というわけで今年最後の投稿。もうじき第五章も終わりますが、もうしばらくこの駄小説にお付き合いいただければと思います。
ところで福袋回すのは決めましたか?闇鍋じゃなければいいですけど…あはは…
エジソン視点
私の名はトーマス・アルバ・エジソン。此度キャスターのクラスで現界し、このアメリカを守る存在。
つまり大統王である。
敵はあの戦闘集団ことケルト神話の戦士たち。
我が機械歩兵達が一時押し込んだとはいえ、奴らの無限とも言える増殖率に再び我が軍は押し込まれようとしていた。
「エジソン。どうやら北側からさらにケルト達がきているわ。このままじゃまた押されるわよ」
「うむ…ありがとうブラヴァツキー君」
彼女はエレナ・ブラヴァツキー。私と同じキャスターのクラスで現界した生前からの友人だ。今回私の補佐を行ってくれている。
「ならば生産率をもう5%あげ、その分生み出した戦力で北側の戦力の増強を行う!」
「わかったわ。生産ブースに伝えておくわね」
「うむ……」
ブラヴァツキー君はそういい玉座から出て行った。
「………」
このままでは…アメリカは負けてしまう…
しかし…!!
『アメリカを守れ!』
『お前は天才だ』
『我らの独立を』
『無に返してはならない』
『『『『『アメリカヲ守レ、大統王 トーマス・アルバ・エジソン』』』』』
————そうだ。私は大統王エジソンだ。
「エジソン」
「!…カルナ君か。どうしたんだ」
「何者かがこの城に侵入した。気配は二つ。その内一つは俺かそれ以上の戦力かもしれん」
「なんだと!?」
カルナ君を上回るかもしれないほどの戦力!?
「も、もう一人の敵は?」
「分からん。気配がうまく使えん。アサシンのサーヴァントか。それともさほど強くないのかのどちらかだろう」
「そうか」
ならさほど問題ではない。強敵が二体なら少々不利だったが、一人だけなら問題ではない。
機械歩兵に一人は任せて残りの強敵をカルナ君と私、そしてブラヴァツキー君で押し倒せば万事解決だ。
「査定の時間だオラァァァァァァァ!!!!!」
「!?!!?」
「きたぞエジソン。おそらく奴らだ」
その少年は壁を
ー《F/GO》ー
〜くず視点〜
「よし…3、2、1ッッ…査定の時間だオラァァァァァァァ!!!!!」
「意味がわからんぞアラキ」
俺は玉座の扉を石化してから蹴り破り、派手に登場してみる。これは別にただやりたかっただけ。
そして開幕奴らに息継ぎなどさせない。
「スカサハ先生!あのやばいインド人お願いします!」
「任された」
スカサハはそれだけ言ってカルナを槍ごと奥の壁をぶっちぎって行った。
あの人もう一人のインド人対策だからあまり怪我させたくないんだが…戦闘民族には何言ってもダメか…(オラ、ワクワクしてきたぞ!!)←帰れ。
「…き、機械歩兵!!」
エジソン…エジソン?かもしれないライオン頭がそう叫ぶと俺の後ろの扉の残骸から何体もの機械歩兵が現れる。
…が、今の俺には意味がない。
「
ピシィィィィンッッッッ…
俺がそう呟くと同時に、機械歩兵達は足元から石化していった。うん。上々。
ちなみに空中で石化したものもいたのかそのまま重力に従い地面に向かって激突。バキっと割れてしまった。
「ここに来るまでに魔力は十分に溜まってたんだ。魔眼数発くらい平気で撃てるぜ」
「き、貴様…ん?その制服…まさか!?」
「想像通りだぜ。ここに一度来たであろうカルデアのマスター。俺はその同僚。同じくマスター勤めている多田野 荒木だ。気軽にくず男って呼んでほしいぜ」
まあこっちは全然想像通りじゃねえけどな。何そのかっこう?どうしたらそんなムッキムキになんの?そもそもなんでライオンヘッドなの?剥製かぶってんの?もしかしてエジソン=ライオン説でもあったの?
…まあいいや。今はどうでもいい。
「エジソン!俺はあんたと交渉しに来た!俺は何としてもケルトを倒したい!だが奴らの勢力にはさっきそこにいたカルナと同じ時代を生きたアルジュナが入っている!」
「なにぃ!!?」
「俺の仲間、つまりカルデアは奴らに暗殺を仕掛けるだろう!だがメイヴにクー・フーリン、それに加えてアルジュナではどうあがいても作戦成功はありえない!わかりやすく言おう!俺はあんたらと手を組みたい!」
俺は伝えたいことを簡潔にわかりやすく伝えた。伝えたつもりだ。
しかしエジソンの目は厳しく、俺は睨んでいる。
「…たしかに…アメリカを守るためにはケルト達を倒すしかない…だが!君たちカルデアとは以前の会談で相容れぬ存在と判明したのだ!!」
「悪いが俺は以前の会談ってのに立ち会ってねえし、状況がつかめねえ!つまりどういうこった!?」
「私はケルトを倒し、この特異点を継続させる。ほかの国が、世界がどうなろうと、合衆国アメリカが残ればそれでいい!」
何言ってんだこいつは!?それじゃあ意味ねえんだよ!!
「その意味わかっててそんな意味わかんねえこと言ってんだな!?その馬鹿げた妄言のせいでこれからどうなろうといいってんだな!?」
「知らん!お前らが何を言ってるのかわたしには何も分からん!ただ…わたしは守らねばならない!このアメリカを!アメリカ合衆国をだ!!!!!!」
巨大な雄叫びをあげ、こちらを威嚇するエジソン。なるほど、一瞬だが見えたぞ。お前の背後にあるものがなッッッ!!!
「寝言がいいてぇんならよぉ…文字通り寝かしつけてやるぜ!!」
「ふん!たかが子供一人!大統王が押し出してやるわ!!」
俺は
ドゴォ!ドゴドゴォ!!
「GUOOOOOOOO!?!????なんだこの硬さは!??!?」
「WRYYYYYYYYY!?!????なんだよこのパワー!??!?」
こいつ見掛け倒しじゃねえぞ!?筋力Eはある…忘れがちだが、筋力が最低値のEでも人間の頭蓋骨をトマトみたいに潰すことは可能なのだ。あのもやしっ子アンデルセンでもパンチ打ったら俺は死ねる。
サーヴァントは本来規格外…イイネ?
「GYOOOOOOOO!!!!!」
「マジでライオンみてぇだなオラァァァァァァァ!!!!!」
パンチを右手で止め、左手で剣を取り出し首めがけてかっ飛ばす!まあ寸止めする予定だが…
バチンッッ!!!
「な!!?」
「こ、この光線は…!」
「エジソン!無事!?」
後ろから幼女…というほど幼くもない少女がビームを放ち、鱗剣が弾き飛ばされてしまった。
ってやばいこのままじゃ…
「GOOOOOO!!!!」
「ぎゃァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
俺は右手を掴まれそのまま壁に叩きつけられた。
ちくしょうもう一人サーヴァントがいるなんて聞いてないぞスカサハ!!!
「ブラヴァツキー君…助かったぞ」
「礼はいいわ。友達でしょ。それより…」
あ、ここ砂けむりからかっこよく出てきたらちょっといいかも…
……って思っちゃうあたりほんと俺ってしょうもねえ…!!
「……悪いが俺は結構頑丈なんだ。それにこんぐらいで壊れちゃうなら俺は戻ってきたりしないさ」
「何を言っている」
「なあエジソン。お前が何抱えて戦ってんのかは知らねえ。けどよ、この国ってのはお前が理想としてる国はたかが戦闘民族の侵略で堕ちちまうハリボテなのか?」
ここはあらゆる国から独立した人種達が築き上げた独立国。そうだ。イギリスからも世界のトップを勝ち取った最強の国だ。
「あんま抱えんなよ」
「……そうだ。私達のアメリカは強い」
「その通り。お前は正しい。だが一つ大きく間違っている」
それは簡単単純…わかりやすいことだ。
「アメリカ以外どうなってもいい…そう言ったな。あいにく国ってのは一つじゃ成り立たねえぜ?どんなに強い国でも、何かに寄っかからなきゃ生きていけねえんだ」
だが、ここであーだこーだ言ったってこの発明馬鹿には伝わらないのだろう。
だから俺は拳を握りしめる。
「とっとと…」
(速い!!)
(体が…動かない!?)
少女の方は石化で足を固めた。攻撃に入る前に片をつける!!
「目ぇ覚ませこのライオンがァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「GYAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOッッッッ!!!!!!」
思いっきり腰の入ったパンチがエジソンの硬い顔に入る。
ミシミシと手から伝わってくる獣のような感触が地味にアレだが、まあ響いてるってことで。
「フンッッッ!!!」
「ブホォッッッ……」
俺は倒れ伏した巨漢に胸元を足で押さえつけ、素早く拾った剣を喉元に向ける。
「いつでも殺れる」
「……私は…受け継いだのだ…
「それで意地になって国民酷使してどうすんだマヌケ。何度転んでも立ち上がるのはあんたの美徳だが、その意地っ張りはやっぱりどうかと思うぜ」
「はは…私の伝記でも読んだか?少年」
「…昔、あんたみたいな人間に憧れた。何度潰れようが立ち上がる精神力…子供の頃、俺にはそれが必要不可欠だった」
俺も昔はこのライオン頭のことを言えないくらい意地っ張りだった。
ああ、なんてかっこいいんだろう…て…子供ながらあっさり思い込んだ。
「私は…失敗したのか」
「ああ、大失敗だ。こんなやり方じゃあせいぜい時間稼ぎがいいとこだ…でも、またやるんだろ?」
「そうよエジソン」
「ブラヴァツキー君…」
少女は振り返る。戦う意思がないようだったので、とっくに石化は解除しておいた。
少女は起き上がるエジソンに顔を合わせ、笑顔で言う。
「たとえ3000回失敗しても、3001回目を始めて、それで周りを散々引っ掻き回して、ちゃっかり自分はまた立ち上がるはた迷惑な男…それがあなたでしょ?」
「そ、それは褒めているのかい?」
「当然!エジソンはそこがいいのよ」
俺は数歩下がり二人に頭を下げる。
「改めて…どうか手を貸して欲しい。大統王トーマス・アルバ・エジソン。俺に俺の仲間とあんたの国を守らせて欲しい」
俺たちは今日から仲間になった。
「ところで君本当にマスターかね?サーヴァントの姿が…」
「そのたてがみ全部剃ってやろうか?あ?」
「ヒエっ…この少年意外と怖いぞブラヴァツキー君!!」
「そんな事言うからでしょ…全く…」
言っていいことと悪いことがある。ていうかスカサハそろそろ戻ってきてくれねえかな…
そのあといい笑顔のスカサハとカルナが帰ってきたことは言うまでもない。
感想指摘待ってます。
良いお年を!!