってやるよ女王メイヴ」

 

「ふふふ…今の私をなめないでね!」

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

くず視点

 

 

 

 

 

 

「メイヴのやつ…そうか…そっちに行ったか…」

「なに言ってんだテメェ。よそ見してる余裕があんのか?」

「厄介なビッチ一人見失ったら誰だってよそ見したくなるだろうが」

「…否定はしねえよ」

 

まあ目の前の怪物に俺がよそ見してるわけねえけどな。

いやこいつまじで強え…歯が立たねえ…

 

再び近距離戦に入る。遠距離に入ればあの回避不可能の追尾投擲槍が飛んでくる。

威力は俺の知ってるやつとは比べものにならねえだろう。

 

スカサハはやられた。多分ほかの暗殺チームも。それほどまでに目の前の男は強い…

 

「怖じ惑え」「嫌だって…言ってんだろ!」

 

「死ね」「やだね!」

 

「くたばれ」「断る!!」

 

「喋るな」「うっせェェェ!!!」

 

ガキィィィンッッッ!!!!

 

「がぁ…しまっ…「もはや言葉は必要あるまい」い゛ッッッ!!!!!」

 

紅い槍が俺に迫る。剣を弾き飛ばされ、右手でガードしようとするが…やばい…間に合わねえェェェ!!!!!

 

「チクショォォォォォォォォ!!!!!!!!」

 

 

 

そのまま呪いの槍が俺の心臓をえぐり…

 

 

 

 

 

 

「『ガンド』ッッッ!!!!」

「「!?!???!」」

 

 

突如後ろから飛んできた黒い物体は俺の脇を抜けクー・フーリンの腹に直撃する。

その瞬間、やつの動きはほんのすこし停止し、俺の右手は槍を掴め止めることができた。

 

しかし、黒い魔術以外にも、もう一つなにかが飛んできた。

 

「受け取れェェェェェェ!!!!!!」

 

それは細長く、見覚えのあるなにかだった。

すると俺の手は吸い付くようにそれを掴んだ。

 

掴んだ瞬間、俺は俺自身が驚くレベルの動きで、滑らかに、それでいて深く、その細長い武器でやつの脇腹を切り裂いた。

 

ズシャッッッッ!!!!!

 

「うッッッ…貴様…」

 

 

しかしその程度で追撃を止める奴ではない。さらなる攻撃を繰り出そうと槍は一度離れ、素早く俺の脳天目掛けて飛んでくる。

しかし今度はそれを俺以外のなにかが防いだ。

 

大きく、頼り甲斐のあるその()を、俺は知っている。

 

「ぐすッ…お久しぶりです…くず男さん…」

 

盾を持った少女は、べそをかきながら俺の方に振り向いた。一瞬戸惑った俺だが、

 

ポン

 

っと肩に手を置かれ、素早く振り返ると、ほおを指で突かれた。なんと初歩的ないたずら…

 

 

 

 

 

———ああ、やっと…またお前らに会えた。

 

 

 

「久しぶり親友。随分見た目が変わったね」

「久しぶり親友。そう言うお前は変わらないな」

 

 

 

 

 

左手に馴染んだそれはハルペー。

 

肩に手を置くのは親友のぐだ男。

 

大きな盾を持った優しい女の子はマシュ。

 

そして、見た目は変わったかもしれないけど、中身はそう変わってない。いつもの俺がそこに久しぶりに並んだのだ。

 

 

 

 

 

「百人力って言葉…知ってるか?狂王」

「知らねえな。何人力だろうが踏み潰し、殺し、支配するだけだ」

「面白みのねえ野郎だよ…あと言い間違えたが…百人力じゃねえ…」

 

 

 

 

 

 

「114514人力じゃァァァァァァ!!!!!!」

「ほんと見た目以外変わってないね、君」

「うっせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私のこと忘れてないかしら!?ねえ!!』

「あ、所長いたんすか?ハルペーしか覚えてなかった」

『チキショーメェ!!!』

 

 

 




感想指摘待ってます。

ちなみに最終手段はフュージョンです(ネタバレ)

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